【年末年始あれこれ】年末年始の過ごし方いろいろ――花火でしめるか、雑煮で満たされるか
札幌・フィンランド
年末年始をどう過ごすか、1年をどう締めくくり、新たな1年をどう迎えるか。これは非常に重要だ。
と思っていたら、フィンランドの年末年始は、非常にあっさりしているのだった。こよみに対する感覚が違うからか、一大イベント・クリスマスに力を入れすぎて年末年始には脱力してしまうからか。大晦日の夜、自治体による花火大会(夏のフィンランドは夜明るすぎて、花火がよく見えない。フィンランドでは花火は冬の風物詩なのです)とカウントダウンイベントが開催される他は、年越し特別料理もなくあっさりと新年を迎える。そして、1月2日から人々は仕事や学校に戻る。
1年の最初の日ですよ、元旦だよ! と、日本的年末年始感を持つ私は思うわけだが、フィンランドでは1月1日は単なる祝日の域を出ない。これには1年が終わらないような、始まらないような気がするのだった。
やっぱり日本の正月はこれでしょう。
おせち料理でありますところで、その「年末年始感」とやら、いったいなんぞや? とフィンランド人に問われた。ええと、こんな感じです。クリスマス過ぎると、街中の広告が年末年始版にかわり、デパートのおせちコーナーはいっそう華やぐ。年始用装飾品が店頭に並ぶ。そろそろ忘年会はおしまいとなり、仕事おさめ一直線。家も大掃除でピッカピカになり(このへんは理想像)、テレビ番組はだんだん特集ものが増えて、最後のしめは紅白歌合戦とゆく年くる年除夜の鐘。寝床に入れば、新しい1年への抱負も浮かんで来ようというものだ。そして、元旦の朝お雑煮のもちを食べて、届いた年賀状をめくりつつあれやこれやと友人知人に思いをはせて……ああ新しい1年であることよ、と気持ち新たに満足感にひたるのだ。わかんないかなあ、この盛り上がり感。
と熱く語っていると、友人Nの大晦日は、ひたすらお気に入りDVD鑑賞で、紅白歌合戦どころかテレビをまったく観ないと言う。友人Cは、いつも大晦日には寿司を食べる習慣で、年越しそばを食べたことがない。フィンランド在住歴21年のAさんは「年末年始といえば花火ということになってしまいました」と言うし、何を隠そう(?)この私、今年が初詣初体験なのだった。
雪に埋もれんばかりの札幌の初詣それぞれに、それぞれの年末年始。この時期にはこれをしないと落ち着かない、文化って習慣なのかもしれない。ただし、年明けから始まるバーゲン(フィンランドでは、クリスマス後のバーゲンが、年明けから本格化する)に盛り上がるのは、日本もフィンランドも同じ。
え、私だけ?
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