【年末年始あれこれ】夢を託そう! リマの祈願市
ペルー・リマ
リマの年末年始の風物詩といえば、この「フェリア・デ・ロス・デセオス」だ。「デセオ」は「願い」という意味なので、さしずめ「祈願市」といったところだろうか。これはボリビアやプーノといったアンデスの高地で古くから行なわれている「アラシータ」という祭りがリマに伝わった、というか山を下って進出してきたもので、今年で15回目を迎える。そのため売り子たちのほとんどはプーノ出身者。普段は欧米とさして変わらぬコロニアルなペルーの首都リマだが、この市の期間だけはまるまると肥えたアンデスのおばさんたちがこまめに動き回る様子が見られる。
日本でもお馴染みの福の神エケコ人形。
こちらのエケコ様は金歯まで差している豪華版願い事の市とあって、屋台にはずらりと祈祷用の小物が並んでいる。お金、仕事、家、車、健康、恋愛関係に授産祈願と、ここで叶えられない夢はないらしい。例えば「自分の店を持ちたい」という向きには、希望する店のミニチュアに祈願してもらう。「Farmacia (薬局)」「Libreria(本屋)」「Mini Market(コンビニ)」「Restaurante (レストラン)」など、ありとあらゆる商売に対応しているようだ。
その中で、「ブティック」の綴りが「Butik」になっているのを発見してしまった。ペルーでもフランス語の「Boutique」をそのまま使用するのが一般的なはずだが……。いや、スペイン語的に綴ればあながち間違いとは言えないか。何よりも大切なのは、願いを叶えたいと思うその気持ちだ。それにアンデスの神様にしても、外来語で表記されるよりわかりやすいかもしれない。
これであなたも一国一城の主に!
どの店もミニスカートの店員さん付きのところがラテンらしい友人の子供がもうすぐ誕生日だったので、店の人に「子供向けの学業祈願はないか」と尋ねたところ、金色の台座に乗った少年の人形を店の奥から出してきてくれた。台座には人形のほかにお金と家、車や食べ物までついている。学業祈願なんだから本や辞書だけでいいと思うのだが、どうやらこれは「勉強して立派な人になって、お金持ちになるように」という未来志向の人形らしい。子供の名前を伝えると、その名を唱えながら人形に聖水を振りかけ、ちりんと鐘を鳴らしてお祈りをしてくれた。これであの子の将来も安泰だ。お金持ちになったあかつきには、ぜひ私のことも思い出してもらいたいものである。
ちりーん、ちりーん!
プーノから来ているというおじさんにご祈祷を依頼。
効果がありますように!
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