インタビュー/記者会見

『パシフィック・リム』来日記者会見!
ギレルモ・デル・トロ監督、菊地凛子、芦田愛菜登場。
「今回の"森マコ"の脚本は凛子のことを考えながら書いた」
「愛菜ちゃんは天才です」と監督語る!!

pacificrim130806_01.jpg 8月9日(金)公開のこの夏いちばんの超大作『パシフィック・リム』。本作は太平洋(パシフィック)の深海から突如出現し、地球を絶滅の危機に陥れる未知なる“KAIJU”と、人類の英知を結集し生み出された人型巨大兵器“イェーガー”との壮絶な戦いを、ハリウッド最先端のVFXを駆使して描いたSFスペクタクル。世界中で熱狂的な支持を集めるギレルモ・デル・トロ(『パンズ・ラビリンス』、『ヘルボーイ』シリーズ)が監督を務めた渾身の作品。

日本のアニメや特撮文化を愛してやまないギレルモ・デル・トロ監督が公開を前に来日した。今オスカーにもっとも近い日本人女優の菊地凛子、本作にてハリウッドデビューを果たした芦田愛菜、3名による記者会見が7月28日(日)、都内新宿区のパークハイアット東京で行なわれた。

pacificrim130806_02.jpg MC:まずはご挨拶からお願いします。
ギレルモ監督:みなさん、今日はお越しいただきありがとうございます。私は1964年に生まれました。そのとき、日本では怪獣映画など神話的なものがたくさん生まれた時代です。『鉄人28号』、『鉄腕アトム』、『マジンガーZ』や円谷さんの『ウルトラセブン』、『ウルトラマン』。こういったテレビシリーズを観て育ちました。怪獣映画に関しても黄金期でした。この作品は、私がメキシコで生まれ育って、ずっと見てきた日本文化、日本のアニメ、日本の映画など、日本に対するラブレターです。どうぞ受け止めてください。
菊地:監督の日本への愛情がたくさん詰まった作品です。この映画をいろいろな方に観ていただきたいと思っています。
芦田:Hello my name is Mana Ashida.Please enjoy the film〜(と英語で挨拶し会場をわかせた)

pacificrim130806_03.jpg MC:監督はハリウッドきっての親日家で、日本の特撮やアニメなどの文化に造詣が深いとうかがっております。映画では具体的にどのようなところを参考にされましたか?
ギレルモ監督:日本文化は非常に独創的なものだと思います。特にイメージに対してのクリエイティブな部分ですが、美を愛する心、儀式を愛するといったところです。怪獣やロボットを作るにあたっても、それらを愛しているということです。また、テクノロジーの部分でもそうですが、西洋ではそういったものを批判する部分があります。そういった技術はいつか私たち人間を襲うものいだという考えもありますが、この映画ではそういった皮肉的なところはありません。

pacificrim130806_05.jpg MC:本作ではカナダのトロントで数カ月に渡って大規模な撮影が行なわれたそうですが、これほどの超大作にヒロインとして出演されていかがでしたか?
菊地:今までのキャリアの中で、怪獣やロボットが登場するSF映画に自分がひとりのパイロットとして出演することは考えたこともありませんでした。子供のころから親しみのある怪獣やロボットが出てくる作品に才能あふれる監督と一緒に撮影できたことは夢のようですし、この映画を観ると自分が出演していることを忘れて子供に戻ってしまう。すべてが初めてのことで、すべてが自分にとって大切な時間でした。

pacificrim130806_07.jpg MC:芦田愛菜さんは、初めてのハリウッド映画ということで、日本の撮影現場とアメリカの撮影現場で違いはありましたか?
芦田:楽屋がひとり1台のキャンピングカーでびっくりしました。ベットも付いていました。日本で「用意スタート!」という言葉がハリウッドでは「アクション!」というところに、びっくりして緊張したんですけど、その言葉が“カッコイイ”と思いました。
ギレルモ監督:(芦田に向かって笑顔で)アクション!

pacificrim130806_04.jpg MC:それでは、これからマスコミの方から質問をいただきます。先ほどから気になっている方がいらっしゃいます(ロボットのコスプレをした方が……)。
Q:今回の作品でいちばんお金がかかっているシーンはどこですか?
ギレルモ監督:戦闘シーンは非常にお金がかかっています。今回、CGも使っていますが、実際にロボットの一部を作って、パイロットに乗ってもらったり、セットを作って、それを破壊したりしましたから。愛菜ちゃんが泣きながら歩いている場面は、怪獣が向かってくると同時に振動するように実際にセットを作りました。いちばんお金がかかったのは25分間のメインになる戦闘シーンです。海の中から始まって宇宙まで行くところです。

