アラカン編集長モンブランを行く!

ヒマラヤ雑感-2

2011 / 02 / 25

ヒマラヤで「和」なご飯?!!
「ヒマラヤ・ヤラピーク登頂」
時が経てば経つほど「スゴイことだったなー」と思う。「登るべくして登った」すなわち「実力がそこまで達していた結果だった」というのでは決してなく、いわば「人生のおまけ」、たくさんのプラスの要因が偶然に重なって、奇跡的なできことに集約したのだ。
夢を見た。夢を強く抱いて足を運んだら、懐深いヒマラヤが優しく抱きかかえてくれた。そんな按配ではなかったかと。

そしてまた、それを可能にする様々な状況がそこには確かにあり、それは連綿と受け継がれてきたヒマラヤの「登山文化」だったりもするだろう。我々とともに隊を組んだ現地の人たち、道すがらの村々の人たちの登山者を支える姿勢・態勢は、それはそれはホスピタリティーに満ちている。

1008.jpgカトマンズのラジソンホテルを出発時にはシェルパ4人が同乗しただけだったが、山岳地帯にさしかかると、小さな町々で都度現地の人が乗り込んできて、総勢15人ほどにもなった。

バスの天井に頭をぶつけんばかりのすさまじい悪路を9時間、標高1450mのシャブルベンジに到着するや否や彼らは忙しく働き始める。
我々登山者一行5人のためにテントが4張、張られた。ガイドの本郷さん、飯島さん、Kさんご夫妻、そして私。それぞれが1テントなんだが、ゆうに4人はもぐりこめる大きいテントで、7、8センチは厚みがありそうな敷きマット、厚手のシュラフは中にフリースのインナーが合わせて入れてある。
テント泊2日目か3日目からは湯たんぽも入れてもらった。だから最後のベースキャンプまで「寒くて眠れない」は1晩たりとてなかった。 3014.jpg
10月28日の夕食。副菜の青菜の浸しにはちゃんとおかかが。
何よりも力になったのは、もしかしたら「食事」だったかもしれない。
テント泊初日の夕食はなんと宿泊テントとは別に用意された食堂テントで。テーブルには花柄のクロスがかけられている。
それだけでもビックリなところへもって、サポート隊の4人のコックさんが腕をふるってくれたご飯は、のっけから我々が日本人であることを最大考慮に入れた甘から醤油味の煮付けでまったくの「和」。しかもどこの家庭でも食卓に上がりそうな「おふくろの味」的惣菜だった。それは10日のテント生活間、3度3度毎食続けられた。むしろ「ネパール料理って?」「たまにはご当地料理も食べたいかも」と思ってしまうほどで、「食」によるストレスはないに等しかった。

「モーニン!」
朝テントの外で声がする。
「ティー?ミルクティー?」キッチンボーイがおメザのお茶のサービスを用意をしてくれる。シュラフに足を突っ込んだままちょっと甘いミルクティーを飲み終わるころ

「タトバニー」
小さな洗面器をテント前に置いて、そこに洗面用のお湯を注いでくれる。 3001.jpg
10月29日のお昼。ラーメンですぞ!
3002.jpg
29日の晩ご飯。ちゃんと味噌汁つき!


1001.jpg
シャブルベンジで。すやすやベビちゃんのバスケット。
若いママは吊り布を器用に使って、額で吊る感じ?
「和」テイストな食事、快適なテントライフ。何から何まで、至れりつくせり。当然、それらを支える食材やら道具の数々は荷物にまとめると、とんでもないかさになる。
どのポーターさんも決して大男というわけではなく、むしろ小柄かもしれないのだが、背丈より高くせせりあがる荷物を独自な方法で運んで歩くスピードは、空身のワタシなんかより、よっぽど早い。

荷造りしている彼らを見ていると、なんだか申し訳ない気がしてくる。どうしても必要なテント設営機材や食材などはともかく、我々の個人個人の登山道具バッグだのトイレテントだの、食堂テント、テーブル&クロスとチェア…etc.etcそれら荷物はすべて、我々登山者の快適山ライフのために考慮されたものなのだから。 1007.jpg 1003.jpg





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