サクラ咲くサク桜丘
世界的大企業も動かす!? 桜丘にKongあり
【今回の桜な人々】
Bar Restaurant Kong Shibuya
村岡 寛一さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町24-4 東武富士ビルB1F
(マップ)
ホームページ
http://www.bar-kong.com/
まだ少々先の話であるが、今年の7月にはロンドンオリンピックが開催される。そしていま現在に目を移せば、プロ野球もJリーグも今シーズンがすでに開幕している。
これらのスポーツイベントを実際に行なわれている会場以外で、見ず知らずのファン同志が集まって観戦する――欧米など諸外国では大昔から一般的だったのだろうが、いわゆる“パブリック・ビューイング”であるとか、“スポーツバー”の文化が日本に定着したのはいつごろなのだろうか――?
そんなことを考えながら今日はこのお店にやってきた。たとえばサッカー日本代表の試合が行なわれている真っ最中、国道246号の一本裏、セルリアンタワーの麓を渋谷駅方面に緩やかに降っていると、窓の向こうからでも大賑わいなのがわかるお店がある。そして店内のモニターにはもちろん日本代表の姿が映し出されていた。
こちらは『Bar Restaurant Kong Shibuya(コング)』。
現在も長野県の菅平でペンション『Resort inn Kong Sugadaira』を運営するオーナーさんが、「それじゃあ渋谷でも店をやるか」と、同じ場所で店を開いたのが1994年。その後、2000年に賃貸契約を買い取ったの機に現在の店名となった。その広々とした店内にはテーブル席のほかにカウンター席、奥まで行けばバーカウンターの席もあり、なるほど、知ったる仲での大パーティはもちろん、同好の士たちのスポーツ観戦にももってこいだ。
「店内にはバイクのマフラー(なんと売ってます)やツーリングの写真、ギターなども展示してありますが、これ全部オーナーの趣味なんですよ。なので、席の一部を取っ払ってライブなどを行なうこともあります。『でっかいガキの遊び場』な店ですよね」先ほどからお店について教えてくれているのはイケメン店長の村岡寛一さん。『Kong』に名前が変わる少し前から在職されているとのことで、時間にして約12年。そんな“生き字引”な村岡さんだけに、冒頭の疑問に対して「それはですね……」とエピソードを交えつつ解説してくれた。
「当店で流すスポーツイベントではサッカー、いちばんわかりやすいのはワールドカップですね。あれは02年に日韓共催で行なわれたワールドカップのとき……1大会前のフランスでのワールドカップで日本はワールドカップ初出場を遂げるのですが、そのときは店で試合を流しても別にどうってことなかったんです(笑)。なので、日韓のときも軽い気持ちで試合を流すつもりでいたんですよ。そうしたら日本の最初の試合から、4年前なんか比べ物にならないほどのお客さんが来まして(笑)。ある試合の後、ハチ公前の交差点でファンが暴動寸前の大騒ぎになったの、つい見に行っちゃいましたしね。まあ、それはともかく、そんな大盛況が日本の試合……決勝トーナメントを入れて4試合ですか、その度にやってきたわけです。で、そこでよく覚えているのが、ある日本戦の最中にお店に電話があったんです。クレジットカードのアメックスからで、『ブラックカードを持っているお客さまから、“なんとかそちらのお店に入れてほしい”という依頼を受けた』という電話でした(笑)。なんかすごいことになったなあ……と思いましたよね」
それ以降のワールドカップは『Kong』にとって毎回鉄板のイベントだとか。「それに比べると五輪はイマイチで……野球はどうかって? うーん(笑)。まあ五輪や野球の日本シリーズなども流しますので、そこはご安心ください」
世界的企業を動かしてでも入りたい、そんな『Kong』の魅力はもちろんスポーツ中継だけではない。『でっかいガキの遊び場』よろしく飲みに来てテンション上がる雰囲気、メニューを見て気が付く妙な名前の料理やお酒(村岡さん曰く「オーナーが酔った勢いで付けてます」)、そして手軽なお値段以上の味やボリューム……。その日が「スポーツをやっていた」、「ライブをやっていた」、はたまた「フツーに営業していた」、どんなときに訪れたとしても新たな発見をして帰ることになるのはきっと間違いないだろう。
「当店はいちおう17時から深夜までですが、予約さえいただければ14時から営業したりしますし、夜もオーダーがある限り続きます。料理の名前にしたって自由で、また気合いも入った営業をしていますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
またペンションのほうも、夏から冬にかけて(春季は大型連休の際など営業)ご利用いただけます。上のリンクなどをご覧になってみてください」
普段使いはもちろんとして、注目度は低そう(笑)だが至近のイベント・ロンドンオリンピックでは肝いりで訪れてみたい――そう強く思った『Kong』であった。
どうもお邪魔いたしました。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「移り変わりを日本のサッカー文化とともに見てきましたね。
ちなみに当店にはいまサッカーに詳しい人間はおりません(笑)」
カウンターを囲むようにテーブル席、そして奥にはバーカウンターが目の前の席も。
みんなで応援したら盛り上がるの請け合いの広さでしょ?
オーナーさんの趣味というバイクのマフラーやギターが並んでいます。
ちなみにマフラーには“値札”が付いております(笑)
お料理いただきましょう。メニューには人気NO.4とある、皮も付けダレも手作りの水餃子やしっこすいすい。や、やしっこ……? 「あ、当店のメニュー、ほとんどこんな名前付いてます。オーナーが酔っ払った勢いで付けてますので」。ははは……630円です
では人気NO.1はなにかとなると、これがこれまた自慢のピザたちだそうです。今回はめんジャガをチョイス。明太子とジャガイモ……普通だと逆にビックリしますね。合わないわけがない取り合わせ、730円でどうだ!
そしてお酒はカクテルからジョージ殺し。殺しちゃいましたか。「ジョージというミュージシャンをウチのオーナーがこれで酔い潰したところから......」って、中身はテキーラとラム。そりゃ潰れますわな(笑)。今度はオーナーさんにもお目に掛かりたいと強く思う780円!
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2012 / 04 / 16