鉄、この部屋

【鉄道ウンチク】日本一高いところにある駅......なの?

2012 / 08 / 31

先日、出張で富山に向かうこととなった。
個人的には20年ぶりの富山行き、当時はバス旅行だったので鉄道路線では未踏破である。そうなれば上越新幹線で越後湯沢、そしてそこから北越急行のほくほく線を特急「はくたか」でぶっ飛ばして富山入りという黄金ルートを夢想したわけだが、仕事の予定が午前中だったので、いろいろな意味で効率のいい夜行バスによる直前輸送となった。残念。実のところ夜行バスが満席だったおかげで、いろいろな意味で効率の悪い昼行の前日輸送に最終的にはなったのだが、そのときにはすでに黄金ルートの指定席は上越新幹線もはくたかも満席だった。まあ結局のところ縁はなかったわけね。自由席で行けって? いやいや、それは(笑)。

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立山連山の玄関口・室堂
アルペンルートの目玉その1
さて、行きがあれば帰りがある。現地にて合流した部長は、剣岳に登るなど富山往来のプロ。その部長曰く、最短の帰路ルートは「立山を縦断して長野県から『あずさ』に乗る」であるという。そんなことから立山連峰を越えて長野県の信濃大町に出る、あの『立山黒部アルペンルート』を利用した。
立山から、立山連山の登山口である室堂、そして黒部ダムなどを繋ぐこのルートは、ケーブルカーにバス、ロープウェイなどさまざまな手段を乗り継いで扇沢(信濃大町)を目指す。大自然、そして黒部ダムという歴史に残る大建造物を“自動的に見物”(ロープウェイで黒部湖に降りると、次の乗り物まで黒部ダムの上を歩くルート設定)でき、いろいろな乗り物も体験できる。これは一大観光ルートだと感心、感激した次第だが、その余韻に浸る信濃大町までのバスの車中で、部長からこんなひとことがあった。
「室堂って、日本でいちばん高いところにある駅じゃないかしら?」

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放水中の黒部ダム
アルペンルートの目玉その2
立山からケーブルカーで上がったところにある美女平駅。そこから室堂までは「立山高原バス」で移動する。そして室堂から先の大観望までもバスに乗った。これは「駅」ではなくて「停留所」なのでは……と思いつつ調べてみると、室堂から大観望までは「バス」とは言っても、上部の電線から電気の供給を受ける「トロリーバス(立山トンネルトロリーバス)」というもの。線路にあたるものはないが、仕組みは電車と同じであり、日本語訳も「無軌条(=線路なし)電車線」としっかり電車を名乗っている。これは「駅」に認定だと言うことで、改めて見てみるとトロリーバスの室堂駅は標高2450m。線路を走るいわゆる普通の鉄道駅では山梨県にあるJR小海線・野辺山駅が標高1346mで最高点。1000m以上も室堂駅のほうが高いことになる。ここにケーブルカーの発着点を入れてみても室堂駅より高いところは日本国内には存在しないので、「日本でいちばん高いところにある駅は室堂」は正解である、半分は。


なぜ半分か。よくよく調べてみると、“索道”も鉄道の一部だと捉えられるからで、索道とは「ロープウェイ」のこと。ロープウェイの発着点も含めると、長野県にある駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅が標高2612mで日本一高いところにある駅となる。

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標高2450mの室堂駅から
トロリーバスに乗り込む
こんなことを書いていたら、また出張で小海線に乗る機会ができそうになった。ところが野辺山の手前が下車駅……なんとかたどり着けないか画策したいところだが、小海線の本数が1時間半に1本だったりする。それに普通の鉄道の最高点、トロリーバスも入れての最高点、そこまで制覇できたら、千畳敷にも行かなければしょうがない気もしてくる。
駒ヶ岳に登れと言うのかっ。
誠に悩ましい話、である。











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