BacchusうなぎのBar-Hopping

本日の1杯 vol.6【潮の香りでスコットランドへトリップするレアなアイラモルト】

2009 / 04 / 23

新しいバーを開拓するのは無上の喜びだ。何度も歩いた街でも、注意深く探していると新しい看板を見つけることがある。店の佇まいからおおよそのことは想像がつくものの、ハズレもある。それはそれで面白い体験ができるものだが、気分によっては避けたい日もある。そこで、役立つのが人の紹介だ。自分と似た感性の人に、お薦めの店を聞けばいい。今回は「樽の水」のマスターから、恵比寿の「エピローグ」を紹介してもらった。ばりばりのオーセンティック・バーで、シガーもあるという。そんな話を聞かされたから、昼間からそわそわで、仕事を早々に済ませ、早い時間に直行してしまった。

vol.6_01.jpg 恵比寿駅からほど近い裏路地の地下1階で、入り口から入りやすく、立地は最高。入った瞬間に分かった。当たりだ。暗いが品のいい照明、贅沢な内装、入り口に即迎えに来る店員の所作。打ち合わせ帰りでスーツを着ていてよかった。カウンターは12席で、端に通された。

おお、目の前にヒュミドールがある!しかも、3つ!!!
バックバーに目を移すと、酒のバリエーションが豊富でよだれが出る。ウィスキーも多そうだ。とはいえ、最初の1杯は決まっている。「マンハッタン」だ。

使っているミキシンググラスは細めで、氷を削って入れている。グラスを磨き、チェリーをふたつ皿に入れる。マンハッタンのチェリーをカクテルグラスの中に入れないところがあるが、エピローグもそのようだ。ライウィスキーはオールドオーバーホルト、スウィートベルモットはノイリーを使い、ステアはゆっくりで長め。

カクテルを作ってもらっている間に、シガーをリクエスト。定番銘柄の大きめサイズが揃っている。今日はマイルドなダビドフにしようかなと思っていたが、見た瞬間に「パルタガス セリーD No.4」に決定。ややヘビーでスパイシーなキューバ産だ。隣にお客さんがいる場合は、煙が大丈夫か確認するところだが、本日は気にする必要なし。他に2人のお客さんがいたが、片方はシガー、もう一方はパイプをくゆらせている。なんと濃い店なのだろう。

変わった形のカクテルグラスで琥珀色のマンハッタンが出てきた。バランスが取れており、個々の素材の味が調和していて、美味い。1杯目なので染み渡る。スタンダードカクテルをハイレベルに、あくまでもノーマルに作るタイプのようだ。

感動、とまではいかなかったので、お次は何かウィスキーを勧めてもらうことにした。当然好みを聞かれるので、いつも通り「アイラ」と応える。
アイラとは、スコッチ・ウィスキーの中でも、アイラ島で作られる銘柄のこと。麦芽を作る際、泥炭(ピート)を使うためにスモーキーになる。ヨード臭があるため、初めて飲む人は薬くさいなど、ひどいことをいうが、一度はまると抜け出せない魅力を持っている。

vol.6_02.jpg 出てきたのが、「LAGAVULIN 12Years Vintage1995 for Friends of Classic Malts」。アイラの中でも、さらに癖の強いラガヴーリンという銘柄がある。通常は16年熟成だが、これは12年。過去に何回も飲んだことがある…はずなのだが、ボトルに見覚えがない。
それもそのはず、これはクラシックモルツという特別な会員向けのシリーズで、昨年後半に出たばかり。当然、頂くことにする。

フィニッシュに使ったシェリー樽のフレーバーがあるうえ、アイラウィスキーのパンチが迫力満点。飲み慣れた16年と比べるとマイルドさに欠けるが、かえってフレッシュで味わいがいがある。
いやー素晴らしい!
何杯もおかわりするお酒ではないが、時々思い出すことは確実だ。お値段は2500円也。

高いと感じるか、安いとみるかは、人それぞれ。
カクテルやウィスキーの価格はピンキリだ。600〜1200円くらいがボリュームゾーンだが、300円のところも2000円のバーもある。今回のような限定品を飲むなら、それ以上になる。仕入れ値が普通の品に比べて何倍もするのだから当然だ。

ただ、上限はないことも覚えておこう。一般的な名店でも、カクテルやウィスキーが1杯8000〜1万円するところはたくさんある。オーセンティックなバーではメニューを置いていないところも多いので、さらに注意が必要だ。
こんな時は、遠慮なく価格を尋ねていい。毎回細かく聞いて少しでも安く済ませようとするのは格好悪いが、「とっておきですよ」と言われたからといって値段を聞かないのは怖い。

ショット(30cc)で3万円のウィスキーを出されて会計の時にショックを受けた経験がある。もちろん、その時は笑って払ったが、店からは足が遠のいてしまった。聞いた話になるが、カクテルで最高額はジンフィズで6万円。ここまでくるといかがなものかと思うが、多くはヴィンテージの銘柄を使い、計算するとぼったくりとも言えない感じ。その店の価格帯をすぐに把握し、サイフに合わせて余裕を持って飲みたいところだ。


【バー エピローグ (BAR Epilogue)】
東京都渋谷区恵比寿1-6-3 麻仁ビル恵比寿イースト B1F
TEL:03-3441-3588












連載 BacchusうなぎのBar-Hopping   記:

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