鉄、この部屋
【No Train,No Life】東京五輪で鉄道整備も動き出す?
2013 / 09 / 13
2020年、夏季五輪の開催地が日本・東京に決まった。祝賀ムードだけではなく、様々な思いもあろう今回の決定について、ここでいろいろと論じるつもりはないし、そんなコーナーでもない。
「20年東京五輪」
この決定事項から適当に(笑)鉄道に結びつけていくってだけである。
さて、そんなこんなで東京での五輪開催。1964年の東京五輪のメイン会場だった国立競技場の建て替えを始め、既存の施設の改修や新設、そして道路などのインフラ整備と、開催までの7年で大規模な都市型工事が行なわれることになる。その中での鉄道の位置付けはどうなるだろうか。
競技会場が集中する予定の台場を通過する既存路線は「ゆりかもめ」と「りんかい線」があるが、どちらも比較的新しい路線だからか改修や新駅の動きはない。会期中はとにかくスゴイ混雑になるのは目に見えているが、“輸送力2倍の車両”なんてものが開発されるはずもない。車両編成を倍にしたりはできないのか、とか考えてみたが、それって電力の問題やカーブが曲がれないとか……いや、その前にホームの長さが足りないのか(笑)。現実的に打てる手はダイヤ調整による増発くらい、なのかもしれない。
こちらレスリングなどの会場となる予定の東京ビッグサイトの最寄り駅、ゆりかもめの国際展示場正門前。
至近にあるりんかい線の国際展示場前と使い分けましょう、7年後に東京都区内での鉄道整備では、20年までに大きな動きがありそうなのが以前も触れたことがある「山手線品川・田町間の新駅構想」だ。2015年に開業見通しの“東北縦貫線(東海道本線と東北本線が直通する)”の誕生により、品川駅の北にある車両基地部分に留めておく東海道本線の車両が減る(東北本線の駅や線路上にいる車両が多くなるため)ことから、その空いた場所を使って新駅を作る、という構想である。JR東日本からの正式発表はまだされていない(9月12日現在)が、昨年1月にマスコミ報道されたものによれば「東北縦貫線の開業後に着工、新駅開業は早くても20年ごろ」とされている。東京五輪開催が不透明な時期での話だけに、その20年に開催が決まれば間に合わせたいと考えるのが普通のところ。“芝浜駅(仮称。当コーナーでは決定までこの仮称を使用する。ちなみに北陸新幹線“ひゃくまんごく”も同様)” の発表、そして完成・開業が早まることを期待したい。
最後に、こちらはまだ雲を掴むような話だが、この五輪による大規模インフラ整備に合わせて話が進みそうなビッグプロジェクトを。
東京の空の玄関口、成田空港と羽田空港は京急・都営浅草線・京成の相互乗り継ぎによって一本に繋がっているが、このうちの京急・浅草線の泉岳寺駅と浅草線・京成の押上駅、つまり現状の浅草線の部分に新線を引き、その途中に“新東京駅”を設置する構想がある。
現状の浅草線はカーブしている部分が多く、さらに停車駅も多いので高速での運転がしづらくなっているが、「途中駅を“新東京”だけにする」、「直線区間を長く取れるように“新東京”は丸の内仲通りとし、他線と交わらない地下50m程度に駅、線路を敷設」するなどして高速化を図るとされている。また、大ターミナル駅である東京駅から“新東京”にすぐ乗り替えられることにより、両空港への利便性も向上する(現状、「成田エクスプレス」がある成田空港はともかく、羽田へは最低2回の乗り替えが必要)。試算によると、羽田―東京が最短22分、成田―東京が37分(ちなみに「成田エクスプレス」で約50分)、羽田―成田が59分(現状の直通電車で約100分)となるそうだ。
それだけでなく、混雑路線として名高いJR総武線や、東京メトロ東西線など、東京と千葉を結ぶ路線の大幅な混雑緩和も期待できる、としている。
都営浅草線の新線と"新東京駅"構想
(関連HPより抜粋)書いていてもなかなか夢のある構想だと思うのだが、当然のところ20年の五輪開催までに完成・開業するような話ではない。ただ、この大規模インフラ整備の中で(言ってしまえばドサクサに紛れて)、話が動いていきそうな予感……いや、動いてもらいたいと切に願っている。
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