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アラカン編集長モンブランを行く!
ヒマラヤを詠めり-1
2010 / 11 / 22
「もういつ死んでもいい」3840mの感慨
2010年10月31日
成田を発ってから5日目。標高1450mの山村・Shabrubensiシャブルベンシから歩き始めて3日目。3840mの山村・KyanchinGompaキャンジュンゴンパに着いた。
山村の周りに広がる山々は、それまでとは明らかに様子を異にしている。なるほど、世界の屋根ヒマラヤ山塊だ。威風堂々。
理屈抜き「とうとう来たよ!」「ああ、ヒマラヤ!確かにヒマラヤ」の感に打たれる。
眺めるほどにスゴイ!
「ヤラピークに果たして登頂できるかどうかわからないが、登頂できてもできなくても、確かに今ここにいて、眼前にはヒマラヤ山塊が広がっている。この胸が広がるような光景を目にできただけで、それだけでもう十分に幸せ」
雪を頂いた山嶺を眺めながら心底、そう思った。
着いてすぐ、目の前の小さな頂に登った。下りはともかく、登りはキツイ。一足ずついちいち「ぜーはー、ぜーはー」。
なんだか頭もクラーッ!
それもそのはず、ほんの1時間ちょいの頂は、それでも4315mの標高だった。何しろ歩き始めがすでに3840mなのだから。そこからして既に、優に富士山の上をいっている。
登頂手前から降り出した雪は、夕食時になっても止まず、恐らく夜半過ぎまで降り続いたとみえる。
朝起きたらあたり一面真っ白だった。
夜来の雪
止みて朝は静かなり
ヒマラヤ倣い我も化粧す
11月1日
高度順化のため当日は前日に引き続きキャンジュンゴンパ泊。
朝食を済ませたあたりにはもう青空がのぞくほどに天気は回復していた。起きしな、顔が気持ちむくんでいて気になったが、時間経過で収まった。まずまず、万事、順調!
再度、目の前の小さな山に登った。ただし下からも見えるみせかけの頂きではなく、キャンジュンリーの真のピーク4600mまで。心なしか前日よりキツさがましな様な…
頂から村とは反対方向を眺める。
「ああ、ヒマラヤだ!!!」
どこを向いても、実にそう思う。
昼食後、夕食までの長い長い時間をもてあますことなくノンビリ、ゆったり辺りの山々を眺めて過ごす。
ここキャンジュンゴンパはこのあたりLangtangランタン谷では最も高い位置にある村。ここより高いところに集落はない。
だからヨーロッパや時折日本やよその国からのハイカー・トレッカーのベースになっている。そんなハイカーたちを眺めているのも面白い。
ヒマラヤと
丘の間に雲湧きて
小さきかな
人歩きおる
「ああ、もういつ生を終えてもいい」
何度もそう思った。
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連載 : アラカン編集長モンブランを行く! 記:小玉 徹子