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撮影年月日 |
2013/09/28 |
撮影場所 |
前穂高奥叉白池周辺 |
学名 |
GENTIANACEAE Gentiana makinoi |
科目・属 |
リンドウ科リンドウ属 |
季節 |
秋 |
生育地 |
亜高山帯から高山帯に生える多年草 |
分布 |
本州(東北地方南部から中部地方)。日本固有 |
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思いもかけない「こんにちは!」
「ツボミしか見つからなかった」ってわけじゃあない。このひとはこれで精一杯なんである。図鑑にも「日が差しても花冠はほとんど開かない」と解説がある。
ってか実は、見つけた時は「もっと、ちゃんと開いてるのないかな」と周りを探した。数株あったけど、どれもこんなもんだったから「まあ、いいや、これで。しょうないや」と撮った。それが結果、大正解だったというくだりだ。
前穂高岳4峰正面壁を登るというので28日上高地から徳澤を経て奥叉白池に上がった。テント泊のことで、分担が最も少なくはあったのだが、それでもやっぱり荷物の重さが肩に応えた。
徳澤から歩くこと5時間ちょい、泣きべそかきながら、めちゃくちゃ不規則な急登を登りきると神秘を湛えた小さな池のほとりにたどり着いた。
山々は既に秋の様相で、池の周りも秋色深まりゆく気配の中、池のほとりの草むらに、ただオヤマリンドウだけが花を咲かせて控えめな華やぎを添えていた。
荷を下ろすとすぐに、撮りに行った。数時間して別のパーティーが上がってきた。男性3人、女性が1人の4人パーティー。うちの女性は、池のほとりを歩いていて目ざとくオヤマリンドウを見つけて、荷も解かずにすぐに撮っていた。
「同じことしてるー」
同族がいて、なんだか嬉しい。
けれども「花は、そこのがきれいだけど、株の大きいのは池のあっち側だよ」
とは伝えなかった。きっと「彼女」なら行けばわかることだという気がしたから。
しかし、そのパーティーのリーダーが知り合いと分かった時は、びっくりした。そういうことって、山では案外ある。「その時期には、どこそこの山のあのルートがいい」というような条件下で、同志同種の類が出くわすのはそう珍しいことではないのかもしれない。
そうはいっても、思いがけない遭遇は、それはやはり心嬉しいものには違いない。
花期は8月から9月。
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