サクラ咲くサク桜丘
木戸を開けばシチリアが――CENTO ANNI
【今回の桜な人々】
CENTO ANNI
小濱 慎一さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町30-15(マップ)
ホームページ
http://www.centoanni.jp/
「あっ、これってキョーヘーくんが出ていたやつですよね?」
当コーナーが始まって登場いただいたみなさん、総数で80弱。現在はオートロック方式のビルにある方々に取材依頼をする際、いかにインターホン越しの説明だけで怪しまれずにロックを開けていただくかという難問(笑)に移ったが、開始当初の難問はやはり皆無の知名度。いかに怪しまれずに(やっぱり)登場いただくかに腐心したものだが、冒頭のようなお言葉を依頼時や取材時にいただければその甲斐もあったというものだ。改めましてみなさんありがとうございます。
さてそんなお言葉をいただいたのは、先ごろ発見したセルリアンタワー裏のレストランが建ち並ぶ通りの一角。キョーヘーくん=指宿匡平さんが店長を務める『Ocean Dining Bar Delfini』と同じビルでお隣にその店はある。白壁に広い窓、そして重厚な木戸……迎えてくれる“三本の足と顔”を持つシンボル「TRINAKRIA(トリナクリア)」が、このお店をシチリア料理のお店だと教えてくれる(トリナクリアはシチリア島のシンボルで、足が三本あるのはシチリア島に岬が三箇所あることや、季節を表しているとされている)。
『CENTO ANNI(チェントアンニ)』さん、こんにちは。
いらっしゃいませ――若いころの金田賢一を思わせる長身のイケメン店長、小濱慎一さんが迎えてくれた。『CENTO ANNI』とはイタリア語で“100年”であり、ここ桜丘で創業(現在は銀座にも店舗があるが、創業はこちら)したのも100年前……ということはもちろんなく、創業したのは約7年前。ちなみに“チェントアンニ”は意訳だと「いつまでも」となり、イタリアでは乾杯の発声にも使うのだとか。
改めて店内を眺めてみると、大きなカウンターに広々としたホールをそのまま活かしたような客席エリアがとても印象に残る。シチリア島の東部にある港町、シラクーサにあるトラットリアをモチーフにしており、設計の際はデザイナーが現地まで足を運んでデザインしたとか。シチリア島のシンボルカラーでもあるオレンジ色の照明や、壁一面のワイン、そしてイタリアの絵画や写真……有名なマフィア映画に出てくるようなシチリアのレストランにいると錯覚してしまう。パーティやデートなど、そういうハレの場にはこの錯覚、とても重要だ。
「私がここに来て6年くらいですが……お客さんは30歳代から50歳代くらいを中心に、やはりこの場所らしい大人の落ち着いた方が多いですね。当店はカウンターに置いてあるアンティパスト……前菜を直接見て選んでいただいてそれでワインを傾ける。それでお帰りになるお客さんもいれば、もちろんその後には地中海にあるシチリアらしい魚介類を始めとするメインを召し上がっていただいて……と、いろいろな楽しみ方ができると思います。どうぞ遊びにいらしてくださいね」
取材時の夜はまさにパーティナイトだったようで、バースデイプレートにチョコレートで文字を書き、アイスクリームでバラを作りながらお店の魅力を語ってくれた小濱さん。お誕生日の方、きっといい夜になったことでしょうね。
気軽に立ち寄っても、バリッと着込んでも、いい思い出が作れそうな“桜丘のシチリア”『CENTO ANNI』。お店の雰囲気や料理だけでなく、寡黙なのかと思いきや最後の写真撮影で突如オチャメに変身したイケメン店長(HPには「不思議系」と書かれていました……)も、素晴らしい演出をしてくれることだろう。
どうもお邪魔いたしました。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「まず思いつくのは“裏渋谷”、ですかね」
ほら、雰囲気いいでしょう? シチリアではなく、ここ桜丘なんですよ
こちらがカウンターに鎮座まします前菜の数々。どれもおいしそう。
上真ん中の細長いのはシチリア名物のライスコロッケ「アランチーノ」
「アンティパスト・ミスト」って、そんな前菜たちを盛り合わせたもの。ご自由にお選びくださいませ。前菜は単品で480円からありますよ
今日はお魚にいきましょう「メカジキのグリル トラパニ風」はバジル、トマト、アーモンドのソースでいただく郷土料理(1400円)。島だけに周りが海のシチリア、最高の魚介類が待ってます
ここで祝ってもらったら嬉しいだろうなあ……。小濱さんが作っている最中のバースデイプレートをパチリ。モエカさん、おめでとう!
小濱さんオススメのワインは「DONNAFUGATA社(ドンナフガータ)」のもの。140年以上の歴史を誇るワイナリーです。「エチケットとかもかわいいですしね」(小濱さん)。今日のこの一本はぜひともお店で聞いてみて!
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2012 / 03 / 01