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憎いウンチクshow
「桜前線北上中」......ところで桜前線って?
2012 / 04 / 06
いまかいまかと待ちこがれた首都圏の桜が一斉に咲き始めた。「あそびすと」おなじみの桜丘の桜もすぐさま満開に近づき、多くの人の目を楽しませている。
今回はそんな桜の開花に関するおはなし。開花したエリアの北上を伝える「桜前線」について見てみよう。
まず、たいていの気象用語の解説が掲載されている気象庁のHPを確認しても、「桜前線」という単語は「使用を控える単語」としか出ていない。もともと09年まで行なっていた「さくらの開花予想」がそれに類するもので、「桜前線」は報道等が使用を始めた単語だ。
「さくらの開花予想」は、これまでの開花日や気温の動向などのデータを分析し、開花予想日を発表していたもので、その中で同一開花日の地点を線で繋いだり囲ったものを報道では「桜前線」と表現していたわけである(気象庁内では「さくらの開花予想の等期日線図」と呼ぶ)。ただ現在、気象庁では「さくらの開花予想」を発表しておらず(民間気象業社が独自の分析を発表している)、公の「桜前線」発表がなされていないことから、現在は開花予想ではなく「すでに開花した地点」の北上具合を「桜前線」と捉えることも多い。
開花予想を基にした「桜前線」
ではなにをもって「桜の開花」とするのか。気象庁によると、東京都区内の靖国神社内をはじめとする全国59箇所の観測地点(4月6日現在)の桜において、花が5輪前後開いた状態を「開花」、そして桜の木に付いたつぼみが約80%以上開いた状態を「満開」として、それぞれ発表しているのである。
なお、観測に使われるのは主にソメイヨシノ。ソメイヨシノの南限を越えている沖縄・奄美群島はカンヒザクラ、北限を越えている北海道東北部ではエゾヤマザクラやチシマザクラが用いられている。
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