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アラカン編集長モンブランを行く!
入院の経緯-1
2009 / 06 / 02
5月17日、荻窪のジムでボルダリングをしていて、4?5mの高さから落ちた。
イグッ!!!
腰に激痛。いかにもヤバイ!痛さ。
うーッといきんでないと辛抱できないほどメチャクチャ痛いのに、こう見えて結構な見栄っ張り。「落ちて怪我」なんては、なんともかっこ悪い。「ダイジョブよ」などごまかしても、身体は正直。脂汗だか、冷や汗だかがそれこそ「どわーッ」と顔から滴り落ちる。
意地ってか、根性ってか「ここでは倒れられん!」一心で、一服して気を落ち着けたら、いても立ってもいられないというほどではなくなった。歩けるし、立てるし、座っていられる。しばらく他の人たちのボルダリングを眺めていた。
「じゃあ、メシでも食って帰るか」
新宿に出て居酒屋でなんやかやつまんで、生ビール3杯を干して帰った。
翌朝、整体にでかけた。
「よっぽどひどくねじったみたいですね」「あさってあたりまた来てください」
施術でずいぶん楽にはなった。2、3日養生したい体調ではあったが「腰の捻挫って感じかな~」だった。
コナミスポーツの中武コーチに連絡して、週いっぱいはトレーニングができなくなった経緯を伝えた。
「念のために病院へ行ったほうがいいですよ」
中武コーチのアドバイスに従ったまでだった。
「ま、レントゲンぐらい撮っておくか」「安心料だな」「ヤマモリ湿布薬でももらってくるとするか」
だったんだが…
「家に一旦、帰るのもダメです」「即刻、入院です」
えええーッ!マジーッ?!!
レントゲン写真には素人目にもそれと見てとれるほど、骨にパスッと横に定規で引いたかのような白い線が走っていた。第2腰椎骨骨折。
折れたのは腹側という不可思議。
ボルダリングはクライミングの一種ではあるが、原型からいえば、いわゆるクライミングが岩壁を攀じるのに対して、川原や岩山のすそにゴロリ転がる巨岩・巨石をよじ登るもので、クライミングのように保全確保のためのトップロープの設置はない。だから、さほどの高さではないが、しくじれば当然もろ落ちる。
最後の一手だった。
丸っこいホールド(手がかり)を両手でつかみ、スタンス(足場)はやや開いていた。スタートからハング(傾斜がこちらに傾いている)壁だから、足をそれ以上上げようとすると、なお手に体重がかかって持ち堪えられなくなる。次のホールドは斜め右上。伸ばしただけでは届かない距離。
2、3回スウィングして伸び上がった拍子にスタンスを蹴って右斜め上のホールドへジャンプした。右手が確かにホールドに届いた。
瞬間、届いたはずの手が滑った。
スウィングした分勢いがついていたし、滑った分だけスピードがついていた。
「あ」も言う間もなく落ちた。
なんの防御体制も取らず、体は「く」の字で腰からもんどり落ちた。落ちた先には高さ50~60cmのラバークッションが敷いてあるから、腰がラバーに沈み込む勢いで体はさらに内側へ「く」の字に折りたたまれる格好になった。だから背中側でなく腹側に衝撃がかかったのだ。
クッションが敷いてなければ…
クワバラ~~!!!
背中側が折れる。折れた骨が脊髄を直撃すれば、2度と歩行できないようなことになっていたかもしれない。
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連載 : アラカン編集長モンブランを行く! 記:小玉 徹子