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<秋の過ごし方>
秋の一日、素敵なミニトリップをして来ました。
何年か前に、トリニティというボランティアに協力するためのバザーで知り合ったフェルケル 寿々栄さん。その寿々栄さんに誘われて茨城まで行ってきました。
この日は生憎の冷たい雨。
さくら坂ビバーチェという本当にイタリアの何処かにありそうなイタリアンでメルカートという青空市が開かれるのです。
青空市ねぇ…。
雨空市となっていまいましたが、ちょっとした丘にあるビバーチェからの景色はトスカーナ?!
意外にも大きく富士山が見えるので、田んぼに水が張られる時季にはモンサンミッシェル?!
the 関東平野な景色は見渡す限り平らで、多摩丘陵住人な私には珍しいものです。雲が低く垂れ込め、煙った景色もまた印象深く楽しみました。
毎月第二日曜に開かれているメルカートですが、案の定この日は人も疎らで 誘われてbijoux outletを出店しましたが芳しくなく… でもとーっても楽しい一日となりました。
ビバーチェはお庭、と言うか自然なままな丘に小道やら小屋やらがあって、そこに彫刻が立っていたりアーチがあったり、手入れしているのやらしていないのやら。こんな感じもとってもイタリアンなのですが、何と言っても兎に角美味しい!
日没と共に閉店なのですが、予約をしないとまず入れないそうです。
確かに日没後では危なくて歩けない所ですね。
メルカートの日はメニューも絞られていましたが、トマトクリームパスタに舌鼓。人が少ないメリットもあるのです。
テイクアウトメニューの、外で焼いているソーセージもかじらせてもらいましたが、これもバツグン!
あ〜、きっとまた行きますよ。
帰りには誘われるまま寿々栄さんのお宅へおじゃま〜♪
行ってびっくり!
ちらほらお聞きしていたものが目の前にそのまんまありました。
それにしても本当に素敵な暮らし。
確かにこの場所でなら "寿々栄さんちメルカート" が出来ますね!BBQもお庭でのコンサートも楽しめます。またまた利益そっちのけで参加しますよ。
敷地の一角に あや絵美術館 という建物があります。
今年92歳で旅立たれたお父さまの作品が展示されていて、もとはアトリエだったそうです。
あや絵は佐賀錦という伝統工芸作家だったお父さまが引退後、佐賀錦の切れ端を使ってアップリケのような絵をつくったもので、造語です。
佐賀錦は金糸銀糸を多用した織りと染めの芸術です。見る角度で違った輝き、違った見え方をするので平面でありながら立体でもある生地なので計算の上、角度を様々に変えて置いていくことにより素晴らしい効果が生まれます。
私は "ケルン大聖堂" という作品が大好きになりました。身長より大きな作品ですがその前でずっと飽きることなく眺めていられます。
太陽の光や影が複雑な建築を浮き上がらせ、沈み込ませ、暖かく冷たく、重厚で寂し気で誇らしげに見えています。そしてずっと下の方に人々が行き交い、ちょっとユーモラスなポーズだったり…
こんなもの置く場所もありませんが、好きだという気持ちに理屈は無いのです。
あや絵の作業はきっと気の遠くなる緻密で根気のいるものだったことでしょう。でも楽しくつくられたはず。
晩年、床から起き上がることが出来なくなった頃、両の手を空で動かし、まるで絵を作っているかの様だったと寿々栄さんは仰います。
!!!
なんと、先日観た創作バレエそのものではありませんか。
先輩であり、2013年.JIKE STUJIOで開催した個展 "MAD Tea Party" (不思議の国のアリスより) でお世話になった BONANZAGRAM。
その定期公演で発表された "1961…閻魔帳の中身"
1961年に起きた日本ニセ札史上最高の芸術品と言われるニセ札事件。結局解決されないまま本物の方がデザイン変更となり今に至る。作った本人は生きていれば90歳くらい。どんな最期を迎えるのだろう。もしかしたらもう起き上がることのないベッドの上で空を舞うかの様に手を動かしているかもしれない。
…!
まるで寿々栄さんのお父さまのようではありませんか。(勿論、手を空で動かすことがです)
本当にそういうことがあるのですね。
その後、ニセ札師はその天才的な指先で閻魔帳の中身を書き換え、すり抜けて行く、気がする。
という何とも小気味良いエンディング。
秋の一日、秋晴れでなくても心もお腹も満足でエキサイティングな日を過ごしました。
私のエンディングはどうなのでしょう?指先を動かしているやら、口を動かしているやら…!
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