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インタビュー/記者会見
『ライン――えんどうもみ展』
葉っぱ1枚胸元につけても、それはアクセサリーになり得る......
東京都港区南青山にある「ギャルリーワッツ」にて、10月8日(水)に開催された、『Momi Style』でおなじみ、えんどうもみさんの『えんどうもみ展』ミニパーティにお邪魔しました。今回のテーマは『ライン』。スポーツディテールであるラインを抜き出して、アクセントとしてのbijouxに。エレガンス素材であるベルベットやビーズもスポーティな味付けなら楽しくつけられるとのこ。そんな『ライン』の魅力について、えんどうもみさんにお話をうかがいました。
まずは“山形の出汁”momi mama=kyokoさんを焚きつけてつくっていただきました。豆腐を現地調達して盛り付け。
高知でオーダーして来た文旦も、高知出身のmayuちゃんに綺麗にむいていただき、sweetsも、ご覧の通り! ワッツスタッフの手にかかるとどれも素敵です。
今回はアクセサリーやジュエリーをつくる私としては、トライな内容の個展となりました。
“ライン”をテーマとしたわけですが、このラインは私が好きで着ている洋服からヒントを得ています。
わかりやすいところでは、スポーツディテールとしてのライン。パンツや脇に入っているラインなど、機能は有りませんがスポーツテイストの味付けや強調として、このごろはタウンウェアにもずいぶんと増えてきました。
スポーツテイストの服ですと、少々大袈裟だったりエレガンスなアクセサリーでも付けやすくなるので意外と便利です。甘辛のバランスが取りやすくなります。
そしてもうひとつ、機能を持ったライン。ストラップやベルトといったものです。これも普通の使い方ではなく、今日も着てみたのですが、ジャケットのボタン代わりに前身頃の内側にある小さなベルト。前身頃の動きを止める役割なのですが、本来メンズのフロックコートなどから来たのではないでしょうか。斜めに走ったラインがスタイリッシュです。好きなタイプです。
この様な役割のベルトはケープやコートの襟元に使われることもあります。
また、今着ているインナーのストラップはセンター寄りからアシンメトリーに見えています。なんでもないTシャツからチラリと見えただけで急にモード感あるスタイルになります。
こうして見ると、ラインは機能の有る無しに関わらず装いのためのアクセントになるのではないでしょうか。
これは私にとってアクセサリーも同様です。
例えば、葉っぱ1枚胸元につけても、それはアクセサリーになり得ます。
ステッチも不必要に違ったカラーでたたいただけで、これもアクセサリーではないでしょうか。
“絶対に必要な物ではなくても、ドキドキを生み出し、装いの舵取りをするもの”これが私のアクセサリーの定義です。
真珠やダイヤモンドも、それはそれで美しくて好きなのですが、今回はちょっと視点を変えて、私の“アクセサリーとは?”ということをみなさんに問いかけてみたかったのです。
このラインを洋服から抜き出し、bijouxとして独立させてみました。独立しているので付ける位置や付け方は自由。最初はジャケットや襟の間から覗かせる様に付けるのが入門編といったところでしょうか。慣れてきたら大きく見せて付けてくださいね。
本来、もっとアクセサリーやジュエリー然としたものをつくるべき私が、この様なアクセサリーらしからぬ物をつくるということは、ちょっと自分で自分の首を絞めているかな〜とも思うのですが、ここワッツならではの投げかけをさせていただきました。
ただし、あくまでも大人の物ですからチープにならない様にしないと遊びが過ぎてしまいます。そのためには素材や始末やカラーを吟味しないといけませんね。
このラインにbijouxらしく、ビーズなどを付けてここでも甘辛バランスをとっています。
スポーツテイストやメンズディテールだからこそ、エレガンス素材であるベルベットやビーズも照れなく使えるのではないでしょうか。
今日のミニパーティのお題は“小さな赤”でしたね。テーマからして“ライン”でも良かったのですが、わかりやすい赤でいきました。そして、私はこの二の腕に巻いたマスキングテープを。ちょっとピンクになっちゃいました。赤いbijouxでも良かったのですが、そこはあまのじゃく。“ライン”でもあり、“本来アクセサリーではないものがアクセサリーになり得る”ということのひとつとして付けてみました。
この秋は真珠を再び見つめ直しています。大真面目な真珠も自分なりの目で厳選。真珠屋さんの物差しに囚われない、自分なりに美しい、ファッションとしても付けたくなる真珠を追いかけています。
反面、モードな真珠も。スーパーロングな真珠は、有り得ない色に染めたカラフルパール。“素材がたまたま真珠だった”みたいな感覚です。これがフェイクだったらつまらないでしょうね。シャネルの様にジャラジャラとつけたくなります。
今回の“ライン”とは関係はない作品ですが、“tutuストール”は着こなし方についての質問が多い作品です。何年か前、ここワッツでスタートした思い出深い作品です。
色は一枚一枚手染めして、素材はナイロン。とても肌触りが良くナイロンだからこそ柔らかさと張りが共存して使い易くなっています。また滑りが悪いので、スルリと落ちてしまう心配もなく、その部分も良いところです。
ストールとしてはかなり大判ですが、大きくも小さくも使える便利なものです。基本的には丸い毛皮の様なモチーフをコサージュと思って位置決めをし、後は好きに巻く。お洋服一枚分の役目を果たします。
透け感のあるチュールレースですから、洋服との相性も楽しみなところです。異色にして玉虫効果を狙うのも良いですし、柄物や光り物に重ねても面白いです。ストールの下にキラキラのbijouxをつけるとミステリアスな光となって美しいですね! たとえ同じカラーに重ねてもニュアンスが出るので効果的です。
tutuストールはワッツで発表して以来ずっと人気者です。最近はジレに仕立てたり、少しずつ広がりも見せています。
ミニパーティのお題の赤、実は私たちスタッフは赤い丸ぽっちシール=売約済み!を付けていました。準備中に来たトラック便のお兄さんも目を白黒。
大真面目で遊ぶ。こんな楽しいことがありますでしょうか♪
bijouxも時に本気で、時にウィットを持って付けていただけたらと思うのです。
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エンタメ : インタビュー/記者会見 記:尾崎 康元(asobist編集部) 2014 / 10 / 20