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インタビュー/記者会見
瀬戸内寂聴原作、映画『夏の終り』完成披露試写会に
満島ひかり、綾野剛、小林薫、熊切和嘉監督が
オリジナル浴衣姿で登場!!
100万部を超えるロング・ベストセラーとなっている瀬戸内寂聴の同名小説。その発売から50周年の節目の年に映画化された『夏の終り』が、8月31日(土)より公開される。時を経ても色あせない、センセーショナルな愛の物語の公開を記念して、8月14日(水)に東京・千代田区のイイノホールにて完成披露試写会が行なわれ、満島ひかり、綾野剛、小林薫、熊切和嘉監督がオリジナル浴衣姿で登場した。
MC:本日はとても素敵な浴衣姿で登場いただきました。この浴衣は満島さんが演じる知子が型染めの染色家であるということで、劇中に登場する江戸型染め職人、西耕三郎さんの型を使ってキャストのみなさんそれぞれの希望を聞きながら制作されたものです。世界にひとつしかないオリジナルの浴衣です。
それでは、まずはご挨拶をお願いします。
満島:今日はたくさんの方にお集りいただきありがたく思っております。会場には浴衣をお召しの方もいらして夏らしくて良いですね。楽しんでいってください。
綾野:え〜、そんな華やかじゃない作品ですけど……(会場笑)……今日はいらしていただきありがとうございます。
小林:ここ(イイノホール)、新しくなったんですよね? ずいぶんと立派になったなぁと思って、『夏の終り』は地味だってことではないですけど……(会場笑)……こんな立派なところで完成披露試写会が出来ると思っていなかったので、驚いています。
熊切監督:去年の6月に撮影しましたが、台風が来たりと大変な現場だったので、今日、この日を迎えられて嬉しく思います。
MC:満島さん、今回の知子役はふたりの男性の間で揺れる女性の役ですが、この役をオファーされた時の気持ちはいかがでしたか?
満島:出演が決まる前に脚本を読んでいて、自分とは関係のない大人の話だなと、20代後半で30代後半の女性を演じるのは難しいと思っていましたが、熊切監督にお会いして「素敵な方だぞっ!」って、一緒に映画を作ってみたいという思いだけで見切り発車してしまいました(笑) 。
MC:型染めの練習もされたとか……難しかったですか?
満島:1カ月の期間でしたが、週に3〜4回、学校に通って練習しました。今までのお仕事の中でいちばん楽しかったです。お芝居よりも型染めのほうが……(笑)。
MC:綾野さん、印象に残ったシーンや現場での出来事を教えてください。
綾野:……(会場笑)……あまり憶えてないんですよね。悪い意味ではなく、凄い現場だったので、非常に「ぐちゃー」って……(会場笑)……「ぐちゃー」ってした状態で芝居してました。勇み足で発射しちゃったんで、もう「ぐえっ〜」って……(会場笑)……監督がとても素敵なややこしい人なので……(会場笑)……だから「ぐちゃー」っていうことしか残ってない。
熊切監督:難しい題材だったと思います。みんなで探りながら撮影した作品で、のたうち回って演じてくれたと思っています。
MC:「ぐちゃー」という感じは作品を観ていただければ……。
綾野:いや、作品自体は思ったより整頓されていますので……(会場笑)、観る人の年齢によって感じ方が違うと思います。
MC:小林さん、役作りの際に意識されたことはありましたか?
小林:正妻がいながら愛人を持つということは、男の憧れみたいなところがありますから、その辺は楽しんで演じました。
熊切監督:薫さんに演じていただいたので、憎めないキャラクターになったんじゃないかと思います。
MC:今回の作品はこれまでの熊切監督作品と雰囲気が異なっているかと思いますが、なぜ今『夏の終り』を映画化しようと思われましたか?
熊切監督:今の時代にパンチのあるヒロインの映画を作りたかったということですね。私もそろそろ40歳なので、大人の抑制のきいた映画を撮ってみたかったということです。
MC:浴衣についてもお話をいただきたいと思います。着心地はいかがですか?
満島:上々です!! 色味を選ばさせていただきました。
綾野:現場での混沌としたカオス状態のイメージにしてほしかった(会場笑)。デザインしていただいた方が染めた布が素晴らしく、その布で作っていただきました。この浴衣は、この後も着たいですね。
小林:私の着物は浴衣の柄としては珍しいんじゃないですか? 世界に一枚しかないという感じで、色も素敵に出ています。
熊切監督:私は裏方なので、あまり目立たないようにと、お願いしました。
MC:最後にメッセージをお願いします。
熊切監督:かつての日本映画が持っていた、陰影の美しさを現代に甦らせたいという思いで作りました。ぜひご堪能ください。
小林:瀬戸内さんに「自分は覚悟を持って恋愛に突き進んでいった」というお話をうかがいました。そういった覚悟を持って恋愛に生きた、昭和の女性。いろいろな受け止め方ができるかと思いますので、楽しんで観てください。
綾野:ちゃんと時間が映っている作品だと思います。撮影部と照明部の挑みを感じとっていただけるかと……。今から『夏の終り』を旅して来てください。
満島:複雑な女心がたくさん繊細に映っている作品だと思います。男性には理解されにくいところもあるかもしれません。目の前の悶々としたものを壊したくても壊せない、熱のこもった状態のまま汗のかけない、女性ならではの生きずらさを感じていただける作品です。職人というよりアーティストが集まって作った作品。みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。
【ストーリー】
妻子ある年上の作家・慎吾と、長年一緒に暮らしている知子。慎吾は妻のいる家と知子の家を週にきっちり半々、行ったりきたりしている。妻と別れてほしいと考えたこともなく、知子はこの平穏な生活に、自分が満足していると思っていた。しかしある日、木下涼太が訪ねてきて、知子の生活は微妙に狂い始める。涼太は、昔、知子が結婚していたころ、どうしようもなく恋に落ち、夫と子供を捨て駆け落ちをした男だった。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係を持ってしまう。そして涼太の知子を求める情熱はやがて、知子が心の底に仕舞い込み、自分自身も気づいていなかった本当の気持ちを揺さぶり起こしていく。
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
原作:瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)
出演:満島ひかり 綾野剛/小林薫
配給:クロックワークス
公式HP:http://natsu-owari.com/
公開:8月31日(土) 有楽町スバル座 ほか全国ロードショー
©2012年映画『夏の終り』製作委員会
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エンタメ : インタビュー/記者会見 記:尾崎 康元(asobist編集部) 2013 / 08 / 19