サクラ咲くサク桜丘
勝てる屋――世界王者降臨、桜丘に"魔術師"現る
【今回の桜な人々】
勝てる屋
森 勝洋さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町2-3
富士商事ビル602(マップ)
ホームページ
http://www.kateruya.com
「普段なにげなく通っていた道、場所、建物に、思いがけないお店がある」
これ、当コーナーで幾度となく感じ、そして実際に原稿としても使っているフレーズである。桜通りなどメインストリートに面したいわゆる路面店ではなく、桜丘特有の路地を進んで行った先であったり、ふとビルを見上げた先の看板に新たな発見をしたことは数多い。そして今回、お店だけではなく、こんな発見があった。
「なにげなく接していた相手が、思いがけない大物だった」
これは驚く。筆者は以前、飲み友達になって長いこと経った相手が、実は某有名司会者タレントの元相方であったり、出会った当初は現役Jリーガーということがあった。それも後々けっこう驚いたが、まさか桜丘で飛び込みで入ったお店の店長が「(プロとして)生涯獲得賞金は……2000万円くらいですかね」とサラッと言う、世界選手権王者だったとは……。
今回登場いただくのは『CARD SHOP 勝てる屋』。かつて『プラマ鍼灸治療院』が登場いただいた富士商事ビルの602号室にある。ん、以前に取材に訪れた際にはなかったような気が……「ここにオープンしてからまだ4カ月ほどですから、そのときはまだ開業前だったのでしょうね」、そう声を掛けてくれたのは店長の森勝洋さん。童顔なイケメン店長とともに店内を覗くと、背広姿からジーパン・トレーナーの普段使い、会社員風から学生さんまで様々なお客さんの姿が見受けられる。ところで……?
「はい?」
こちらはどんなお店で……??
「はは、そこからですか(ニッコリ)。『勝てる屋』はトレーディングカードを使ったゲーム、当店では“マジック”こと『Magic: The Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)』と『ヴァンガード』。それと『プレイステーション』などでおなじみ『ファイナルファンタジー』のトレーディングカードゲームを扱っています。各種カードのパック販売はもちろんのこと、様々なグッズ、さらにいわゆる“レアカード”など、カードの買取、販売もやっておりますよ」
店の奥にはテーブルが設えられた部屋もあり、そこでは何卓かですでに白熱のバトルが繰り広げられている。ところで……これどんなゲームなのでしょう……?
「もちろんそこからですよね(ニッコリ)。これは当店で扱っている3種類ともそうですが、手持ちのカードを使って相手のライフ、“持ち点”を削っていくゲームですね。トランプの“大貧民”や『UNO』の経験があればおそらく出来ます。単独でカードを切るよりいろいろと組み合わせたりするので、麻雀と将棋が合わさったようなもの、という感じでもあります。まあ、お客さんの多くはすでに経験者の方ですが、ホントに初めてなので道具とやり方を……というお客さんにはちゃんとお教えいたしますので、どうかお気軽にいらしてください」
ここまで教えてくれた森さん、そもそものカードゲームとの出会いは“マジック”の本場でのこと。
「小学校と中学校の足掛け2年間、アメリカのシカゴにいたんです。そこで“マジック”が売っているのを見たのですが、そのときはそれでおしまいでした。それが日本に帰ってから、渋谷のパルコに『ポケットモンスター』を買いに行ったとき、偶然そこで“マジック”に再会したんですね」
それ以降、熱狂的なプレイヤーとして……などと書きたくなるところだが、実はこの方、そんな言い方では収まりきらない。“マジック”は全世界的にプレイされているゲームとして、世界選手権や各国での選手権や競技会が組まれている。「“グランプリ”という数百人規模で参加者がいるオープン型の大会や、実績が必要な“プロツアー”などがあり、これらは賞金も出ます。“マジック”の大会ではベスト8に入ったら勝利の価値があると言われており、僕は団体戦なども含めて……20回、25回くらいはベスト8があります」
はああ……それではと聞いた生涯獲得賞金が冒頭の2000万円ほど、ご本人は「10年くらいでのものですから……」と謙遜するが、やはりプロ選手は尊敬に値するもの。さらに、05年に横浜で行なわれた世界選手権では優勝(!)も成し遂げている。もうパーフェクトな第一人者なのだ。
「僕たちのような選手の多くは、ゲームの開発の側に回るか“プロショップ”のようなお店を始める人が多いのですね。で、僕はお店を始めることにしたんです。この場所を紹介してくれた不動産屋さんが“マジック”のプレイヤーで、決めるまでいろいろと楽しいことになりました(笑)。あと、開店に併せて住まいも桜丘に移しました。そのほうがいろいろと便利ですからね。住んでみていい街でよかったと思っていますよ」
テレビのCMなどを見ていると、森さんが愛するトレーディングカードゲームが市民権を得始めているのは間違いない。
ちょっと教わってみましたが、なかなか戦略性があって楽しいですよ。
勝負事が好きな人はもちろん、ふとハマってしまう人もきっといる。
『勝てる屋』、ちょっと覗いてみたら。
プロは呼び捨てがその証、許していただこう――“稲妻”という異名をも持つ男・森勝洋、世界に誇る“マジックプレイヤー”が桜丘の街で待っている。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「店と同時に僕も移り住みました。きれいでステキな街ですよね」
こちらに一般的なものはもちろん、レアカードなども展示・販売されている一角です
教えていただきました。
カードを購入して......1・その種類や......2・手札の切り方......3・判定の仕方と......ルールはもちろんここでは書ききれないので、こちらをご参照ください。
「自分が所持しているカードから60枚(以上)を編成して、それが"軍勢"になるわけですね。最初から60枚分編成されている初めての人向けのスターターパックもあります」
森さんが常連さんと対戦中......流れるように進んでいく戦局、
初心者として見ていても"手"が広がっていくのがわかる。
これは戦略性、高いゲームですよ
10年に横浜で行なわれたグランプリの優勝カップとともに。
マジックプレイヤーはもちろん、初心者の人も世界覇者へ会いに『勝てる屋』へ!
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2012 / 03 / 08