インタビュー/記者会見

2ndアルバム『BOOKMARC MELODY』発売!
The Bookmarcsの近藤健太郎と洞澤徹にインタビュー!!
近藤「"軽やかに小躍りしたくなる"アルバム!」
洞澤「"今、感じていること"を表現したい!」

Bookmarcs_001c.jpg The Bookmarcsが、昨年10月にリリースしたデビュー・アルバム「BOOKMARC MUSIC」は、既存曲と新曲を含む、ファーストにしてベスト・アルバム的な内容だったが、それから1年後のセカンドアルバム『BOOKMARC MELODY』は、書き下ろしによる渾身の全10曲が揃った珠玉の1枚となった。
影と光が交差する音世界、どこか心に響く言葉、優しさと洗練、楽曲ごとに様々な表情や情景が浮かんでくる新たなサウンド・レパートリーは、ジャンルに囚われない全ての音楽好きに届けたい一品だ。
今回は、The Bookmarcsのメンバーである近藤健太郎と洞澤徹に、音楽を目指したきっかけから、デビュー・アルバム、そして今回、2018年11月28日(水)に発売になる、セカンド・アルバム『BOOKMARC MELODY』について話を聞いた。

尾崎:まずは、音楽にめざめたきっかけからお聞かせください。
近藤:小学生の時にエレクトーンを少し習っていたので、自然と音楽には触れていたような気がします。特に母が音楽が好きで、「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラやオリビア・ニュートン=ジョン、カーペンターズなどを好んで聴いていて、子供心に綺麗なメロディや歌声に惹かれていました。松田聖子やチェッカーズ、等々、歌謡曲が全盛だったので歌番組とかも好きで、なんだかんだ観ていました。
洞澤:兄と姉がいて最初は完全にその影響です。兄や姉が買ってきた、ビートルズやTOTOやノーランズのレコードを聴いて、だんだんとハマっていった感じです。

Bookmarcs_005.jpg 尾崎:学生時代はどんな音楽を聴かれていましたか?
近藤:最初にハマったアーティストはビリー・ジョエルです。全アルバムを揃えて伝記本なども読み漁るほど好きでした。ポール・マッカートニーとビリー・ジョエルって、なんか似てるな(顔とかも=笑)と思い、ポールの「ヤア!ブロード・ストリート」のカセットを手に入れました。これまた取り憑かれてしまって、それからはずっとビートルズ、そしてメンバーのソロ作品やビートルズに影響を受けたアーティストを探し求める日々でした。後にプリファブ・スプラウトやライラック・タイム、等々、いわゆるネオアコの洗礼を受け、並行して映画音楽、背伸びしてジャズやボサノバ、70年代のAOR、等々、日本人では山下達郎、坂本龍一、杉真理、遊佐未森、岡村靖幸、等々、広く浅く色々聴いていました。
洞澤:中学生の時はハードロックが多かったかな。オジーオズボーンとかマイケルシェンカーとか、今と全然違う(笑)、よくいるギター小僧といった感じでした。高校生になって、当時のカレッジチャート(国内)という学生が選ぶ音楽チャートがあって、その上位のアーティストを中心にその周辺の音楽をよく聴いていました。
ピチカートファイブやフリッパーズギター、フェビアン、遊佐未森、等々キリがありませんがとにかくよく聴いていました。同時にフュージョンとかジャズっぽいものにも興味が出てきて、大学になってからはそこにジョアン・ジルベルトやカエターノ・ヴェローゾなどブラジルものが加わってきました。

Bookmarcs_002.jpg 尾崎:学生時代の楽器の経験やバンド活動などは?
近藤:ビートルズのコピーバンドを組んで2回程ライブをしました。ライブは楽しかったのですが、自分は人前で歌ったりするのはあまり向いてないなと思い、宅録中心のバンド活動にシフトチェンジ。オリジナル曲を作って友達に聴いてもらったり、デモテープをレコード会社に送ってみたりしました。そんなわけで、サークルに入って華やかなバンド活動!みたいな記憶は残念ながらありません(笑)。
洞澤:ずっとギターです。エレキギターはなぜか苦手で、アコースティックギターばかり弾いていました。高校も大学もオリジナル曲中心のバンドをやっていました。その頃からコピーバンドにはあまり興味がなく作曲することに夢中でした。