Q:監督の印象、お互いの印象はいかがでしたか?
菊地:8年前『バベル』に出演したときにアレハンドロ監督とギレルモ監督が仲がよいということもあり、ギレルモ監督に「ぜひ映画に出してください」とお願いしました。その夢が今回、叶いました。自分の事を「トトロ! トトロ!」というユニークな監督(会場笑)。現場での撮影でスーツが重く大変なシーンで集中力が切れたときなどは、トトロの歌を日本語で歌ってくれたりして勇気づけてくれる優しい監督です。愛菜ちゃんは、彼女が出演しているドラマを観ていて、とても豊かな表情をする女優さんだなと思っていました。自分の幼少時代を演じていただけるとうかがったときに、苦情が来ないか心配でした(笑)。現場ではすごくプロフェッショナルで驚かされることもたくさんありました。
芦田:監督に「トトロって呼んでね!」っていわれました(笑)。ほんとうにトトロみたいです(会場笑)。「アメージング!」、「パーフェクト!」といって頭を撫でて褒めてくれたことが、すごく嬉しかったです。

pacificrim130806_08.jpg Q:ふたりを起用した理由を教えてください。
ギレルモ監督:凛子とはアレハンドロ監督と彼女が『バベル』を撮影している時に会ったのですが、そのときに感じたことは、弱々しさと芯の強さを両方兼ね揃えたユニークなパーソナリティだと思いました。今回の“森マコ”の脚本を書いている時には、凛子のことを考えながら書きました。マコというキャラクターは強いけれどもとても女らしい部分を持っているようにしたかった。女性の強さは男性の肉体的な強さとは違った、精神的な強さがると思います。それを出せる女優。彼女は感情の部分において真実が出せる。人間としても女優として尊敬しています。
愛菜ちゃんは天才です。何日も何日も彼女を泣かせてしまって(撮影で)、ひどい男だと思っています。今まで仕事をしたどんな年齢の女優とくらべても引けを取らない偉大な女優です。本当は彼女は50歳なんだと思います。それくらい賢いし準備もしかっりできている。私よりもっと大人ですね。私は7歳くらい……。

Q:ロボットのデザインについて教えてください。
ギレルモ監督:ロボットと怪獣のデザインには1年くらいかかりました。どういったものにするかは、まず心(キャラクター)の部分から始めて、だんだんと外見を作っていくといった感じです。押井守監督の『機動警察パトレイバー』は素晴らしいと思いました。動きがリアルです。今回はファンムービーにしたくはない、違うものにしたかった。ジプシー・デンジャーのデザインでは、第二次世界大戦での戦闘機や戦艦を参考にしました。最終的にはエンパイア・ステート・ビルとジョン・ウェイン(カウボーイ的)を兼ね合わせたような……。あまりハイテクなメカにはしたくなかった。デザインは、まずはシルエットから……。100種類くらいの中から、毎週10体ずつくらいまで絞っていって、『アメリカン・アイドル』のように決めていきました。
ロボットは細かく作り込んでいます。ズームインした時には階段があったり、表示が見えたりします。

pacificrim130806_06.jpg Q:日本で行きたいところは?
ギレルモ監督:中野ブロードウェイ(会場から拍手)! 空のスーツケースをひとつ持ってきています。 後はジブリ美術館ですね。毎回、行くところです。
Q:監督を連れていくとしたらどちらへ?
菊地:カラオケもイイですね。監督の方が詳しいので中野ブロードウェイで何を買われるのかみたいですね。
芦田:監督はあんみつがお好きと撮影の時にうかがったので、あんみつを食べに行きたいです。

MC:最後に監督へ……地球最後の日、人類が一丸となり世界を救うストーリーですが、監督が伝えたいこととはなんですか?
ギレルモ監督:2人のパイロットがひとつのマシーンに乗って地球を救うという物語です。怪獣とは自然界が生みだした大きな敵。人間が互いを信頼し合うことによって、地球を救うことができる。同じロボットに乗っているわけであって、信頼しあわないとこのロボットは動かない。メッセージはとてもシンプルなもので、愛情をもち信頼し合う、そういうことで生き延びていけるということです。

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監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラビス・ビーチャム
出演:チャーリー・ハナム/イドリス・エルバ/菊地凛子/ロン・パールマン/芦田愛菜 他
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/
公開:8月9日(金) 新宿ピカデリー 丸の内ピカデリー他 3D/2D字幕/吹替同時公開

©2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC












エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2013 / 08 / 06

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