ikkieの音楽総研

第342回 邦楽編 Gacharic Spin ―― やっぱりGacharic Spinは凄い! 待望のニューアルバム『W』リリース!

2023 / 07 / 11

暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。俺はこのところバイクに乗る機会が多かったんだけど、腕だけ日焼けしちゃって困っております……。しかも指ぬき手袋をしていたもんだから、手の甲だけ白くって。手袋しないで手の甲も焼いたほうがいいんでしょうかね。……さて、今回の音楽総研は、先日リリースされたGacharic Spinのニューアルバム、『W 』についてあれこれと。

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Gacharic Spinは今年2月にLINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライヴの開催にあたり、はな(Vo,G)、F チョッパー KOGA(B)、オレオレオナ(Key)、TOMO-ZO(G)、yuri(Dr)、アンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー)という現在の編成が最終形態で、これから最終章が始まると宣言し、「ガチャピン解散するの?!」とファンをざわつかせてしまった。しかし、これは幾度もメンバーチェンジ(パートチェンジまでも)を経験してきた彼女たちが、現在のメンバー編成での充実ぶりを実感し、もうメンバーチェンジはせず、この6人で勝負していく! という自信と覚悟を持っての宣言であり、解散するわけじゃないということがわかって、ひと安心......そして、リリースされたニューアルバム『W』が最終形態の現在のメンバーだからこそ生み出されたすばらしく充実した内容で、ひと安心......ではなく、すごく興奮している!

意外なほどのダークさで始まる『レプリカ』に始まり、ツインギターの絡みとアンジーの力強いヴォーカルが魅力的な『The Come Up Chapter』、Gacharic Spinらしいガチャガチャしながらもとにかく楽しい『カチカチ山』......、その前半3曲のたたみかける勢いに圧倒されていると、『rabbithole』の洒落たコード使いに驚き、切なさと温かさの両面を持ったミディアムテンポのバラード『ロンリーマート』に胸を打たれる......。


『レプリカ』
アンジーの鬼気迫る歌声と表情が凄い。語り部分のハモリが不穏さを強調してるよね

 


アルバム後半はライヴでもすでに演奏されている『KIRAKIRAI』、『リバースサイコロジー』をはじめ、アップテンポで激しい曲が揃った印象だけど、アンジーが亡くなった父親への想いを歌った『Voice』や、Gacharic Spinと親交が深いギタリストの大村孝佳 が作曲したメロディアスなヘヴィメタル(!)『Live Every Moment 〜ヒトヨバナ〜』、ダウンチューニングのヘヴィなリフからワルツまで登場するGacharic Spinならではの変幻自在なアレンジが光る『ナンマイダ』など、QUEENもかくや、と思ってしまうほどの振り幅の広さに驚かされた。

『ロンリーマート』
アレンジの緩急! アンジーの歌も凄くいい。この曲はドラマの主題歌とかになったら大ヒットすると思うんだけどな......

 


Gacharic Spinの演奏技術の高さについてはここでも何度も書いてきたし、世間での評価もそこにフォーカスされていることが多いように思う。しかし、もっと作曲やアレンジ能力が評価されてもいいんじゃないだろうか(ファンはとっくに気付いているだろうけど)。これまでも凄いとは思っていたけど、今回の『W』はそれ以上。ぱっと聴いた感じはキャッチーだし、聴きやすくアレンジされてもいるから、聴き流してしまったりもするんだけど、ヘッドフォンでじっくりと聴いてみると、各楽器のサウンド作りも含めた、巧みに構築されたアレンジに唸らされてしまう。

『ナンマイダ』
どの曲を紹介しようかほんとに迷ったんだけど......、最後はGacharic Spinの真骨頂?! のこの曲を。
どうやったらこんな曲浮かぶんだろうね

 


Gacharic Spinはメンバー全員が作曲に関わっており、クレジットもGacharic Spin名義になっているけど、誰が主導してどの曲を書いた、ということはあって、たとえば今作では前半4曲はTOMO-ZO、『ロンリーマート』と『Voice』の歌モノ2曲はオレオ、それ以外ははなが中心、といった感じで作られたようだ。ふわふわしたイメージのTOMO-ZOが『レプリカ』のようなダークな曲を書いていたのには驚いたけど、前作 の『I Wish I』も彼女だというし、ダークだったり、ヘヴィだったりする曲が得意なのかも。TOMO-ZOは、テクニカルなプレイだけでなく、エフェクターやギターのボリュームの使い方などの楽曲をいかすためのプレイがとにかく素晴らしくて、ライヴ映像を観るたびに感心していたんだけど、あのプレイはいい曲を書く人だからこそ、なのかも。そういえば今回はTOMO-ZOヴォーカルの曲がないのが残念......。

3人の才能あるソングライターがそれぞれの個性をいかして作曲し、これだけバラエティに富んだ楽曲が集まったわけだけど、ともすれば散漫な印象になりがちなこの振り幅の広さが、今作『W』の......いや、今作に限らず、Gacharic Spinの大きな魅力になっているよね。それはやっぱり曲作りの中心であるTOMO-ZO、はな、オレオだけでなく、成長著しいアンジーのヴォーカル、久しぶりに全面参加のyuriのドラム、そしてもちろんGacharic Spinの大黒柱、KOGAのベース......、メンバーそれぞれが魅力的な演奏、歌を聴かせてくれているからで、普通なら同じバンドがやっているように聴こえないほどタイプの違う曲でも、そのどれもがGacharic Spin以外の何物でもない。これって凄いことですよ。

正直に告白すると、『W』を聴くまでは前作『Gacharic Spin』が大傑作だったあまり、あれはなかなか超えられないだろうなあ......なんてことを思っていました。(『カチカチ山』ふうに)ごめんなさーい! でも、聴いてからはやっぱりGacharic Spinは凄いとすっかり手のひら返しです。

......もう一回言っとこう。やっぱりGacharic Spinは凄い!


(文中敬称略)

 
 

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