尾崎:その後に本格的に音楽を目指すようになったきっかけは?
近藤:社会人になって仕事もなんとなく慣れてきた25歳位のある日、ラジオからプリファブ・スプラウトの「A Prisoner of the Past」(Andromeda Heights収録)が流れてきました。大袈裟ではなく、その時ポロっと涙がこぼれたんです。同時にふとまた音楽がやりたい!と思って、学生の頃のメンバーに電話をして、新たにメンバーも募集して音楽活動を始めました。
洞澤:大学を卒業して最初は会社勤めをしていたのですが、会社員が全く向いていないと悟りました(笑)。
そこで覚悟を決めたというか……。何がしたいんだろう?何ができるんだろうと悩んで、やっぱり音楽かと。何をやるにしても、どうにかモノにしないとまずいぞ!と一念発起しました。

Bookmarcs_006.jpg 尾崎:現在までの活動についてお聞かせください。
近藤:the Sweet Onionsというギターポップ系のバンドを組んで、ボーカル、ギター、作詞・作曲を担当しています。またphilia recordsというレーベルを2006年に立ち上げて、自分のバンドのアルバムを2枚、コンピレーションCDを1枚リリース、ライブイベントを企画したりしていました。しばらくバンドもレーベルも休業状態な時期もありましたが、2016年にシンガーソングライター・小林しのさんのCDリリースをきっかけにレーベルを再開。小林しのさんのアルバムには「記憶のプリズム」という曲を作曲しました。また今年の9月には、藍田理緒さんのデビューアルバム「森のスピカ」(リリースはFLY HIGH RECORDS)のサウンドプロデュースと全作曲を担当しました。
洞澤:The Bookmarcsの活動以外は、職業音楽家として日々活動しています。ゲーム音楽から、放送音楽、映画音楽、JPOPまで幅広く制作しています。映画では最近、谷健二監督の「一人の息子」という映画の音楽を担当しました。谷監督とはその前作品「U-31」でもお仕事をさせてもらっています。他にも小澤雅人監督の「風切羽」という映画の音楽を担当してます。この映画ではThe Bookmarcsの「君と」という曲を挿入歌で使っていただいてます。放送音楽でいえば日本テレビの「Oha!4 NewsLive」という番組の音楽を2006年から10年くらい担当していました。他にもTVの音楽をやっています。ポップスでは、パク・ヨンハの「覚めない夢」の作曲や、ジャズシンガー・たなかりかの「Halfmoon Aftarnoon」を作曲しています。

Bookmarcs_003.jpg 尾崎:The Bookmarcs結成のきっかけは?
洞澤:最初の出会いは近藤くんが主催しているレーベル、フィリアレコーズのコンピレーションアルバムに1曲、僕が前に組んでいた、manamanaという女性ボーカルユニットで入れてもらったのが始まりだよね。
近藤:そうでしたね。提供してくれた、manamanaの曲がすごく好きで、届いた時に何度もリピートした記憶があります。
洞澤:その後、とあるライブの打ち上げで近藤くんがビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」を弾き語っているのを聴いて、とても良いなって思い、声をかけたんだよね。そして徐々に活動が始まった感じだったかな。二人ともお酒が好きだし、飲んでいるうちに意気投合していろんなアイデアを出し合ったり。
近藤:声をかけてくれた時、素直に嬉しかったです。それから色々と打ち合わせをしつつ、最初にデモが届いた時は、「あ!この話ホントだったんだ!」って(笑)。

Bookmarcs_007.jpg 尾崎:ファースト・アルバム「BOOKMARC MUSIC」についてお聞かせください。
洞澤:「BOOKMARC MUSIC」は、The Bookmarcsにとっては初のCDで、デビューアルバムになるんですが、同時に今までコツコツと配信リリースをしてきた既存曲を中心に構成されているので、ファーストにしてベストアルバムのような感じになりました。音楽性は、やはり二人が大好きなソフトロック、AOR、シティポップスの雰囲気を持ちつつ既存の音楽をなぞるだけにはならないプラスアルファを注いだものになっています。
近藤:そうですね。好きな音楽性がほのかに漂いつつ、自分達らしさがちゃんと伝わるような作品にしたいと、そこはわりといつも意識はしていますね。配信で各々バラバラだった作品と、書き下ろしの新曲がファースト・アルバムという形できちんとリリースできたのは本当に嬉しかったです。

