ikkieの音楽総研

第343回 ライヴレポート編 MR. BIG ―― ザ・ビッグフィニッシュ、フェアウェルツアー......、MR. BIG、最後の日本公演!! (前編)

2023 / 08 / 01

うだるような暑さだった7月25日、日本武道館で行われたMR. BIGのライヴ、「The Big Finish / FAREWELL TOUR」を観に行ってきました! 今回のツアータイトル通り、彼らはその活動に終止符を打つことを表明しており、日本でのライヴも翌26日の追加公演が最後になってしまうとのこと……。

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この日の日本武道館は早々にソールドアウトになったようで、平日だというのに天井近くまで観客でぎっしり。観客の年齢層は、彼らの活動をリアルタイムで追ってきたであろう40〜50代が多そうだったけど、若いファンや親子連れも見かけたし、他のHR/HM系アーティストに比べて、女性の割合がかなり高かったのもMR. BIGならでは。黄色い声援を久しぶりに聞きました。

定刻の5分ほど前、大きなスクリーンにステージに向かうメンバーの様子が映され、大きな歓声が起こる。キャバレー・ミュージック風のジャジーなSEに乗ってメンバーが登場し、いっそう大きな歓声が沸き起こるなか、ビリー・シーン(B)が高速タッピングを......オープニングは『Addicted To That Rush 』だ! ベースの音がとんでもなくデカいけど、それがMR. BIG! エリック・マーティン(Vo)は少々高音がきつそうな印象があるものの、あの魅力的な歌声は健在だ。黒縁メガネに無造作ヘアのポール・ギルバート(G)は、数学教師か科学者のように見えたけど、プレイの正確さは相変わらずで、あまり音響のよろしくない武道館でも一音一音がはっきりと聴き取れる。そして、どんなプレイを聴かせてくれるのかと期待半分、不安半分だった新加入のニック・ディヴァージリオ のドラムは、技術的にはもちろん心配はしていなかったけど、2018年に亡くなった前任のパット・トーピーと比べても、心配していたような違和感はなく、まずはひと安心......。

『Addicted To That Rush』
リリース当時、この曲を初めて聴いた時の衝撃といったら!

 


1曲目から大盛り上がりで演奏が終わると、ぎっしり埋まった観客席を見まわしたエリックが、「It's So Beautifull!! スゴーイ!」と嬉しそうにひと声。「僕たちの兄弟、パット・トーピー......。彼のサイン入りのアイコニックなビートだ」と、『Take Cover 』をプレイ。ニックはYouTubeでこの印象的なドラムパターンを解説 したりもしており、他のメンバーたちが口を揃えて言うように、そのプレイからはパットへのリスペクトを感じる。そのニックのドラムと、エモーショナルな曲調も相まって、思わず涙腺が緩んでしまう......いやいや、まだ早いって! 続けて再結成後のアルバムから『Undertow 』をプレイし終えると、スクリーンに『Lean Into It 』のジャケットが映し出された。今回のツアーの目玉、『Lean Into It』の全曲再現の始まりだ!

『Take Cover』
曲中ずっと続くこのドラムパターンが、エリックが言うところのパットのシグネチャーでアイコニックなビート。
ドラマーが叩きたくなるフレーズなのか、YouTubeにはカヴァー動画や解説動画がたくさん

 


アルバムどおりに『Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)』のドリル音が聞こえてくると、すぐに期待に満ちた大きな歓声が。この人気曲の盛り上がりはすさまじく、サビでは観客席からの歌声でメンバーの歌声が聴こえなくなるほど。ライヴ定番の『Alive And Kickin'』に続く、MR. BIGの日本での人気を決定づけたのはこの曲じゃないか、と個人的に思っている『Green Tinted Sixties Mind』では、次はこの曲がくるとわかっているはずなのに、イントロが始まった瞬間、観客は爆発的な盛り上がりを見せた。あらためて凄い曲だ!

『CDFF-Lucky This Time』、『Voodoo Kiss』、『Never Say Never』と、近年のライヴでは披露されていなかった曲に続き、ギターを持ち替えたポールが『Just Take My Heart』のイントロを奏でる。この曲はギターのチューニングがちょっと特殊で、ポールのアイディアや探求心に感心したことを思い出す。ロマンティックなこのバラードでは場内がスマホのライトでいっぱいになり、幻想的な雰囲気に。しかし、エリックは高いところがかなりキツそう......。

『My Kinda Woman』、『A Little Too Loose』(ビリーの低音ヴォーカルが炸裂!)、『Road To Ruin』とブルージーな曲に続き、エリックがメンバー紹介を。ポール、ニックと順に紹介したエリックは、ニックに「ドラムロールをくれ」と頼んで、大いにもったいぶってから(笑)、「Mr. Big, Mr. Bad, Mr. Ballsy!! From Buffalo New York, ビリー・シーン!」とバンドをスタートさせた中心人物であるビリーを紹介。観客席から一段と大きな拍手と歓声が起こった。そして、「I'm the one who wants to be with you!!」と『To Be With You』の歌詞にひっかけて自身を紹介、そのままアルバム最後に収録された大ヒットシングル『To Be With You』へ。エリックがキャンプファイアー・ソングだという通り、会場中が大合唱し、武道館が和やかで温かい空気に包まれる。この曲がリリースされてから、もう30年以上も経っているけど、その魅力はいささかも色あせていない......どころか、長年のファンとしては、ノスタルジーや思い入れも加わってなんだかたまらなくなり、一緒に歌うことも出来なくなってしまった。MR. BIGは今もこんなに凄いんだから、解散しなくたっていいじゃないか......。


『To Be With You』
震災直後に行われた日本でのアコースティックライヴから。実はこのころからすでにパットは体調が悪かったみたい......

 


......さて、今回はここまで! 後編は8月8日に更新の予定です。楽しみにしていてくださいね!

 
 

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