【魅力的な建物】美しきアフリカ大陸の「ノートルダム」教会堂
アルジェリア
アルジェリアの首都であるアルジェには、実に美しい建物が多い!
長らくフランスの海外県だったのもその理由でしょうが、伝統的なアルジェリアの建築と相まって、更に磨きがかかった印象です。
中央郵便局グランポストは、比較的地味な外観をしています。しかし、一歩中に入れば、天井装飾の美しさは息を呑むほど。
個人の邸宅が復元されたミュゼバルドーは、アルジェリア建築の見本的存在ですし、フランス大使館をはじめとした各国大使館の公邸もまた、伝統的なアルジェリア建築です。アルジェ大学のあるディドッシュムラット通りは、白い瀟洒なビルが競い合うように群れ建ち、ここがアフリカだということさえも忘れてしまうのです。個人的に、アルジェはチュニスよりもパリよりも素敵だと思っています。
中でも私が一番印象に残っていて、かつとても好きなのが、ノートルダム教会堂。ダウンタウンから少し離れた高台に、地中海を見下ろすように建つ優美なカトリックの聖堂です。
1987年の完成と言いますから、かれこれ150年近い歴史がありますね。2003年の大地震で被害を受け、2007年から2010年にかけて修復工事がされました。
砂漠の砂のような、またはコンデンスミルク(練乳)のような、淡い黄色の外壁は、太陽の位置や季節によって、その色合いが微妙に変化して味わいがあります。
外観に比べて内部はとても小さい印象を受けるのですが、ステンドグラスや壁画も美しく、小型ながらパイプオルガンも設置されています。そのパイプオルガンのコンサートなど、概ね一年に一度、アルジェにある欧米大使館が何某かのイベントを催してくれます。
祭壇真上のドームには、アルジェ郊外にある世界遺産ティパザで発見されたモザイク画も描かれ、また、祭壇後ろの壁には、「アフリカの聖母は、私たちのため、イスラム教徒のために祈ります」と書かれています。
イスラム圏アルジェリアで、キリスト教の教会堂が修復され、今も人々に愛されている。なんとも不思議な気がしますが、それがアルジェリア人の懐の大きさでもあるように思えます。
建物周りの地面はコンクリートで覆われているのですが、丘の中腹に建っているのと、オリーブの巨木が木陰を作ってくれるのとで、夏の照り返しの中でも涼やかな風が吹き抜けていくのです。
Tweet |