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ミヤマアケボノソウ


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撮影年月日 2015/08/19
撮影場所 南八ヶ岳、大同心基部から小同心基部にかけての草地 
学名 GENTINACEAE Swertia perennis ssp.cuspidata 
科目・属 リンドウ科センブリ属 
季節 夏 
生育地 高山帯の草地に生える多年草 
分布 本州(早池峰山、北アルプス、中央・南アルプス、八ヶ岳)。日本固有 

感謝!千載一遇、一期一会!!

南八ヶ岳大同心の基部から小同心の基部にかける草地でたくさん見つけた。

南八ヶ岳小同心クラック・バリエーションルートを登りに行った。
前日は奥武蔵の阿寺の岩場の「岩稜帯通過」トレーニング講習を受講し、夜7時過ぎに美濃戸口の八ヶ岳山荘に着いた。翌早朝5時集合で赤岳山荘まで車で上がったとはいえ、赤岳鉱泉経由で大同心稜の急登を詰め大同心の基部にたどり着けば、とんでもなく汗だくで先が思いやられた。
小休止の後、小同心の基部へのトラバースで、ふと目をやった先にミヤマアケボノを見つけた時は思わず叫んでしまった。
「何!これ〜?!」

汗だくのへとへとが吹っ飛び、人生の苦難が砕け散って雲散霧消する瞬間だ。
素晴らしくクラシックかつシックな黒紫色していて、そのいでたちは高貴でさえある。この時ばかりはカメラ精進の足りなさが悔やまれる。むっとむせ返る夏の日差しをものともせず、なんとも高貴なエーテルを放ち、周りの草いきれを清浄している。そんなこんなや、出会いの感動や、それらミヤマアケボノの全ての世界を写し出す術を知らない。

一株見つければ、目がその目になり、次々と点在しているのを見つけた。
美しい!
「撮っていいですか?」
まだこれからが本チャン、小同心クラックのマルチピッチクライミングだという時だが、どうしても撮りたかった。「帰りは撮れるかな?」は、大概は何らかの理由で撮れないことが多い。時間が押したり、ゆとりがなかったり、思いのほか順路が違えたり。

小同心クラックの終了点から横岳山頂へ抜け、大同心の真上辺りからガレたルンゼを下った。靴下で砂礫粒がズルズルざれ落ちる礫地には、踏まないように歩くのに苦心するほどたくさんのコマクサの幼株が群れていた。
不規則な岩地をやり過ごした先の草混じりの岩稜帯にびっくりするほどたくさんのミヤマアケボノソウを見つけた。
いちいち「ワー」だの「オー」だの言わずにいられない。

このクソ暑いのに、よりによって汗かきベソかき登ったればこそ、しかもいつまでたってもヘタクソなれど、曲がりなりにも岩をたしなめばこその出会いもある。「山続けててよかったな」しみじみ思った。

「センブリ系とじゃないかな〜」
帰って図鑑を開いたら、その通りで、それもまた嬉しかった。

花期は8月から9月



記:2015-08-26