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<春の台風銀座>
とてもとても久しぶりに母の古里に行って来ました。
本州最南端 和歌山県の串本という所です。その名の通り潮岬という岬の根元にあり、東も西も海という小さな町。昔、津波が来た時は波が東から西へ抜けて行ったと聞きます。
リアス式海岸で、東日本大震災の時、津波に襲われた海岸とよく似た変化に富んだ風景です。
私が小さい頃は、親戚それぞれが家族全員で1ヶ月ほど串本に帰郷していました。それほど大きくない祖父母の家に毎日合宿状態。海へ川へと繰り出しては泳ぎ、貝を採り、スイカにかぶりついて また海へ。新鮮なお刺身三昧の賑やかな日々でした。
祖父は戦前、真珠の養殖をしていました。南洋の方でと聞いていますが、残っている真珠は日本の代表的真珠であるアコヤ真珠。でも何故か南洋真珠である白蝶貝を磨いたものもよく置いてありました。
私の名前である もみ はハワイ語なのですが、真珠という意味だそうです。チト分不相応で恥ずかしいのですが、こんな事も起因しているのでしょう。
串本へは名古屋か大阪から回ります。大阪の方がシンプルなので行きやすいのですが、今回は行きを名古屋回りに。紀伊半島をぐるりと回ってみようという事と、ワイドビューに乗ってみたかったのです。
リアス式海岸ですから山が海岸まで迫っており、トンネルを出たり入ったり。良い景色もあっという間にかき消え、なかなかシャッターチャンスをつかめません。
昔はスバルに一家4人、夜中に高速を飛ばし朝の海岸沿いを走ったものです。海キワキワの道はスリルもあり解放感に満ちていました。
ワーワーキャーキャー、煩いのは私たちだけ?
今回は初めてホテルをとりました。昔は小山であった所が開発されて住宅やらホテルやらが建っていました。ここって観光地だったんですね。目の前には橋杭岩という天然記念物が見えます。向かいの大島へ向けて大小の岩が850mほども直線に並ぶ不思議な景色。中にはてっぺんに毛が生えたように草木の生えているのもあります。この辺りは縦にも横にも変化の激しい地形なのです。
昔はあまり行かなかった橋杭岩にも改めて行って見ることに。意外と面白い所です。丁度引き潮でかなり先まで歩くことが出来ました。
それにしてもこの土地の人たちの優しさは何ということでしょう!
"ちょっと" と言われて行くと、もう大ご馳走!基本的にやっぱりお刺身ですが、とびきり新鮮で素朴なお刺身をどーんっと出してくれます。遠慮なんてここでは不粋。自慢のお魚ですからね。
でも1回だけ外でお昼を食べることに成功。なんと鰻ですよ。
奥川に本店があった鰻屋さんだそうですが、今は串本の駅そばにあります。(東うなぎ 0735-62-3398) 串本とは一見何のゆかりも無さそうな同級生に教えてもらいました。
これも素朴で優しい鰻。関西風ですね。丸いので一見丼のようですが、これは丸いお重でした。
奥川は叔母の古里。ここもよく行きました。確かにうなぎを採ってましたね。竹で編んだ魚籠を川に仕掛けていました。よく七輪で焼いて食べさせてもらったな〜。きっとご馳走だったのでしょうが、東京の鰻に慣れた私には小骨ジャゴジャゴのワイルド鰻は衝撃でした。
ここの猫はいつも鰻の肝をもらっていました。骨なんか見向きもしない。贅沢だぁ。
でもあれって完璧に天然鰻。今のはどうなんでしょ。
大島へも渡りたかったのですが、バスの時間が合わず断念。昔は巡航船で行き来していてそれが楽しかったのですが、橋が出来ていました。
それではと、潮岬へ。
串本周辺は台風銀座とも呼ばれます。よく台風の位置を "潮岬、南南東 ◯◯km" と発表されますね。あそこです。
家のつくりも少し違うところがあり、特に雨戸には大きな車が付いています。雨戸を開け閉めする為の小窓が内側にあって、重い雨戸を扱うのには便利ですね。昔は壁にモルタルが塗ってあって独特の匂いが町に漂っていましたが、今は少なくなったようです。
台風でなくても兎に角風の強いこの町。流石、本州最南端だけあって真っ先に海からの風を受けている感じです。
その本当に突先にある潮岬。
"ワー、私が最南端!"
と思ったら、目を凝らすとその先の岩の上に人影が!
相当歩きにくい岩と荒れる海。ここは外海、岩に砕け散る波もかなりなものです。落ちたらひとたまりも無いでしょう。 はい、間違いなく "あなたが最南端"
最後の夜は何とか説得して皆で外へ繰り出しました。何故かお好み焼き屋さんです。みんなに少しはゆっくりして頂きたかったのでね。
始めホテルでと思ったのですが、係りが居ないので分からないとかで予約出来ず、遂に満席でアウト! この "分からない" はこのホテルでは度々遭遇。ここら辺では一押しホテルですが、流石のんびりしてるわぁ。
ということで、お好み焼き屋さんへ。それぞれ好き勝手な注文をして、またまた賑やかに。お互いつまみ合って気兼ね無く楽しい夜でした。従姉妹のお嬢ちゃま2人意外はね。
今晩最後だと知って、段々ションボリの2人。分かる分かる、その気持ち。昔私もお姉さん達に憧れたもんね。
ちょっと残念だったのは、kyokoさんの弟である叔父さんが来れなかったこと。行くって言ってたんだけどなー。外へ行くのは苦手な様。無口で優しい叔父ですが、実は頑固なところはkyokoさんと似ているのです。(似てるのは後半の部分ですよ) 串本人の気質かもしれません。
実は今回の旅は "kyokoさん、弟に会いに行く" がテーマでした。
数年前、叔父が頑張って会いに来てくれました。だから今度はkyokoさんの番。
みんなで食卓を囲んでいる時も猫の心配ばかりしている叔父ですが、きっと喜んでくれたのではないかなと思っています。
3泊4日はあっという間に過ぎて、荷物を纏め(持ってって!がいっぱい詰まった荷物!)いよいよ何時のバスに乗ろうか〜と言っているところに従姉妹から電話。"ちょっと寄って珈琲でも。"
えーっ、あと1時間で列車が出るぅ。
でも折角だからいただいて行きます。お嬢ちゃまたちも待っていると言うし。
流石、串本気質を受け継いでいますね。
結局、発車2分前に駅に滑り込み、またねー! の見送りにちょっぴり熱くなりながらやっと帰途に着いたのでした。あ〜、台風みたいな旅!
帰りはお約束の大阪回り。
なかなか写真に収まらない海を見ながら途中、和歌山市では知人に "和歌山市、通過!"とメール。
帰って来た返事は、"今度は寄ってって!"
仙台から和歌山市に帰郷していた方にも "私は通過!どの列車?"
返事は "一足先に出て空港へ"
みんな実現していたらなかなか帰り着きませんねぇ。
大阪では乗り換えの隙をついて、きつねうどん!まだ食べるのだぁ。
さあて、帰って来ましたよ。何やらウチの冷蔵庫が魚クサイよ♪
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