サクラ咲くサク桜丘
音楽酒房 伊織――肩肘張らずに音で遊べ、そして飲め!
【今回の桜な人々】
音楽酒房 伊織
岩田 有紀子さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町15-15 NKG東京第2ビルB1F
(マップ)
ホームページ
http://hwsa7.gyao.ne.jp/kichijoji-iori
言うまでもなく、先代が大物、老舗であればあるほど“代替わり”は難しい。
妙な例だが、長年同じ声優キャストだったアニメ『ドラえもん』。数年前に声優陣が一新されたわけだが、その初放送から「絶対いまよりも前のほうがいいよね」と、しばらくはそれこそ絶対に言われ続けるのである。その声を払拭するためには、新しい個性を発揮しつつ、そしてその伝統も守りつつ……しかないだろう。
今回は昨年の8月、そんな“代替わり”を果たしたお店にうかがってみよう。坂の通りである中央通りの中腹、焼き鳥の『五十亭』と同じビルの同じ階にある『音楽酒房 伊織』である。
「どうも、『音楽酒房 伊織』です。桜丘をくまなく歩いているみなさんならごぞんじの通り、こちらには以前『again』さんがありました。その重みはしっかり感じつつ、去年の8月から頑張っています」
そう言ってカウンターに誘ってくれたのがママの岩田有紀子さん。かつてあった『again』とは、スタンダードの洋楽が歌えることで洋楽好きの渋い紳士が集っていた、長い歴史と伝統を感じさせたお店。それが突然の店仕舞いとなり、桜丘人の多くは腰を抜かすほど驚いたものである。
「扉を開けたらいきなり私がいたものだから驚かれた人も本当に多かったですよ(笑)。でも、『again』さんにいらしていた桜丘のお客さんもたくさん来て応援してくれて本当にホッとしました。こちらのコーナーに出たことがあるアンナヒトもコンナヒトもいまはよく来ていただけるお客さんです(笑)」
元々は吉祥寺にあった『伊織』だが、物件の関係で「音があまり出せない」ことから移転を目論んでいたところ、「『again』さんが閉めるから……と言うとお知り合いのようですが、実はご面識はないんです。こちらの場所が空くという情報が不動産屋さんからあって」この場所に登場と相成った。
「移転後もいまでも、吉祥寺のお客さんもたくさん来てくれますし、そこにご近所のお客さんも来てくれる。ありがたいことですね」と笑う岩田さん。20人くらい来てもらって宴会もやってますしね……と言ったそばから、大崎方面にある大企業から宴会の予約が。「ありがたいことですね。おひとりで来ていただいても、こんな宴会でも、そしてランチでも、お手頃に楽しんでもらえると思います。ランチで出してるカレーなんか、吉祥寺にあるある有名店リスペクトの味ですよ(笑)」
気が付けば隣のお客さんはギターをつま弾いている。後ろにはピアノがあり、そこにはフルートも。
「レコードを持ってきていただいたら、このレコードプレイヤーで流しますよ。ギターを弾いてもらってもいいですし、笛吹いたりしても……。“音楽酒房”って付いているから、『カラオケ歌わなきゃいけないみたいだから、(音楽酒房は)取っちゃえよ』なんて言うお客さんもいますが(笑)、別に気にせず、音楽全体で遊んでもらえれば幸いです」
さ、そろそろギターの音色とともに杯を挙げましょうか。
乾杯――伝統の地でまた新たな音楽が流れ始めている。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「移転までは縁がなかったのですが、いい人たちが多い街ですよね」
“ザ・スナック”な店内。左奥にもテーブル席がありますよ
ギターの音色とともにカウンターで語らうひとときを
お昼にはランチもやってます。こちらが「吉祥寺の名店インスパイア(笑)」のカレー、チキンは600円です。スパイシーなルーがとてもいい感じ。テイクアウトならば500円!
これ、お店で販売している『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじカレー。島根県限定の商品で「都内で買えるのは伊織だけ!」とか。500円で好評発売中!
おおお、焼酎好きにはたまらない一本が揃っています。「だからといって高いってことではないので、気軽に飲んでくださいね」。嬉しいですねえ
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2012 / 05 / 07