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美味良品 おとりよせしました
第17回 旦木瑞穂の「島ウマ!」Vol.03
1ヶ月待っても食べる価値あり!
実は松阪や神戸に子牛として売られていた?!「石垣牛」!
2017 / 06 / 26
暑くなってくると、冷えたビールが美味しいですよね。
今回はちょっと贅沢に、この夏 冷えたビールと楽しみたい!「石垣牛」を紹介します。
■まだ知る人ぞ知る「石垣牛」
「石垣牛」は、沖縄県石垣島を中心とした八重山地区の温暖な気候で育成され、一定の条件を満たした黒毛和牛だけが名乗ることができるブランド牛です。意外と知られていませんが、沖縄県は国産黒毛和牛の主要な肥育素牛供給地帯。中でも八重山地区の子牛上場頭数は、全国でも10本の指に入るほど、重要な一大肥育素牛供給基地となっています。素牛(もとうし)とは、つまり子牛です。沖縄県石垣島を中心とした八重山地区で育てられた子牛が、九州や東北地方を中心に、全国各地に売られています。有名なブランド牛、松阪牛や神戸牛の子牛は、実は沖縄八重山育ちだったんです。
▲沖縄県石垣島のゆったりとした環境でのびのびと育てられています
■「石垣牛」ブランド化の道のり
そもそも「石垣牛」って、いつできたブランドなんでしょう? 1994年に、JAおきなわで低コスト肥育や流通販売などについての検討が行われた際に、八重山地区の肥育素牛生産者が集まり、石垣島和牛改良組合肥育部会が設立されました。同組合は横浜市場や愛知食肉市場において、和牛の試食会や肉牛の質を専門家に審査してもらう共励会を企画・開催しました。1999年、同組合は八重山支庁を訪れ、「沖縄サミットで『石垣牛』を食材として使って欲しい」と要請します。そしてみごと、八重山の数ある特産品の中から、「石垣牛」が選ばれました。
2000年、沖縄サミットの晩餐会で、メインデイッシュに「石垣牛」が使用されると、各国首脳たちは賞賛。マスコミがこぞって取り上げたことで「石垣牛」の名前は一躍世間に広まっていきました。
■地元で愛される「石垣牛」
ところが2001年頃、BSE問題が発生。もともと地元では販売されていなかった「石垣牛」でしたが、「信頼・安心・安全な『石垣牛』を地元消費者に食べてもらおう」という、JAおきなわによる地元への販売促進活動により信頼を回復し、人気は再上昇。地元はもちろん、観光客にも認知されてきました。
JAおきなわ八重山地区営農センターが毎週金曜日に開催するセリでは、月平均30?40頭の「石垣牛」が取引されているそうですが、現在は全国の和牛取扱店舗から取引の依頼が殺到していて、供給が間に合わないほどの人気ぶりなのだとか。
今や石垣島のブランド品となった「石垣牛」ですが、その価値が多くの人に認められたのは、地元の小売店や焼肉店などの協力態勢があったから。まず地元に受け入れられ、愛されたからこそ、ピンチを切り抜けることができたのだと思います。
■約1ヶ月待って「石垣牛」到着!
今では海外でも人気があり、入手困難となっている「石垣牛」。注文してから待つこと約1ヶ月。やっと「発送しました」の連絡がありました。
今回注文した商品は、「わいわいバーベキューセット」。冷凍された状態で届きます。ぱっと見た感じでは、3種類の肉がパッケージングされてるように見えますが、実はカルビ、モモ、ロース、イチボ、切り落としの5種類の肉が入っています。それに加えて、ぐるぐると巻かれて棒が付いたペロペロキャンディーのような形状のソーセージと、石垣の塩胡椒が付いています。
パックの左上には「石垣牛」のシールが。このシールは、「石垣牛」として条件を満たしたものだけに発行が許される「石垣牛ラベル」。中でも、赤で「特選」と書かれているラベルは、歩留等級(A・B)肉質等級(5等級・4等級)のものだけに与えられます。他に「銘産」と書かれているラベルがありますが、歩留等級(A・B)肉質等級(3等級・2等級)のものに与えられます。
歩留等級は、ぶどまりとうきゅうと読みます。牛一頭の肉を小分けするときに、無駄なく肉が取れる割合を表していて、Aが一番良いことを表しています。肉質等級は、脂肪交雑・肉の光沢・肉の締まりやキメ・脂肪の光沢と質...の4項目で決定されます。4項目を1〜5の5段階評価し、3項目は最高評価の5が取れても、1項目でも4と評価されれば、その肉は4となります。「わいわいバーベキューセット」はA4等級との表示があり、特選のラベルが貼られています。こうして見ても、細かくサシが入って美味しそう!テンションが上がります。
▲「わいわいバーベキューセット」
▲うっすらサシが入っているのがわかります
■「わいわいバーベキューセット」を6日間楽しむ!
