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アラカン編集長モンブランを行く!
再準備-2:初登山・八ヶ岳/下山
2009 / 09 / 04
横岳から硫黄山荘へ、今来た道を折り返す。
クサリ場がひやひやもの。登りより降りが一段と怖い。その上渋滞。
渋滞のせいかコースタイムより5分遅れで硫黄岳山荘着。10:40
山荘から硫黄岳への登り返し、ガレた斜面で草花を撮る。といっても3種なのでそう時間は食わなかったが、なぜか10分ほどオーバー。しかも山荘で20分休憩を取ったので硫黄岳到着は11:20。そろそろ時間が気になりだす。
「急ぎますよ」
豆板醤の得意台詞。当初の予定だと夏沢鉱泉着は15:35で、その旨は山荘にも伝えてある。行程表どおりだと余裕しゃくしゃくなんだが、茅野への車が14:00に出ると聞いていたから、それに間に合うように降りようと考えたのだ。そうすれば山荘の送り方に2度手間を取らせなくてすむ。オトコマエではないか。
となると、そうゆっくりもしていられない。早めに着いて温泉で汗を流し、ビールの1杯もブハーッとやってから車に乗り込むってなこしゃくな算段もあったわけだ。
「オーレン小屋で撮りたい草花があるんだけど」
「おばちゃんの歩き次第っすよ」
硫黄岳から夏沢峠を目指す。うんざりするようなガレ斜面の連続をかっ飛んで降りて「前のアタシとアタシが違う」ってとこ見せてくれよう。
ストックを左右にさばきながらガンガンいく。8ビートで小走り状態。
「この分で行けばコースタイムを割れるな」
と勢いづいた矢先、降り始めてものの10分ぐらいで「あれッ?!」
右膝に違和感?!いやな予感。
腿のストッパーはちゃんと効いているのに、なぜ?わけわからん!
右をかばって左で歩くと、どうしてもギコシャコな歩きになる。スピードが落ちる。右膝の違和感がうっすら痛みに取って代わろうというところで、10分オーバーでようやく夏沢峠着。
夏沢ヒュッテの周りの岩の上にズラズラ布団が干してある。そろそろ冬支度が始まっているのだ。9月も半ばを過ぎると日によっては雪がちらついたりする。10月に小屋を閉めると間もなく雪山シーズン。積雪量によっては屋根まですっぽり雪に埋もれてしまうのだ。
なんとか膝の違和感が遠のいてくれるのを期待して休憩を取る。ここまで来ればオーレン小屋まではあとわずか。
が、期待は見事に裏切られる。ガレ場の代わりに、高低差のある下りを降りることになる。
うっすらだったのが明らかな痛みに代わる。痛い右をかばうと今度は左膝に違和感。
オーララ~マイ・ガッ!!!
自分の膝に腹が立てながら、懸命に降りる。またもや10分オーバーでオーレン小屋に着いた時は脂汗びっちょりだった。
休憩時間を惜しんで草花を撮る。ミソガワソウ、サラシナショウマ。どいうわけか草花と対峙していると膝痛を忘れる。因果である。ってかバカ?
「ヤバイっすよ」豆板醤はマジ顔。
決めたらとことん決めたとおりに行動する。あきらめない根性は模範とすべき、見上げたもの。
もうヤケクソ。言ってももう数10分でラストなんである。いたわるというより、「右を打たれたら左を差し出す」勢いでギャンギャン歩く。
当然のことながら右に次いで左膝も痛くなる。「イテテ、イテテ」言いながら歩く。黙って歩けばもっとオトコマエだったろうが、我慢ができない。痛み余って、どうしてもストックに過度に頼る。肩まで変になりそう。頭はとっくに変!
もう時間のことも何もかもすっ飛んで、ひたすら耐えて歩く。
夏沢鉱泉着13:25。
痛みに耐えて、よく頑張った!
慌ててザブンと湯に浸かり、カーッと缶ビールひっかけて14:00発の車に乗り込んだら、即行、意識不明。気がついたら茅野駅だった。
あずさの臨時、横浜線、田園都市線と乗り継いで最寄り駅に着いたころはボロボロ。両膝が痛くて、手すりにしがみつきながら駅の階段を降りた。
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連載 : アラカン編集長モンブランを行く! 記:小玉 徹子