サクラ咲くサク桜丘
moga――老若男女が守りそして集う、我が街の誇る美容室
【今回の桜な人々】
Hair moga
akiraさん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町21-7 ライブリー桜ヶ丘1階
(マップ)
もう目の前は鶯谷町となる桜丘郵便局の前の通り。明治時代に西郷隆盛が馬車で明治政府に通った道だったそうで、“西郷通り”などとも呼ばれているこの通りは、車の往来こそ多いものの、桜丘随一の落ち着いた雰囲気を漂わせている。
そんな通りにはやっぱりオシャレなお店が似合うようで、鶯谷町のサイドも含めて、アパレル関係のショップや輸入雑貨のお店などがよく目に入る。こぢんまりとしたかわいらしいショップが点在しているのも特徴かもしれない。
“西郷通り”の端っこから端っこまで足を進めてみた。線路沿いからスタートして5分ほど、桜丘郵便局を少し過ぎたビルの一室を覗いてみると、そこに立っていたのはオシャレな美容師さん。
「いらっしゃいませ。このお店、『moga(モガ)』は桜丘にいまある美容室ではいちばん古いんですよ」
帽子もバッチリお似合いの美容師、akiraさんがそう教えてくれた。おお、それではぜひお話しを……と言うが早いか、「あの方がウチのオーナーですので、昔の話はオーナーが当然詳しいですよ」と紹介いただいたのがオーナーの最上屋(もがみや)さん。聞けば御年62歳、オシャレなお仕事の方はいつまでも若々しいですねえ。
「いやいやいや、年相応ですよ(笑)。まあ、若い人と一緒に仕事をしているから、それはあるかな」
最上屋さんは10代のころに原宿で美容師人生をスタートし、その後に代官山で開店。桜丘に移ってきてもう29年になるという。
「29年もやっていると親子のお客さんも? いやいや、親子どころかもう4代続いたお客さんもいるよ(笑)。そういう人は原宿でやっていたころのお客さんだから、桜丘まで通ってくれているんです。海外の方も帰国したときに合わせて来てくれたりね」
ちなみに『moga』という名前は当時の“モダンボーイ、モダンガール”の“モボ、モガ”からかと思いきや「違いますよ、最上屋だから(笑)」だそうです。そういえばそうですね(笑)。
「別の場所でやっていた時期も鉢山町に住んでいたりしたから、もう30年以上はこの近所で生きているよ」とさすがの“桜丘人”、最上屋さん。聞けばこの“西郷通り”、以前は美容院だらけだったとか。
「ウチの隣は隣で美容院でしたし、線路沿いまで何軒もありましたね。でも美容師さんが高齢になられて亡くなったり、お店も閉めたりで……いま桜丘ではウチがいちばん古くなってしまいましたね」
そう言う最上屋さんの傍らには、akiraさんを始めとする若い美容師さんが忙しく動き回っている。アットホームな雰囲気ですよね、その言葉に嬉しそうな最上屋さん。
「まあ、いまでも僕が担当させていただくお客さんもいますけれども、当然ながらそういった人たちは年配の人たちが多いですよね。で、彼らたちは若いお客さんを呼んでくれる。そうやって世代交代していって……僕もだんだんと若い人たちにバトンタッチしていって、お店を任せていければいいなあと思っています」
そうなったらそうなったで寂しいけれども、若人たちの最上屋さんを見つめる目はとても温かい。代替わりの日が来たとしても、きっといつまでも『moga』の空気は変わらないままだろう。
いちばん最後に使っている写真、ご覧ください。この写真がその証拠です。
いま桜丘でいちばん古い美容室『moga』。今日も若いスタッフ、そして若々しいオーナーが、またその歴史を積み重ね続けている。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「もう30年選手ですからね(笑)。生活の一部の街ですよ」(最上屋さん)
カットするスペースは真後ろにも3台ありますよ。こちらでカットして……
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アラカン編集長がカットされております
「いつ撮っても“家族写真”のようになっちゃうんだよな」……いやいや、これぞアットホームなmogaファミリーの一枚でした
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2012 / 02 / 27