「ロンドンパラリンピック閉会式」という祭り
英国・ロンドン
世界最大のスポーツの祭典が幕を閉じた。オリンピックに続いて行なわれたロンドンパラリンピックは、史上最多となる164の国と地域から約4300人が参加。残念ながら日本ではまだあまり放映されないパラリンピックだが、開催地ロンドンでは大盛り上がり! テレビ中継は“チャンネル4”が400時間以上放送、観戦チケットは過去最多の240万枚以上を売り上げるなど、市民の関心も高く、多くの人が連日会場を埋め尽くした。
日本選手は今大会、金5、銀5、銅6の計16個のメダルを獲得
ゴールボールの日本チームは、
パラリンピックの団体競技で初めて金メダルを獲得!開会式での選手たちの顔は闘志にあふれ、会場も心なしか緊張感が漂っているようにみえたが、閉会式ではすっかりお祭りモード。12日間の熱戦を終え、ベストを尽くした選手たちの顔にも笑顔の花が咲いた。閉会式のタイトルは「炎のフェスティバル」というだけあって、選手らの熱い戦いを再現するかのように、火花や炎が至るところから上がった。四季をイメージした演出で、『コールドプレイ』や『リアーナ』など有名アーティストがパフォーマンスを繰り広げ、観客も選手らもノリノリ。まるでコンサートのようだった。
閉会式で国際パラリンピック委員会会長は、障害者スポーツの競技性の高さに注目し「各国は福祉の分野ではなくスポーツとして強化に取り組むべき」と話し、約8万人の観客は大会の成功や選手の活躍を称えた。その大会成功の影には、観客の熱い応援もあげられるだろう。どの競技にも多くの人が観戦に訪れ、手拍子や声援がこだまし、会場内はまるで揺れているようだった。多くの日本人選手が「こんな大声援の中、初めて戦った。本当に嬉しかった」と話し、他国の選手にも送られる温かいエールに感動し、闘志に変えた。
各国、応援にも力が入ります。
こちらはアイルランドですね記者たちに聞いた「面白かった競技」。意外と言っては失礼だが「ゴールボール」と「ボッチャ」だった。視覚に障害のある選手らが目隠しをして、ボールの中に入った鈴の音を頼りにゴールを守ったり点数を取るため、会場では「シーッ」と、静寂が求められるゴールボール。息を飲むような緊張感が漂う中、ゴールが決まった瞬間に「ワーッ」と会場が沸き、一体感が生まれヒートアップ。会場の観客らも口を揃えて「観戦前は競技自体、知らなかったけど、ハラハラして面白い」と大興奮だった。
「知らない」競技も観戦するとわかる楽しさ。私も取材を通じて、ボッチャの心理戦、猛スピードで走る車椅子マラソン、迫力満点の車いすバスケなどの魅力に気付いた。選手たちは様々な競技を多くの人に知ってもらうためには「自分たちが活躍しなければならない」と口を揃える。そして、東京の五輪招致は、多くの人にパラリンピック競技を身近に感じてもらうきっかけになるのではと期待を寄せている。
両足義足のランナーとして初めて出場したオスカー・ピストリウス
(Photo by 武田敏宏)
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