Bookmarcs_004.jpg 尾崎:それでは、今回のセカンド・アルバム『BOOKMARC MELODY』についてお聞かせください。
洞澤:ファースト・アルバムの「BOOKMARC MUSIC」は総括的アルバムで、6〜7年前の曲とかも入っているので、良い悪いは別にしても、今の自分の感覚とは多少違ってきている部分もあったと思います。そこで、とにかく“今、感じていること”を、このアルバムで表現したいと常に考えながら制作しました。しかしながら前作からの流れも大切にしているので、新曲とはいえ曲によっては違和感がないように曲調を考えたりしました。
アレンジ面では、特に「雲の柱」での4つ打ちや、3連のリズムパターンなど新しい試みをしています。「遠い光」では女性コーラスにジャズシンガーのRyuMihoさんを迎えて、サビでオクターブユニゾン(男性パートの1オクターブ上の音を女性パートが歌っている)で歌っていただくなど、新鮮な取り組みもありました。
近藤:今回、洞澤さんの仮歌で送られてきたデモが何曲かありました。それはいわゆる、なんとなく英語に聴こえるような言葉が含まれているので、わりとその言葉が耳に残ってしまうんです。でもその言葉ってとてもメロディにうまく乗っているんですよ。だからなるべくその節回しの雰囲気を大切にして言葉を探し、メロディの良さを壊さないような歌詞作りに注力しました。内容や世界観に関しては、特にファーストから大きく変わることはなかったですが、日常の中の非日常というか、どこかふんわりとして夢の中にいるような、でも今を生きる人が、どこかで共感してくれるようなフレーズに、せつなくなったりワクワクする瞬間を感じてもらえたらいいなと思って作っています。気づけば今作はわりと影とか喪失の比重が多い気がしますが、やっぱり希望だったり光が微かに差し込んでいる、そんな作品に仕上がったと思います。個人的には、“軽やかに小躍りしたくなる”アルバムだと思っています、実は(笑)。
洞澤:わかりやすく、大きいくくりで言うと「AOR」「ソフトロック」「シティポップ」といったジャンルのくくりになるのかもしれませんが、そのジャンルが好きな人もそうでない人も、それこそふだん、あまり音楽を聴かない人にも届いたらいいなと思っています。また、すでにThe Bookmarcsを知っている人には、新しく挑戦しているところも聴いていただきたいし、初めての人には、まず新作のリアルな僕らの音楽を聴いてもらって、ファースト・アルバムに遡って今まで重ねてきた音楽の空気感も知ってほしいです。

尾崎:今後の活動について教えてください。
洞澤:せっかく自信作のアルバムができたので、広めていく活動のひとつとして、今まであまりしていなかったライブ活動にも力を入れていきたいなと思っています。来年には、フルバンド体制でのレコ発なんかもやりたいなぁと。 近藤:賛成です(笑)。ホーンやゲストもお迎えしてレコ発ライブをやりたいですね。
その前に、12月15日(土)13:00より「ふるんの小部屋 vol.2 9」というイベントに出演します。共演は“月の満ちかけ”さん、“Dinorah! Dinorah!”さんです。The Bookmarcsは、僕らの他に、キーボードとコーラスのサポートを迎えてお届けする予定です。

尾崎:最後にメッセージをお願いします。
近藤:『BOOKMARC MELODY』は、ファーストアルバムリリース後に約1年間の濃密な時間をかけて制作した、The Bookmarcsのリアルな今を切り取った、渾身のアルバムです。是非、お聴きください!

Bookmarcs_008.jpg タイトル:『BOOKMARC MELODY』
アーティスト:The Bookmarcs
レーベル:FLY HIGH RECORDS ディストリビューション:ヴィヴィド・サウンド・コーポレーション
規格番号:VSCF-1769(FRCD-061)
価格:2,315円(税抜)/2,500円(税込)
発売日:2018年11月28日(水)
形態:12cm CD(通常盤)
JANコード:4540399318806
【収録曲】
1. 胸騒ぎのシーズン (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
2. 雲の柱(作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
3. Baby, Back To You (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
4. 遠い光 (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
5. 夏、ふわり (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
6. Bridge(Instrumental) (作曲・編曲:洞澤徹)
7. If You Leave Me Now (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
8. Flight! (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
9. I Don’t Wanna Know (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)
10. Little Sister (作詞:近藤健太郎/作曲・編曲:洞澤徹)

■The Bookmarcs
近藤健太郎(Vocal/作詞)
洞澤徹(Guitar and Other Instruments/作曲/編曲)
■参加ミュージシャン
Chorus:Ryu Miho
Drum:足立浩
Bass:北村規夫
Trumpet:真砂陽地
Trombone:和田充弘
Sax:伊勢賢治
Flute:吉田一夫
Harp:池田桂子











エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2018 / 11 / 19

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