商品名は「わいわいバーベキューセット」ですが、バーベキューなんて人生において片手で数えるほどしかしたことがない私は、これを6日間にわたって楽しもうと考えました。
・1日目:子どもも大好き!ぐるぐるソーセージの冷やし中華!
まずは手始めに、ペロペロキャンディーのようなソーセージから試してみようと思います。
実はこのソーセージは「石垣牛」ではなく、石垣島産豚肉を使用したソーセージです。
ボイルすると美味しいと裏に書かれていたので、早速ボイルしてみました。
▲ぐるぐるソーセージをトッピングした冷やし中華
暑い1日だったので、気分は冷やし中華。
我が家のいつもの冷やし中華に、ハムや焼き豚ではなく、ぐるぐるソーセージをトッピング!
見た目の面白さから、子どもも大喜びです。
さて、お味はどうでしょうか。かじりついてみると、パキっと音を立てて薄皮が破れて、中からじゅわっと肉汁が溢れてきます。特にクセはないですが、一般的なソーセージよりも、肉を食べている感があります。子ども曰く、「噛んでるとほっぺが痛くなる」ほど確かな噛みごたえがありました。
・2日目:シンプルに「石垣牛」カルビ焼き肉!
2日目は、塩胡椒も付いてきたことですし、シンプルに焼き肉でいただいてみようと思います。焼き肉といえばカルビでしょう!
しかし、我が家にはホットプレートや焼き肉プレートがありません。フライパンで焼いて、お皿に盛りつけます。各自お好みで、石垣島の塩胡椒をかけていただきました。
▲「石垣牛」のカルビ焼き肉
んま〜い!
肉汁と脂がすごいです。肉の味がしっかりしてて、脂はほんのり甘いです。キレイにサシが入った見た目は柔らかそうですが、思ったより歯ごたえがあります。付いてきた石垣の塩胡椒を振ってみました。
東南アジアで栽培され、海を伝って八重山諸島で親しまれているトロピカルなスパイス、「ピパーツ(またの名をベンガルペッパー)」がブレンドされていて、ほのかに甘く、エキゾチックな香りが食欲を掻き立てます。
・3日目:「石垣牛」ロースで「ラー油が効いたナスの中華風丼ぶり」
3日目は、夏野菜、ナスをロースと合わせてみようと思います。「石垣牛」のロースにさっと火を通して、皿に上げます。同じフライパンにナスを投入。和風だしでほんのり味付けし、仕上げにゴマを振ります。ご飯の上に炒めたナス、「石垣牛」のロースをのせて、完成!
▲「石垣牛」ロースで「ラー油が効いたナスの中華風丼ぶり」
まずは何もかけずにロースをひとくち。
ん!カルビより柔らかい感じ!肉の味はしっかりしてます。美味い!
お好みで石垣の塩胡椒とラー油をかけると、さらに食欲が増進。ご飯が進みます。ロースから出た脂をナスがいい具合に含んでいて、甘くとろけます。ナスって脂と相性がいいんですよね。ビールもグイグイいけちゃいます。
・4日目:「石垣牛」モモ肉で沖縄そばのサラダ風チャンプルー!
4日目は、さっぱりしたモモ肉で、サラダ風チャンプルーを作ってみました。石垣島を旅行した時に購入した、乾麺の沖縄そばを茹でて、ザルに上げます。モモ肉をフライパンでさっと火を通して、皿にとっておきます。
同じフライパンで、先ほどの沖縄そばを炒めて、同じく石垣島旅行の時に買ったソーキそばのだしでほんのり味付けします。モモ肉や野菜を彩りよく盛り付けて、ゴマを振ったら完成!
▲「石垣牛」モモで「沖縄そばのサラダ風チャンプルー」
モモ肉からいただきます。おお!柔らかいです!ホロっと崩れる感覚に近いけど、噛めば噛むほど肉の味がしみ出してきます。カルビやロースほど多くはありませんが、ほのかに甘い脂は健在です。同じ沖縄出身だけあって、ソーキそばのだしで炒めた沖縄そばとの相性も抜群!
