サクラ咲くサク桜丘
The Good Scrap――"裏渋谷"にできたオモチャ箱
【今回の桜な人々】
The Good Scrap
土田 琢磨さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町3-2
(マップ)
街を歩いていて、改装工事などの現場に出くわす。お、なにができるんだろう……と全容が明らかになるまで少し楽しみ、というのもいいが、気が付かないまま突然目の前に新しくお店やら建物ができているというのも驚き、また楽しい。つい中を覗き込みすぎて、気付いた店員さんなりが「実は先日オープンしまして……」なんて教えてくれたりして……ならいいが、普通の一般企業だったために不審の目を向けられることもままあったりするのだが(笑)。
今回はそんな突然見つけたお店、である。
「いらっしゃいませ。実はオープンしましたの、まだ先週の土曜日(1月26日)なんですよ」
JRとの線路沿い、以前登場いただいたスマートフォンを修理してくれる『SMART』のお隣り。店前に出ていたアンティークな椅子、そして「あれ、いつの間に……」と感じながら店内を覗き込むと、大昔に学芸会などで使ったスポットのライトなど、オシャレなアイテムが並んでいる。この通りはほぼ毎日通っているのになんで新店が出来つつあるの、気が付かなかったんだろ……という疑問を「朝の通勤時に通っていたからまだ準備前でシャッターが開いていなかった」と合点しつつ、フラフラと店内に引き寄せられた。中も足の踏み場もないくらいに重厚なソファーやテーブル、また懐かしの黒電話などが展示されている。
「改めましてこんにちは。私たちは『The Good Scrap』と言います、アンティークな家具をはじめ、さまざまなグッズを扱っているお店です」
そう教えてくれたのは同店マネージャーの土田琢磨さん。なるほどこの方が扱ってるならオシャレだわ、そう感じずにはいられないお洒落な雰囲気。みなさん上の写真を見返しください。
この『The Good Scrap』は、母体となる会社がインターネットで様々な物品の買取を行なっており、その販売先として展開しているお店のひとつとなる。
「たとえばフィギュアとかもネットでは買取をしていまして、それらの商品がマッチする地域で販売する……という感じです。それでアンティークな物を扱うお店……ということで、目黒通り周辺などで物件を探していたところ、こちら桜丘に縁がありました。私はそれまで訪れたことのない街だったのですが、渋谷でありつつここは“裏渋谷”と言いますか、当店がとても合いそうな雰囲気を感じましたよね」
ネットで買取をされたアンティークな物を扱うお店……ああ、それで“いい=Good”と“Scrap”が合わさった店名なのですか……そう思いきや、店名には別にも深い意味がある。
「はい、実は店名はふたつの意味、ダブルミーニングになっているんです。おっしゃるとおり、いわゆる廃材……というと言葉は悪いですが、“もう手元にいらない”というような意味での“Scrap”、それだけど商品は良品という意味の“Good”、これも店名の意味にはなります。ですがそれともうひとつ、新聞記事などを集めた“スクラップ・ブック”ってありますよね。その“集める”という意味でのScrapもあるんです。いい商品をこのお店に集める、これもここ『The Good Scrap』なんです。
ですからネットでの買取品だけでなく、いいものだと思ったら新品を仕入れたり、同業者へ買い付けに行ったりもしていきます。『The Good Scrap』へ行ったら珍しい物やオシャレな物がきっとある、そう感じていただけるお店にしていきたいですね」
お話しを聞いている際も、フラッと入ってきたお客さんが商品を手に帰っていく様子が繰り返される。その光景は逆に予想外なほど開店した日から続いているそうで……
「桜丘を歩いてみたとき、たとえばデザインの事務所とか学校、デザイナーさんにカメラマンさんなど、クリエイティブな仕事をしている人たちが多い街なんだな……と思いました。それでやって来られるお客さんも、まさにそんなクリエイターさんが多いのですね。まだ開店して間もないですが、いい街にやってきたなあと思いますよ」
思えばこの通り周辺、登場いただいたみなさんは一様に“裏渋谷”と称している。桜丘でもよりオシャレなこのエリアに、また新たな顔が誕生した。
『The Good Scrap』
覗いてみれば必ず引き込まれ、アンティークの波浸ってしまう。間違いなく。
Q・あなたの桜丘の魅力は?
当店のお客さんや桜丘の街を見ていると、渋谷というのは情報や流行の発信地と言われますが、実は道玄坂のほうばかりでなく、この桜丘も重要な発信地なのではないかと感じています。
当店もそういう存在になりつつ、そんな発信地としての桜丘をオススメします
お店に入ってまず目に飛び込んでくるのがこの一品。クルクル回してスポットの色を変えるんですよね。
ちなみにこれもう売約済みです
こちらは味のあるロッキングチェア。座っていても置いてあるだけでも絵になりますな。
畳めちゃって2万2000円でご販売中です
ソファーです。いや、豪華そう。
「これから少しレストアをして、それからお値付けになりますね」(土田さん)
値段によっては即決モンですよ、これは!
友人......いや、恋人の部屋にこのライトがあったらトキメキますな、まったく
Tweet エンタメ : サクラ咲くサク桜丘 記:asobist 編集部 2013 / 02 / 25