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<里山ギャラリーより>
2年に1回のJIKE STUDIO個展も4回目となりました。
青葉台の街中から少し行ったところにある寺家ふるさと村はいつの頃からあったのでしょう。この辺り、昔はみんなこんな感じだったのかなぁと思わせる田んぼや畑、小さな町内会館や消防団。マンションやコンビニやネオンサインも無く広い空の下、生活が営まれています。
こんな懐かしい風景の中、思いがけずハイレベルなギャラリーが存在する意外性。
もしかしたら今はそういう時代なのかもしれません。街中からそう遠くないところへショートトリップ気分で癒され、ゴージャスではないけれど豊かなランチをゆっくり楽しみ、銀座や青山にも慣れ親しんだ目をも満足させるArtに浸る。
ハイファッションは似合わないけれど、心地よく神経の行き届いた、でも地味ではない服を纏い、さり気無いけれど主張のある美しいジュエリーを伴う装い。
3週間の会期中、度々通う内に私の中に入って来た感覚は何かのイメージとなりつつあります。
ため息の出るようなファッションも、最先端の技術も、ピカピカのデパートも、ゴージャスなホテルもすぐそこのあり行く事もあります。それらを知り、咀嚼した上で尚、もっとその様なものから解放され自由になることは大切です。
その事を象徴する少し衝撃的なことは最終日に起きました。
寺家は初めて訪れたというお二人連れ。地場野菜を買ってブラブラとお散歩をしていて見つけたJIKE STUDIO。その佇まいに驚きながらも目に留まったものは、スカイブルーのトルコ石リング。散歩して野菜買ってただけなのに...、でも海外からわざわざ持ち帰った古い車と同じ色の石...、どうする私...。
ここでの判断は自分の価値観から来ます。里山だろうと散歩中だろうと、予告も無しに出会おうとも日頃から培われた価値観により判断することが出来るのです。ブランドやピカピカの建物に左右されず自分の目を信じられることは幸せです。
この事が今回の最後に起きたのは私自身にとっても嬉しく、今出来つつあるイメージを支えるものとなりました。
つくり始めて20年、作品の振り返りご同時に、JIKEでの展示も今回は振り返ってみました。作品は最も大事なのですが、いかにテーマやインスタレーションに夢中になって来たかが分かります。そしてそれを良しとして協力を惜しまないで応援してくださったギャラリーにも感謝なのです。
2011年、"盛装ピクニック"
グラインドボーンのオペラハウスに今も展開されている"盛装とピクニック"という相容れないシチュエーション。
初めてJIKE STUDIOに触れた時の感動は"里山 と 装うこと"の矛盾がグラインドボーンへと繋がり一見相容れないものの融合、実はそこにこそ面白みがあるのでは ということを試みた記念すべき第1回目の展示。
柿畑にテーブルセッティングしてフルコース。蚊に刺されても、雨がパラついても、暗くなっても皆んな帰らないくらい楽しかった!
2013年、MAD Tea Party +
バレエ"不思議の国のアリス"の世界にインスパイアされ、ギリギリのカラフルな世界を表現。毒々しい(本当は安全)スィーツ、唐突に踊り込んでくるバレエダンサー、テントを連想させる仕掛け。この時ほど大変な準備はありませんでした。
天井からのチュールがJIKEの風にゆっくりと揺れ動いて色が交差する様は、全てを吹き飛ばす静かな感動が今でも鮮明に残っています。
2016年、TRAVEL
陽差しに誘われ、JIKE Air Lineに乗ってどこか遠くへ!
五感を刺激する知らない国に憧れて少々オリエンタリズムの展開 (でも本当は都会のオリエンタル)
誤解を招く航空券DM、本気モードのチェックインカウンター、エスニックなフライトご飯、CAまで出現?!
そしてスティールパンの大音量に酔いしれました。
2018年、 mizu
会場を巨大アクアリウムに見立て、水のイメージを展開。お客さま自身が水の中を回遊する魚や揺れるイソギンチャクです。 どうしたらどっぷりと水の中に入ったイメージになるのか?象徴としての空間を満たす水を考え続けました。
普段は中々出来ないほどの贅沢な環境と空間で、楽しみ、必死に遊ぶJIKEの3週間。準備を入れれば数ヶ月。訪れてくださった皆さまを巻き込み、移動サーカスや移動遊園地のイメージで、突然現れ、忽然と姿を消す展示はちょっぴりのさみしさと水の響きを残してどこかへ。そしてまたいつか!
松屋銀座2013 Autumn Collectionの様子はこちら
MAD Tea Party ダンス・ダンス・ダンスの様子はこちら
松屋銀座2013 Spring Collectionの様子はこちら
momi2012 in Wa2の様子はこちら
チャリティーサロンTRINITYの様子はこちら
松屋銀座2012 Autumn Collectionの様子はこちら
松屋銀座 2012S/S Collectionの様子はこちら
ギャルリー ワッツ『えんどうもみ展』の様子はこちら
Gallery O2『えんどうもみ新作展』の様子はこちら
松屋銀座 2011 A/W Collectionジュエリーフォーラムの様子はこちら
前回の企画展『盛装ピクニック』の様子はこちら
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