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第322回 洋楽編 RONNIE JAMES DIO ―― Voice of Heavy Metal生誕80年!
2022 / 10 / 04
前回取り上げたオジー・オズボーンのニューアルバム、『Patient Number 9 』がアメリカのビルボード誌のトップ・アルバム・セールスの1位を獲得したという。ビルボード誌での1位はオジーにとって初めてだとのこと。オジーの全盛期は80年代から90年代のようなイメージがあるけど、2002年のMTVのリアリティ番組『オズボーンズ 』以降、世界中のお茶の間(日本以外にあるのか)に知られるようになって以降ずっと、欧米ではHR/HMという狭いシーンを飛び越えた人気を獲得しているんだよね。最近のヒットチャートにはロック・アーティストの名前が少なくて寂しく思っていたけど、さすがはオジー! 長年のファンとしては嬉しい限りです。……さて、今回の音楽総研は、そのオジーとは少しばかり因縁のあるロニー・ジェイムズ・ディオについてあれこれと。
ロニーのことを久しぶりに書こうと思ったのは、先日ネットを見ていたら今年はロニー生誕80年、なんて記事を見つけたからでした。そうか、ロニーはそんな年齢だったのかと、ちょっと驚いちゃってね。ロニーは2010年の5月に67歳で亡くなっているわけで(誕生日は7月)、存命であればたしかに80歳なんだよなあ。昔はウィキペディアなんてなかったから、ミュージシャンの年齢なんて知らずにいたことが多かった。まあ、たとえばBON JOVIのメンバーなんかに比べるとだいぶ年上だろうとは思っていたけど……、80年代からもうおじさんに見えたオジー(73歳)よりもだいぶ年上だったんだね。RAINBOWで一緒にやっていたリッチー・ブラックモアは77歳だし、リッチーよりも上で、今年80歳だということは、ポール・マッカートニーと同い年ってことか。……それなのにあんなにヘヴィな音楽を? って、ちょっとびっくりしませんか。
ロニーのプロとしてのキャリアは1962年にRONNIE DIO AND THE PROPHETS なるバンドでスタートしていて(THE BEATLES と同じ年!)、以前は探しても見つからなかったけど、現在はCDも手に入るし、YouTubeでも聴ける。すごい時代になりました。このバンドはアメリカン・ポップスというか、わかりやすく言えばいわゆるオールディーズ(当時はオールディーズではなかったわけだけど)的なサウンドで、RAINBOWやDIOとは全く違う。ただ、やっぱりあの特徴的な歌声はロニーそのもので、シャウトとまではいかないまでも、高音を出す時に後の片鱗を感じさせなくもない......かな。ロニーが歌う甘いアメリカン・ポップスというのもなかなか貴重だと思うので、未聴の方はぜひ。
RONNIE DIO AND THE PROPHETS 『The Way of Love』
人に歴史あり......。聴こえてくるのはたしかにロニーの歌声なのに、この曲調!
RONNIE DIO AND THE PROPHETSの後に結成したELF はロックバンドではあるけど、ハードロックと呼ぶにはだいぶソフトだし、ピアノやオルガンもフィーチャーされていてR&Bテイストが強い。ELFは土着的なブルーズロックをやっていたバンドだと思う。俺は初期のWHITESNAKEを思い出すんだよね。初期のWHITESNAKEや、デイヴィッド・カヴァデールの70年代のソロアルバム なんかが好きな人は気に入るんじゃないかな。で、この当時、DEEP PURPLEのロジャー・グローヴァー (B)がプロデュースしたりして、リッチーとの繋がりが出来るんだよね。そしてリッチーがELFをバックバンドにソロプロジェクトを始めて、結果それがRAINBOWになるという。......あれ、デイヴィッドのソロアルバムもロジャーのプロデュースだったな。そんなところに共通点があったとは......!
BLACK SABBATH 『Die Young』
BLACK SABBATHだとこの曲がいちばん好きかな
前にも書いたけど、俺がロニーのことを知ったのは、ロニーが80年代にDIOをやっていたころで、聴いてすぐにはその魅力に気付きませんでした。今でこそELFも聴くほどのロニーのファンだけど、キャッチーでルックスも派手なLAメタルばかり聴いていた当時の俺には、ロニーのカッコよさがあんまりわからなくてねえ。RAINBOWはジョー・リン・ターナー時代がいちばん気に入っていたし、BLACK SABBATHも断然オジー派だった。それがいつ頃だったか......、リッチー・ブラックモアの大ファンになってRAINBOWばっかり聴いていたら、「ロニーすげえ!」と、ガラッと変わっちゃったんだよね。
DIO 『Rock 'n' Roll Children』
DIO時代の名曲。DIOは一応バンドなのに、MVにはロニー以外出てこない......。
もうちょっとメンバーを大事にしていればねえ。
余談ですが、昔はちょっとしかわからなかった冒頭の英語のセリフ、
久しぶりに観たらちゃんと聞き取れるようになってました(嬉)!
RAINBOW以前のロニーの音楽性を考えると、やっぱりRAINBOWに参加したことで、世界中によく知られている、あの世界観や音楽性が開花したと考えるのが自然だよね。そして、それがBLACK SABBATHやDIOにも繋がったと。個人的にはロニー時代のRAINBOWを超えるバンドはいまだにいないように感じているんだけど、それはやっぱりリッチーとのケミストリーがあってのことだったと思うし、何度も噂にのぼった再結成を、ぜひとも実現してほしかった......。今さら言ってもしょうがないことだけど......。
RAINBOW 『Gates of Babylon』
RAINBOWだとやっぱりこれかなあ。このMV、他のメンバーはあてぶりだけど、ロニーは生歌っぽいね!
そして、この動画を公開しているのが当時のベーシスト、ボブ・デイズリーのチャンネルなのがびっくり
※ikkieのYouTubeチャンネルです!
https://www.youtube.com/channel/UC-WSajndNhq0tu7K7-MBEmQ?view_as=subscriber
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