BacchusうなぎのBar-Hopping
本日の1杯 vol.24
【魚介のパエリアとともに紅茶のサングリアを楽しむ】:Spain Bar Refrain
2012 / 02 / 03
夕刻、仕事が一段落すると、やはり街に繰り出したい。通常は美味い飯を食べた後にバーになだれ込むのが寸法だが、最初から美味しい酒が飲みたくなることもある。「美味いめし」と「美味い酒」の双方を一挙となると、案外選択肢が少なくなる。美味しい料理を出すバーも多いのだが、例えば女性と一緒だと1軒目から行くのはいささか躊躇われる。そんなときに、新宿にいい店がある。新宿通りと靖国通りの間、紀伊國屋書店の裏にある「Spain bar Refrain」だ。スペインバルなら、女性にも喜んでもらえよう。
裏路地の階段を下りて店内へ。テーブルのほかに、どっしりとしたカウンターもある。ライティングが明るめで、カフェ営業しているものの、本格的なバーの雰囲気もある。それもそのはず、このRefrainは、2010年10月までバーとして運営していたのだ。10年前くらいから大ファンで、新宿で用事があるときは必ず顔を出していた。レアなお酒も多数置いているうえ、カクテルの腕は高く、一人でもデートでも重宝する。お客さんもたくさん入っており、業態変更のことを聞いたときにはびっくりした。とはいえ、スペインバルのBARは単語からもわかる通り、英語圏のBAR=バーから来ている。スペインでは食事も扱う店のことを意味するが、もちろんお酒も置いている。ちなみに、イタリアではBARをバールと読む。こちらもスペインと同様、お酒だけでなく食事もできる飲食店を意味している。
スペインバルに来たなら、パエリア。Refrainの魚介のパエリアは、たっぷりの魚介が入った逸品だ。飲み物は自家製ジンジャーエールが入ったオリジナルモヒート。ショウガの味が効いて、食欲が刺激される。連れの女性は、紅茶のサングリア。マリアージュフレールのマルコポーロという紅茶を使ったサングリアで、南国系フルーツの香りが華やかなお酒だ。そもそもバー時代のバーテンダーさんの手によって作られる、カクテルのクオリティは段違い。お酒はレシピだけでなく、作る人の腕によって大きく味が左右されるのだ。
生ハムやにんにくなどのスペインの食材を詰め込んだオリジナルスパニッシュチョリソーをつつき出すころには、クララ、ジンジャーモヒートと連続で空けてしまう。クララとは、スペインで定番の飲み物で、ビールをレモネードで割ったもの。爽やかで食が進む。モヒートは、ミントの葉をグラスの中でつぶして、ラムとライム、砂糖もしくはガムシロップを入れ、ソーダでアップしたカクテル。Refrainではここに生ジンジャーを入れ、刺激的な味に仕上がっている。どれも、これも通常のレストランでは絶対に飲めないクオリティ。おいしい食事もいいが、やっぱり美味い酒は幸せになる。連れの女性も、シャンパンヨーグルトや赤のサングリアなどで上機嫌!
満腹になったところで、マーティン・コダックのオルホというお酒を注文。オルホとは、ワインを造る際に出たブドウの絞りかすを蒸留したお酒。フランスではマール、イタリアではグラッパと呼んでいる。とてもドライなので、通常は何かで割ったほうが飲みやすくなる。連れはバロン・マンサニージャという辛口のシェリーを注文。こちらも、トニックで割ったものが人気とのこと。我々はどちらもストレートで楽しんだが。
食事とともにこれだけのカクテルが飲めるのは最高だ。オーセンティックなバーから食事を出すように業態変更するお店は少ないので、レアなカード。バーに慣れていない女性を夜連れ出すときの切り札になる。現在は、FC展開を行っており、新宿本店のほか、新宿南口の「CUORE」、池袋の「CANTARA」、吉祥寺の「Rosado」と快進撃中。品川、目黒方面に出してくれれば、毎日行けるのにとないものねだり。
さて、まだまだ時間も早い。新宿なら、しびれる品揃えのオーセンティックバーがたくさんある。今日も終電までに帰れそうもない。
Spain bar Refrain
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-20-1 嶋田ビルB1F
TEL:03-3354-7590
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