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編集長!今日はどちらへ?
Laos-Climbing2016-[II]
2017 / 01 / 17
2016年12月4日
16年度版トポに新登場のエリアへ行ってみることに。Canyon-LeftとCanyon-Rightの両エリア。
まずは新エリアへのアプローチが第一関門。
ちょっと迷ってなんとかこの先に違いない地点にたどり着いたんだが、ちょうど通りたい道のすぐ脇に牛がいる。しかもデカイ角を有した牡牛が道に尻を向けて佇んでいる。下手に後ろを通って後ろ足の蹄で蹴りでも入れられたひにゃあ、死んでしまうわ。
「石とか投げてみます?」
「下手に当たって、怒らして向かってこられたら大変だよ」
恐る恐る石を牛の手前に投げてみた。動かない。2、3回試してみたがビタとも動こうとしない。
「ダメですね」「違うといこいきましょうか」
頭来た!牛如きにひるんでたまるか?(ほんとに?)
ちょっとデカ目の木の枝を投げてみた。牛からはさほど近くない地点にしか届かなかったが、木の枝は落下点周辺の草を動かし、ガサワサと音を立てた。その音に驚いたのか牛がついに動いた。慌てたように草むらをかき分けて歩み去って行った。
もしかしたら最初から我々の動向を感知していて「わかったよ、うっせーな!」だったのかもしれない。
いつものようにペタペタとクロックスででかけたのだが、これが大きな間違い。第二関門。
牛をやり過ごし、その先の森の中を進んで急な登りに差しかかると、ただちに「アプローチシューズで来るべきだった」と気づかされる。恐らく「妙義より難易度高いんじゃない?」な岩場登りのアプローチ。クロックスで足がズルズル滑って怖いの怖くないの…帰りは、痛いの我慢してクライミングシューズで降りた。
ようやくたどり着いてみればワォ!な光景が。確かにCanyonだわ〜
深く切れ落ちた二つの巨壁の途中に木板で組んだ足場が設置してあり、落下防止に、太くて頑丈そうな鎖で吊ってある。そうそう、トム・ソーヤの世界だよね。峡谷は思ったより深く、篠原ガイドの水のペットボトルがコロコロと足場を転がって、止める間もなく谷底めがけて落ちて行ったんだが、目を凝らしてもペットボトルの行方は見えず、しばらく後に相当遠いところで岩に打ちつけられ、弾け壊れて水が飛散する音が聞こえた。
【トライルート】
5bCanyon-Leftエリア
2.Kim und Stuppi 6a 30m 14bolts
3.Arkanoid 6b 30m 16bolts 1sling
5bCanyon-Rightエリア
8.Bomberman 6b 26m 14bolts
見上げれば左右の巨壁にデカイ岩塊が引っかかるように挟まれている。そのチョックストーンを回り込んだ先が終了点。長いルートだ。トップロープで1テンかかってしまったが、次回来た時はリードトライしたい面白いルートだ。
このルート名最初アルカロイドと勘違いした。どうやらアルカノイドとはブロック崩しゲームの総称らしい。
アルカロイドArkaroidは窒素を含む塩基性の植物成分の総称で。アルカリに似た化合物という意味で、植物塩基ともいう。激しい毒性をもつものが多い。
山に生える植物でアルカロイド系の毒性を持つものの代表格はトリカブトやハシリドコロといったところ。モルヒネなど医薬に使用されるものもある…とか
一字違いでえらい違いなんだが、思いめぐらせばどっちでも行けるとも思った。
出だしから悪い。2手目が遠い薄すカチで何とか取れてもスタンス悪すぎて立てない。第一核心を過ぎても安心してはいけない。いやらしい箇所が数か所現れて相当、悩まされる。私的に言うと6bじゃないね。10c以上、10dかな?な感じ。
ブロックは崩しても崩しても次が現れ、なめてかかると毒にやられる。rでもnでもうなづける手こずるルートというわけだ。
できそうで、できないくて腹が立ってくる。
でもま、次回来た時やりたいリスト入り!!
Bombermanは離陸はなんとかだが次がクラック技でパワー不足でギブ!
ご家族様ご親せきご一統様で行動しているらしい。雌もいれば雄もいて、子供を挟むように歩いている。気づいたんだが、どうもお牛様らは我々人間の存在を熟知しているようで、ふいに近づいたりさえしなければ、むしろ脇の茂みへ退いて道を譲ってくれているみたいなのだ。
少なくとも自分らに「害をなすものではない」と認識しているように見える。
ウシシシ、ステーキにして食われるかもしれないとは露知らず。
怒れる牡牛は怖いが地球上で最も恐ろしいのは人間様なんだぞー!!!
*付記グレードはフレンチグレード。USA規格だと…
5c→ 5.9/6a→10a/6a+→10b/6b→10c/dとなる。
*時間経過で記憶違いなどによる記述内容とルート名との齟齬が生じている場合があります。
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連載 : 編集長!今日はどちらへ? 記:小玉 徹子