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街並みというのは不思議なもので、長年住んでいても気が付かない事象があったりする。いつも目の前を通るビルなのにふと視線を上げてみたことで、それまで知らなかった飲食店に出会うとか、思わぬ知人が行きつけの店であったりするとか......。早朝・真夜中にいつも通っていた道を昼間に通ったためにその看板に出会う、そんなこともあるかもしれない。
裏話をひとつ。当コーナーにて取材をお願いする際、夕方前から夕方にかけて出向くことが多い。お昼の営業が終わった後、もしくは夜の営業が始まる前、そんなイメージなのだが、それだと看板が出ていなかったり、光が入っていないことで夕闇に沈んで気が付かないことがままある。そこで、少し時間をずらして同じ道を歩いてみたところ、やはり新たな発見があった。今回はそんなお店をご紹介するとしよう。

インフォスタワーの裏手......前回の『てやん亭"渋谷店』同様、"離れに穴場アリ"のこのエリア。『らーめん屋OKZAKI』を右手に見ながら、『Miraflores 渋谷店』の隣のビルの2階にあるのが、今回登場いただく『MeWe』。迎えてくれたのは「ルパン三世＋松田優作」な店長・伊達啓一郎さん。
「ルパンと松田優作ってホームページに書いてある紹介ですね（笑）。いらっしゃいませ、今日はありがとうございます」
ルパンと優作、なるほどという気がしますね（写真をご覧あれ）。ちなみにＨＰでの紹介を見ると、ある有名人の遠孫なのだとか（ちなみに筆者、ご親戚とはもちろん知らずに、伊達さんのお名前の確認でご先祖様を上げておりました）。

一歩店内に踏み出すと、隅にはDJブースなども見受けられながら、カウンターやキッチンはどことなく懐かしい飲み屋の雰囲気。伊達さん、『MeWe』はこれ"なに屋"になりますかね？
「ウチは飲み屋......まあ居酒屋ですね。そんなかでときおりアコースティックのライブをやったり、DJを入れてイベントをしたりしています」
というわけでどうぞ、と出していただいたのは、オススメのメニューから「ししゃもの薫製」と、02年5月のオープンから定番の「牛すじ豆腐」。そしてお酒はこんなんで......と鹿児島県の芋焼酎「紅春蘭」。詳しくは下にて書き添えますけれど、これが渋谷の飲み屋さんかと思えるお値打ち価格。これは長居をしてしまいそうです。

「渋谷の中でも雑多でがなく、少し落ち着いた雰囲気で古いお店も新しいお店もうまく調和している場所、そんなイメージで開店してもうすぐ10年です。ここで知り合ったお客さま同士が結婚し、子供ができたのは嬉しかったですね」（伊達さん）
そんな慶事が生まれるのもわかる、気さくな店長が切り盛りしている居酒屋『MeWe』。渋谷らしからぬ、そして桜丘らしいお店なのでした。

「どうぞお気軽に遊びに来てください。偶数月の第三土曜日には、ダニー井野のアコースティックライブ『東京恥部ナイト』もやっております。タイトルがアレですが（笑）、演奏も声も素晴らしいライブです。こちらもお待ちしております」（伊達さん）

視点を変えれば、新しい発見がある。
『MeWe』、今日はいい店を見つけた。

Ｑ・あなたにとって桜丘とは？
「温故知新。老いも若きも笑顔で楽しくよく呑む街」

ロングカウンターよし、仲間とわいわいテーブルもよし。カウンターでひとり飲みの場合は伊達さんとの話が楽しそう。酒強そうな伊達さん、酔いどれトークもガンガン？

店内を彩るインテリアは実は月替わり。右上、左下のアートにご注目ください。こちらは9月12日から展示されている、アートディレクター・平田真市郎氏とカメラマン・保田サトシ氏の共同作品。『MeWe』だけのオリジナル作品です

お酒も“赤星（サッポロラガービール）”に、日本酒から焼酎まで豊富にご用意。ご注目は真ん中の「テキ・トマ」。テキーラにトマト、少しのハラペーニョが沈んでおります。「トマトのおかげでテキーラでもまろやか。ちょっとのソーダで割るのがおいしいですよ」（伊達さん）

こちら自家製のししゃもの薫製（580円）ですよ。卵でお腹パンパンのししゃもをドーンとスモークいたしました。ししゃもの塩気が薫香と相まって、あああああ、酒が進んでしまう

こちらオープン当初から名物の牛すじ豆腐。これがなんと500円でご提供。トロプリな牛すじはもちろんですが、これは味の染みた豆腐を食わにゃね。ちなみに牛すじだけだと400円。これも安っ

伊達さんイチオシのお酒は鹿児島の芋焼酎で紅春蘭。「これ、ウチにも佐藤店長が遊びに来てくれる『うみかぜやまうた』にも置いてあるのですけれども、実はウチが卸しているんですよ。渋谷で飲めるのってウチとそちらと……あと１軒あるのですかね……？」そんなお酒がなんと500えーん!!