編集長!今日はどちらへ?

2013年5月。春雪山堪能!!!

2013 / 05 / 29

GW後半の5月3日から6日にかけては奥穂高岳南陵、5月11日から13日は剣岳八ッ峰と春山山行が続いた。
この時期のこの山がこれほどに大変とは、想像をはるかに超えていた。

奥穂高岳南陵
早朝4時に岳沢小屋を出て同小屋にたどり着いたのが夕方の4時。12時間の歩行。それは大変だった。例年のこの時期よりはるかに雪が多いとは聞いたが、リッジにも岩稜にも雪がたくさんついていて、登るのも怖いが、降りるのはもっと怖い。
南陵の頭あたりで天候が激変し、まるで「冬山」さながら。横殴りに吹き付ける降雪と地吹雪で目も開けられない。
南陵の頭から釣尾根への工程、さらにそこから前穂沢へが気の抜けない緊張の連続、そして前穂沢の急な雪斜面が、それは長い。岳沢へ出た時は前腿が完全にいかれてた。

しかしながら、頑張った甲斐も大きい。
ご覧あれ、素晴らしい奥穂高の素晴らしい雪景色を!!

datin130529_01.jpg 5月3日、岳沢小屋へ。いい天気!

datin130529_02.jpg 5月4日、夜明け前の岳沢

あとは…
どーぞご覧ください。

datin130529_03.jpgdatin130529_04.jpg *画像はすべて篠原ガイドによる。とても撮ってるゆとりはなかったので。黄緑がワタシ。

剣岳八ッ峰上半
前週の奥穂南陵が大変だった、なんてもんじゃあ、ないッ!とんでもなかった。
御前小屋を早朝4時出た。御前小屋への戻りが「夜」の7時48分。ヘッデン着けて、真っ暗な中を、気は焦れども足がヨレヨレで進まず。しまいに「遭難したのじゃないか」と小屋の人たちが何人も迎えに出てきてしまった。申し訳ないです。
かれこれ15時間48分の連続歩行でふくらはぎも腿も乳酸満タンで翌日雷鳥沢へ降りるのも腿がヨレヨレ、室堂への登り返しも死にそうだった。全身、これ、疲労の塊と化し、2週間近く疲れがとりきれなかった。剣、恐るべし!!

5月12日、早朝4:00御前小屋発
御前小屋から剣沢を降りる。夜が明けてきた。

datin130529_05.jpg 長次郎雪渓の途中でひとやすみ。

datin130529_06.jpg 5、6のコル。ここから先のどんな行程になるか想像がついていなかった。同じルートを夏場に行った時のイメージから頭が切り替わっていなかった。

datin130529_07.jpg 夏のルートとは凡そ様相を異にしている。八つの峰が連なっているから八ッ峰。その上半だから第5峰と6峰の間の鞍部、すなわち5、6のコルから第6峰、7峰、8峰と三つの頂を越えていくわけだが、どの峰にも分厚く雪が載っている。しかもグズグズなシャーベット雪の恐ろしく急傾斜な雪壁を攀じ登り、リッジを渡り、あるいは懸垂する。どれだけ怖いか!あまりにも極度の緊張が途切れることなく連続していると、脳みそが痺れて気が変になってしまうんじゃないかとさえ思ってしまう。

datin130529_08.jpgdatin130529_09.jpgdatin130529_10.jpgdatin130529_11.jpgdatin130529_12.jpgdatin130529_13.jpgdatin130529_14.jpgdatin130529_15.jpgdatin130529_16.jpgdatin130529_17.jpg 思い返しても過酷だった5月の春雪山行だったが、奥穂高岳も剣岳も、それはそれは美しかった。何度見返しても見飽きることのない数々の画像。そして脳裏に焼き付いた緊張と恐怖と感動。この春を、私はきっと忘れないだろう。

*画像はすべて篠原ガイドによる。とても撮ってるゆとりはなかったので。黄緑がワタシ。

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