暑い日でも、さっぱりしたメニューでガッツリ食べれば、夏バテ防止にもなります。お好みでマヨネーズをかけても美味しいですよ。
・5日目:「石垣牛」イチボの握り寿司!
5日目。残るはイチボと切り落としです。あれ?イチボってどこの肉? 調べてみると、お尻の肉でした。よく聞くランプと呼ばれる部位は、腰からお尻にかけてのモモの一部で、脂分は少なめ。ランプよりもっと尻尾に近いお尻の肉がイチボで、ランプより脂分が多めなのだそうです。
さて、イチボにぴったりの調理法は何だろう? どうやらイチボは柔らかくて適度な霜降りが特徴らしいので、憧れの牛肉の握り寿司に挑戦してみることにしました。炊き立てご飯で酢飯を作り、冷ましておきます。イチボはさっと火を通し、粗熱をとります。酢飯を手に取り、見よう見まねで握って、イチボをのせ、ワサビを添えました。
▲「石垣牛」イチボの握り寿司
少し醤油をつけて、いただきます。もしかしてイチボは、ヒレよりさらに柔らかいかもしれません! 噛みしめるほどに、肉汁と肉の旨みがじゅわっと出てくるのがわかります。ワサビの爽やかさが、脂の甘みを引き立てます。素人の握り寿司ですが、美味しいです。寿司を握ったのは初めてでしたが、とても贅沢な気分になるし、家族にも喜ばれるし、何よりすごく美味しくて、またいつか握ろうと思いました。
・6日目:王道!切り落としで「石垣牛丼」!
ラストの6日目は、最後に残った切り落としで牛丼を作ろうと思います。切り落としとはいえ、「石垣牛」で牛丼だなんて贅沢です。玉ねぎを炒め、切り落としを投入。半分くらい火が通ったら、砂糖や酒、醤油などで味付けし、少し水を足して、蓋をして短時間煮込みます。いつもの牛丼じゃないいい匂いが部屋じゅうに立ち込めてきました。熱々をご飯にのせて、いただきます。
▲「石垣牛」の切り落としで「石垣牛丼」
ウマっ! いつもより薄味を心がけたことも功を奏したのか、肉の味がしっかり活きています。だからと言って主張しすぎず、玉ねぎの甘みや醤油の味と絡み合って上手くまとまっています。遊び心で加えた油揚げが、すべての具材から出ただしを吸って、噛むほどにジューシー!王道の牛丼、大成功です。
以上、6日間にわたって「石垣牛」を堪能しました。実はこの「わいわいバーベキューセット」は、発売するとすぐに売り切れてしまう人気商品。4月の初旬には注文できましたが、商品が到着した5月下旬には完売していました。また商品が用意でき次第、売り出されるそうなので、食べてみたい!と思ったら、早めに申し込むことをオススメします。
i-shopいしがきさんのホームページでは、「石垣牛」の他にも石垣島の"良いもの"をたくさん販売しています。タイミングによって販売されている品数も種類も違うので、時々チェックしてみるとお好みの"良いもの"に出会えるかもしれませんよ。
■商品・販売元
「石垣牛わいわいバーベキューセット」
特選石垣牛カルビ・モモ・ロース・イチボ・切り落とし 各180g
石垣島産豚肉ソーセージ・石垣の塩胡椒
価格:9990円+送料(ヤマト便900円+クール料220円)
おーりとーり!石垣島の良いもの特産品ネット通販
i-shopいしがき 有限会社
http://www.i-shop-ishigaki.net/
住所/沖縄県石垣市新川2357-26-302
電話/0980-83-8031
FAX/0980-83-8035
営業時間:9:30〜19:00(日・祝除く)
E-mail/i-shop@dol.hi-ho.ne.jp
石垣市観光協会 会員No.7145 石垣市商工会 会員No.501
旦木瑞穂(たんぎ みずほ) 愛知県出身。産経デジタル「New Roses Web」にてグルメ・イベントレポートや、鎌倉新書「月刊 仏事」で葬儀や介護に関する記事などを連載。各種パンフレット、ガイドブックなどの企画編集のほか、グラフィックデザイン、イラスト制作も行なう。 Twitter:@mimizupon |
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エンタメ : 美味良品 おとりよせしました 記:旦木瑞穂