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アラカン編集長モンブランを行く!
赤岳 - 3
2009 / 03 / 05
目が覚めて水分を摂ろうとしたら、枕もとのペットボトルがシャーベットと化していた。
寝る間際に赤ワインをクイーッとやり、続きで熱い紅茶を飲んだのが利いたのか、「寒くて寝つけなかった」と言うもありな室温でも、体中ポッカポカでぐっすり眠れた。
外に出る気には到底なれない。5時、まだ暗いというだけではない。はものすごい暴風が吹き荒れている。まるで台風のよう。
前夕から出てきた風は小屋ごとバラバラに破壊して飛ばしてしまうのかと思うぐらいの勢いで小屋のどこそこにぶち当たり、時折、バッターンと恐ろしいような音を立てる。空が白み始めても一向に治まりそうにない。
6時過ぎに意を決して外に出てみた。
吹っ飛ばされそうになりながら、どうにか1枚撮ったら、グローブをしていない方の手がキンキンに痛い。装備をつけていないから、体中がシャーベッチンング?!
2分で降参。
風は激烈でも天気そのものは、そこそこ良いのであるらしく、それこそ「どこ吹く風」で富士が写っているのが不思議。
朝食が済み、待てど少しも天候は回復せず、風はビョービョーと吹き荒れるばかり。暴風をついて9時に出発した時は、恐ろしくてドキンチョっすわ。
「アイゼンてスゴイのね!」を改めて痛感。ものすごい傾斜のガリガリの雪面をガッツリつかまえてくれる。
1歩登っては耐風姿勢。2歩登っては耐風姿勢。ピッケルを真ん中にガッと突き刺し、両足を開いて姿勢を低くする。そうしないとマジ、身体がフワリと浮いて、暴風にもっていかれそうになる。怖いよ〜
夏道だと20〜30分、雪道でも晴れていれば40分もあれば頂上、のはずが、いつまでたっても着かない感じ。もう、わやわや〜
ゴーグルがね〜塩梅よくないのよ。
メガネの上からつけると痛くて不快。中側が曇って視界が全然ダメ。
メンドッチ、ってんでチョイ外してヘッドに上げたら、毛糸帽ごと飛んでっちゃった。
少々痛くても、曇っても、ゴーグルがないと大変だよ〜!!!
暴風がザラザラにフリーズした雪の粒を巻き上げる。地吹雪は、万本の針となって、目出帽でおおわれていない皮膚に突き刺さって猛烈に痛い。真っ白に霜げたメガネのスキマから容赦ない針攻撃で目ん玉ときたひにゃあ、サンドペーパーでゴシゴシ状態。ボロボロ涙が出てくる。
かか・かんべんして〜!
タスケチクレイー!!!
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連載 : アラカン編集長モンブランを行く! 記:小玉 徹子