サクラ咲くサク桜丘
第1回 石橋・西村 国際特許事務所――「渋谷の別天地へようこそ!」
【今回の桜な人々】
石橋・西村 国際特許事務所
石橋 佳之夫さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町10-4
モドマルシェ渋谷桜丘4階(マップ)
ホームページ
http://iplaw-firm.com/
南平台から明治通り方面へ向けて伸びる小道。エリアとしての桜丘では“裏桜丘”といえる場所に、今回探訪した「石橋・西村国際特許事務所」がある。
コトこれ“特許”、なのである。ごくたまーに“硬貨を数えるのに便利なトレイ”などの特許を取って大儲け、なんて話を耳にはするが、いったいどんなお仕事をされているんでしょう……?
「私たちの仕事というのは、特許や“商標”を出願するのに必要な手続きなどを代行して行なう、というのが主になりますかね」と、教えてくれたのは同事務所の所長であり弁理士の石橋佳之夫さん。趣味はピアノとゴルフ、好きな音楽はジャズと名刺にも記されているダンディな石橋さん、穏やかに話しを続ける。
「一般の方ももちろん出願手続きは行なえるのですが、それには多くの手間がかかります。特許というのは、たとえばひとつの製品Aに対して、それを構成する要素ごとに、あるいは技術進歩の段階ごとに多くの特許が存在する場合がある。それらを全部踏まえた上での“強い特許”を取得する必要があるわけで、お客さまと力を合わせてそのお手伝いをしていきます」(石橋さん)
おお、なるほど。石橋さんは所属していた特許事務所から独立したのも22年前。弁理士としては30年以上のキャリアを誇るが、印象に残る出願などはあったのだろうか。おもしろい発明はもちろんのこと、最後の最後で他人がすでに同内容の特許を取っていたとか……。
「そうですねえ……すでに取得されていた、などのハプニング的なことはないですよね。現在はどのような特許が存在するかがすべてデータベースに登録されて閲覧ができますし、また私どもは大企業のお客さまが多いので、『すでに特許を取得しあるいは既に特許出願済みの発明Aを改良して次の発明Bについて特許を取得する』というような、技術の積み重ねで生まれた発明に関する特許がほとんどですからね。
ですから、一般大衆受けするようなものは……。ああ、これはおもしろいなあと思ったのは、『高いところにあるソケットに入った電球を取り外して新しく付ける棒』、と言いましょうかね。同じような特許はすでにあったのですが、電球を摘む部分が新しいアイデアで、滑ったりすることなく楽に電球の交換ができる。私がお手伝いしたおもしろい特許と言えますね」(石橋さん)
こちらでは“発明の支援や発掘”ということで、発明のタネを花開かせるべく助言なども行なってくれる。「まあ、本当にアイデアだけ、という状態でも困りますが、質問などがありましたらホームページからご相談ください」とのことである。ちなみに、取材者が前々から考えていた“丸まらずにスルメが焼ける焼き網”を提案したところ、石橋さん、「まあ、もう少し具体的に考えていただいたところで……(笑)」と困っておられました。これから頑張ります。
さて、そんな石橋さんが桜丘エリアにやってきたのは08年の10月のこと。独立して特許事務所を構えてから7年後に同じ渋谷の道玄坂に引っ越しをして以来、12年半を道玄坂で過ごした後に、国道246号線を跨いで桜丘の住人となった。
「桜丘に引っ越してきたのは事務所の人員が増えて手狭になってきたこともありますが、やはり道玄坂の周辺ですから多少の喧噪というか、事務所の周りが賑やかだったんですね。それで桜丘に移ってきたのですが、やはり静かでいいですね。私どもの事務所は少し奥まったところにあるのでなおさらですよね」(石橋さん)
ここ最近は新しいビルやさまざまな開発も行なわれている桜丘。石橋さんの意に反して(?)賑やかにもなってきそうな印象だが、その辺りはいかがでしょうかね?
「そうですねえ……開発ということでならば、事務所の前の道がもう少し広くならないかなあ、と(笑)。前後から車が来ると車も歩行者も一回詰まってしまうのですよね」(石橋さん)。
それはもう、国や渋谷区に働きかけたいと思います、はい。いや、このページを読んでもらって検討してもらいます(笑)。
「ただなんにしましても、私が最近あまり出歩いていないのですね。移ってきた当初は食事のためなどでよく近所も歩いていたのですが、最近は少しごぶさたになってしまっていますね。せっかくですからよく散歩するスポットやお店などもあればいいのですが……ああ、今後はこのページに登場するお店などを注目することにしましょうね」(石橋さん)そうなるよう私たちも頑張ります……というところで、「石橋さんにとって桜丘とは?」という最後の質問を。
……そうですね……職場であってやはり静かで……、そう話した石橋さん。246と明治通りを越えたら渋谷とは別世界のようですよね、そんな取材者のつぶやきに、「そうそう、それが魅力ですかね」と変わらず穏やかな笑顔、なのでした。
ありがとうございました。お邪魔いたしました!
Q・あなたにとって桜丘とは?
「職場があって静かな、渋谷の別天地」
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2011 / 01 / 05