ikkieの音楽総研

第368回 ライヴレポート編 Gacharic Spin ―― 全力エンターテインメントバンドの本領発揮! Gacharic Spin "LIVE 2024 「Let It Beat」"(後編)

2024 / 07 / 23

前置き抜きでいきましょう! 7月6日にTOKYO DOME CITY HALLで行われたGacharic Spinの“LIVE 2024 「Let It Beat」”のライヴレポート、後編です! (前編はこちら

『where you belong』をプレイし終え、メンバーたちがステージから降りると、大スクリーンに告知映像が流れた。今年の10月28日に結成15周年を迎えるにあたり、15周年にちなんで15曲入りのアルバムが10月9日リリースされ、インディーズ時代の楽曲の再レコーディングや、本日プレイされた新曲が収録されるとのこと。

告知映像が終わると、衣装をチェンジしたメンバーたちがステージに登場、少しスローダウンした会場を名曲『TAMASHII 』でまた激しく盛り上げた。はな、アンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー)、オレオレオナ(Key,Vo)の3人の畳みかけるようなヴォーカルにまずは圧倒されたけど、『TAMASHII』はドラムも聴きどころ! yuriの迫力あるプレイにすっかり魅了されてしまった。そしてこの曲は、ほんの2週間前にはな(Vo,G)が参加したSAKIのライヴでインストゥルメンタルバージョンを聴いたばかり。両者の違いを楽しみつつ、こんなに大きな自身のライヴが控えていたのに、あの日、よくあれだけのプレイを聴かせてくれたと、あらためて感心した。はなだけでなく、あの日参加した他のメンバーたちも翌日には日本各地でそれぞれライヴをやっていて、プロの世界では当たり前のことではあるけど、やっぱり凄いことだと思う。

ジャーマンメタルテイストの『Live Every Moment 〜ヒトヨバナ〜 』では、はなとTOMO-ZO(G,Vo)のツインギターで魅せる。TOMO-ZOは歌ものだけでなく、こういったヘヴィな曲調でも楽曲に合った勢いのあるプレイを聴かせてくれる。ふわふわしたキャラのせいか、どうも実際の実力よりも過小評価されていると思う......。続く『ナンマイダ 』はGacharic Spinの真骨頂とでも言うべきか、ラウドロックからワルツまで激しく展開するごった煮感満載のアレンジが秀逸だ。この難曲がライヴでしっかりと成立するのはGacharic Spinだからこそ。並のバンドならあっという間に演奏が崩壊してしまうだろう。

『ナンマイダ』
 


TOMO-ZOヴォーカルの新曲『S・w・e・e・t』の次はGacharic Spinのワンマンライヴのお約束、TOMO-ZOのおしゃべりコーナー。メンバーをギリギリのラインでいじりつつ(オレオは体重まで公表されてしまった)、会場中を笑顔にする。それぞれのエピソードも紹介したいけど、TOMO-ZOが用意したカンペはなんと8枚、ここではとても紹介しきれません......。そして、そのTOMO-ZOは会場の隣にある東京ドームで伝説を残したバンド、BOØWYの『MARIONETTE 』を"氷室TOMO介"になって熱唱(野音のほうがみんな歌ってた、というメンバーの声に応え、なぜか2回も)。

楽しいおしゃべりコーナーの後は最新EPからの『ストロボシューター 』、F チョッパー KOGA(B)が花道に出て来てのスラップのイントロに大歓声が上がった『赤裸ライアー 』、音源未収録の新曲『乱心grow』と激しい曲が続く。『乱心grow』では、TOMO-ZOとはなが2人同時にギター回しを決めた! 直立不動で演奏に没頭するアーティストも悪くはないけど、個人的には目でも耳でも楽しませてくれるアーティストが大好物。マイクパフォーマーのアンジーは言わずもがな、キーボードのオレオやドラムのyuriまでが最前列に出て来てパフォーマンスするGacharic Spinは、キャッチコピーの通り、全力でエンターテインしている最高のバンドだ。そして昨年リリースされたシングル『Baku Baku 』、大合唱が起こった『Lin-Lin-Lan 』で本編が終了。

『ストロボシューター』
 


当然このまま終わるはずもなく、客席から大きなコールと拍手でバンドを呼び戻す。ステージに戻ってきたメンバーからは中盤の告知に加えて、ライヴ情報なども発表。そして、KOGAがこの15年間を振り返って、Gacharic Spinの歴史を涙まじりに話す。いろいろな困難に見舞われたバンドだけど、よく思い出すのは普段の何気ない会話や、機材車から見た景色などの日常の風景だという。これには立場は違えど共感した人も多かったんじゃないかな。ハレの日だけが人生じゃないよね。KOGAは、わたしがリーダーでいいのかなと思う、なんてことも話していたけど、あなたがリーダーだからこそ、ファンは応援しているんですよ、と声を大にして伝えたい。ファンはみんな、そういうKOGAちゃんが大好きなはずだよ。

ファンへの感謝をあらためて伝えつつ、リリースされたばかりの新曲『ハーフウェイ、その先へ 』をプレイ。歌詞や曲調からおそらくオレオが中心になって書かれた曲ではないかと予想しているんだけど、そのオレオのヴォーカルもフィーチャーされた、エモーショナルな楽曲に涙腺が緩んでしまう。そして、「今日はカッコつけようと思って、泣かないつもりだったんだけど」と言いながら、涙声で「このバンド大好きです」と話すアンジー。大盛り上がりの『シャキシャキして!! 』でこの日のライヴは終了......。余韻たっぷりに客席に手を振り、他のメンバーがステージを降りた後も、アンジーだけがステージに残り、会場中、アリーナにも2階席にも3階席にも手を振り、最後に"エアハグ"をしてステージを降りていった。

『ハーフウェイ、その先へ』
 


数えてみればたっぷり22曲も演奏してくれたけど、あっという間の2時間半だった。彼女たちのライヴを生で観るのはこれが初めてではないけど、定評のある演奏技術はもちろん、想像していた以上に近くで観ることのできたメンバー達は本当にキラキラしていて、なんと魅力的なバンドなんだろうとあらためて惚れ直した。もっともっと大きくなっていいバンドだし、きっとそうなるだろう。これくらいの規模の会場で観られるのは今のうちだけかもしれない。いいライヴだった......!

(文中敬称略)

Gacha-2.jpg

2024.7.6 Gacharic Spin LIVE 2024 「Let It Beat」 Set List

1. Let It Beat
2. I wish I
3. オドリオドレ
4. 1GAME
5. A LALA
6. カチカチ山
7. High Grayinbow(新曲)
8. Mind Set
9. ダンガンビート
10. Voice
11. where you belong
12. TAMASHII
13. Live Every Moment 〜ヒトヨバナ〜
14. ナンマイダ
15. S・w・e・e・t
16. ストロボシューター
17. 赤裸ライアー
18. 乱心grow
19. Baku Baku
20. Lin-Lin-Lan

Encore
21. ハーフウェイ、その先へ
22. シャキシャキして!!

Gacha-3.jpg


※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
https://linkco.re/vPZ00Quz?lang=ja 


※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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