【朝食】ひと瓶8ドル、ねっとりツヤツヤなハワイ島の贅沢バター
ハワイ・ホノム
「ハワイ島の東側にあるヒロという町が、いつも私がハワイへ行ったときに拠点にする場所だ。」
ムコ殿の旅は、かなりの確率で何かの本がきっかけになることが多いのですが、今度の旅も、奥さまが買ってきた『ハワイ島アロハ通信』(筑摩書房)から始まりました。
イラストレーターでエッセイストでもある平野恵理子さんが、何度も何度も足を運んだハワイ島について書かれたこの本。まるで自分のふるさとの話でもしているかのような、じわ〜っと温かいイラストとエッセイの数々にムコ殿はすっかり心奪われたのでした。
大自然と日系人が築いた素朴な街並みを味わいに、ビッグアイランド・ハワイ島のヒロで休暇を過ごすプランがあっという間にできあがったのはいうまでもありません。
リリコイのほかに使われているのは、マーガリン、砂糖、そして卵だけという潔いほどのシンプルさ
そんなハワイ島で、お世話になったプライベートツアーのガイド・ジュンコさんに教えていただいたのが、地元の人が愛してやまない、そして日本ではなかなか手に入らないあるハワイアンフードでした。
「パンにつけたりヨーグルトにかけたり、とにかくこれがないと1日が始まらないの!」
と、彼女はそれをムコ殿たちに食べさせるべく、わざわざ寄り道までしてくれたのです。
夕暮れ時にやってきたのはヒロの町からもほど近い、ホノムという小さな小さな田舎町。映画の原作になった『ホノカアボーイ』(幻冬舎)で、主人公がアイスクリーム屋さんの看板娘にひと目ぼれして......と書けばピンとくる人もいるかも。
毎朝甘く匂い立ったリリコイバター(3週間で完食!) さて、ジュンコさんおすすめの一品、いや逸品は、ホノムの小さなパン屋さん「Mr.Ed's Bakery(ミスター・エドズ・ベーカリー)」の「リリコイバター」。
町の小さな食料品店、そんな趣の店内には色とりどりのジャムが詰まった瓶がずら〜りと並び、ざっと数えても100種類近くあったはず! その中からジュンコさんが迷うことなく手に取ったのが、素朴なオレンジ色をしたリリコイバターでした。
ハワイの人はパッションフルーツのことを「リリコイ」と呼んでいて、リリコイバターとはハワイ産のリリコイを使ったジャムのようなもの。お店のオーナーのエドさん(彼がまた味のあるオヤジさんで!)に試食をさせてもらったのですが、ハチミツのようなねっとりとした食感&甘さと、ちょっぴり感じるリリコイの酸味がとってもやさしくて、この深〜い味わいは日本では食べられませんね。ハワイの恵みがたっぷり詰まって、ひと瓶たしか8ドルくらいでした。
左、いろんなフルーツのジャムを試食させてくれたオーナーのエドさん。パッケージの似顔絵そのまま
右、店の壁を埋め尽くしていたジャムたち ハワイのスーパーで買ったパンとはもちろん、日本に持ち帰ってからもムコ殿の愛する「超熟」との相性も完ペキ。毎朝、瓶のフタを回し開けるたびになぜだかハッピーな気分になれたのは、甘い香りと一緒に、ヒロやホノムに流れていた穏やかな時間が詰められていたせいかもしれませんね。
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