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インタビュー/記者会見
映画『アジョシ』の来日記者会見にウォンビン登場!
「愛の深さをもう一度考えるようになりました」
去る8月30日(火)、映画『アジョシ』の来日記者会見がパークハイアット・東京で行なわれ、主演のウォンビンとキム・セロン、そしてイ・ジョンボム監督が登場し、作品の魅力について語った。
まずは『アジョシ』のご紹介――
韓国にて観客動員数630万人突破という一大ブームを巻き起こし、年間No.1ヒットの座を獲得。数々の賞を総なめにしたのがこの『アジョシ』。
息をのむリアルな戦闘シーンを披露するのは、かつて見たことのない“新しい”ウォンビン。無垢な青年を演じて高く評価された『母なる証明 』(09年)から一転、心に深い傷を負い、愛と幸福に背を向けて生きる男テシクに扮した。
ただ一人心を通わせる少女ソミを犯罪組織から救うために命を張るテシクを、鍛え抜かれた完璧な肉体を駆使して、ほぼスタントなしで演じ切ったウォンビンは大絶賛を浴び、韓国アカデミー賞〈大鐘賞〉主演男優賞に輝いた。
韓仏合作映画『冬の小鳥 』(09年)で世界を驚愕させた天才子役キム・セロンがソミに扮し、愛を求める孤独な少女をけな気に演じ、涙を誘う。監督は『熱血男児 』(08年)のイ・ジョンボム。
日本では東映から新レーベルである『東映トライアングル』の第1弾として、9月17日(土)より全国公開される。
それでは会見の模様をどうぞ。
まずはご挨拶からお願いします。
ウォンビン:みなさんこんにちは、お会い出来て嬉しいです。久しぶりの来日です。今回、映画『アジョシ』ではテシクという役を演じています。みなさんありがとうございます。
セロン:(日本語で)こんにちは、はじめまして。私は映画『アジョシ』でソミ役を演じたキム・セロンです。この映画を楽しんでください。ありがとうございます。
凄いですね〜日本語憶えていらしたんですか?
セロン:少し……(笑顔)。
イ監督:みなさんこんにちは、日本は二度目の来日になります。韓国では一年前に公開されていますが、その時のことを思い出しました。凄く緊張しています。この映画をたのしんでいただければと思っています。
ウォンビンさんはどういった思いで役に挑まれましたか?
ウォンビン:『アジョシ』(「おじさん」の意)というタイトルが非常に気になりました。台本の1ページ目から最後まで非常に興味深く読むことができました。中には素晴らしいアクションも多くありますが、私自身はこのテシクのキャラクターに惹かれました。テシクの心の痛みや、ソミとの心のふれあいなど、そういった内面性がシナリオに上手く表現されていると思いました。新しい愛とはなにか? そこに魅力を感じ、この作品に出演させていただきました。
ウォンビンさんは日本でも大人気ですが、キム・セロンさんは共演されていかがでしたか?
セロン:私はあまりテレビは観ないのでウォンビンさんのことはあまりよく知りませんでした。共演させていただいて、有名だということだけではなく、とても優しくいろいろと気遣っていただいて素敵な方だなと思いました。
ウォンビンさんとキム・セロンさんを共演させた理由と、撮影されてからの印象を教えてください。
イ監督:『アジョシ』という映画は両面性を持った映画だと思っています。男性的でとても暴力的ですが、その暴力が観客に説得力をもって伝わるためには、二人が心を通い合わせる姿がしっかりと描かれていれば理解されるものと思いました。ウォンビンという俳優は男らしさと優しさ、この両面の魅力を持っていると思いました。
キム・セロンさんは、まだ若いですがとても素晴らしい女優さんです。二人の長所が上手く重なり良い作品になっていると思います。
今回のテシク役はどのような人物像をイメージして、このような暗さと神秘性を演じられたのでしょうか?
また、バリカンを使って髪を剃るシーンはどのような心境でしたか?
ウォンビン:まず、バリカンを使って髪を剃るシーンは、特殊要員だという過去があり、以前の自分に戻るんだというひとつの決心の現れだという気持ちで演じました。テシクの演技については、アクションや少女を守るということも大切でしたが、それ以上に暗いシーンの中でも観客に対して、なにか希望を与えたいという思いで演じました。そして、ある意味同じ境遇の二人のせつない気持ちやテシクの心の痛みと少女との心のふれあいが上手く表現できればと思って演じました。
アクションシーンなどで苦労されたところはありましたか?
ウォンビン:今回は楽しみながら撮影ができました。なぜかといいますと経験したことのないジャンルでしたし、今まで試みられていないアクションがたくさんあったからです。アクションでは撮影中の怪我やあざはつきものですけど、撮影と平行してのトレーニングは少々大変でした。
監督はウォンビンさんを『母なる証明』を観て選ばれたということですが……。
イ監督:『母なる証明』から今まで彼が出演した映画やドラマとはまったく違うイメージを見いだすことができた。除隊後、男として成長するその作品を通して“変身の出来る俳優”というものを感じた。今のウォンビンさんであれば、“おじさん”であるテシク役を見事に演じられるだろうと思いました。
目指している女優さんなどいらっしゃいますか? また、今日本では子役の女の子がたくさん人気になっていますが、日本からオファーがあったら出演されますか?
セロン:どの俳優さんからも学ぶものがたくさんありますし、みなさん尊敬していますので一人を選ぶことはできません。日本からオファーは、まだわかりません。
どんな女優さんになりたいですか?
セロン:私は深みのある女優になりたいです。顔が奇麗だということを見せるのではなく、これは本物の演技だって実感できる演技をしたい。作品の中で壊れた姿を見せるのであれば、自分自身を捨ててでも、そういう姿を作りたいと思います。
大女優になる予感がしますね(場内から納得の声が)。
心のふれあいを演じるにあたって、どんな交流方法をされていましたか?
ウォンビン:現場で顔を合わせるという場面があまりありませんでしたが、非常に感受性の豊かな観客にまごころを伝えられる、そういう瞳を持った女優さんだと思いました。本当に二人の息はあってるなと思いました。ただ、現場ではなかなか面倒をみてあげることができなかった。
セロン:ウォンビンおじさんが現場ではよく面倒をみてくれました。とても、気をつかってくださって上手く撮影できたと思います。撮影中はとても楽しかったです。
どんな風に面倒をみてくれたのですか?
セロン:寒い時にブランケットを掛けてくれたり、お腹がすいている時に食事を持って来てくれたり……(ウォンビン照れる)。
『アジョシ』というタイトルにこめた思いは? おじさんという言葉の意味が韓国では変わったとうかがっていますが……。
イ監督:韓国でも“おじさん”というと結婚してお腹の出ている男性のイメージですが、ウォンビンさんが演じたことでその意味が少し変わりました。血の通っていない少女を救うことが出来るという、そのテーマが『アジョシ』というタイトルに凝縮されていると思います。
ウォンビンさんは“おじさん”といわれてどんな気分でしたか?
ウォンビン:まだ、“おじさん”にはなりたくないって思いました。この映画を撮影し、愛の深さをもう一度考えるようになりました。男女だけの愛だけではなく、大人と子供との間の愛もありうるんだと思いました。
セロンさんは“おじさん”と呼ぶことに抵抗はありませんでしたか?
セロン:お兄さんといえば、確かにお兄さんですが作品に出演する時は役名などで呼びますので、今回はアジョシと呼びました。(笑)
その後はフォトセッション。
今回会場には普段の記者会見の倍以上の記者が訪れウォンビンの人気の高さを物語っていた。
監督・脚本:イ・ジョンボム
出演:ウォンビン/キム・セロン/キム・ヒウォン/キム・ソンオ/キム・テフン/ソン・ヨンチャン/タナヨン・ウォンタラクン
配給:東映
公開:9月17日(土)全国ロードショー
公式HP:http://ajussi2011.jp/pc/
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エンタメ : インタビュー/記者会見 記:尾崎 康元(asobist編集部) 2011 / 09 / 02