【魅力的な建物】森、湖、そして静けさ:フィンランドのサマーコテージ
Vuonislahti・フィンランド
コテージライフと言っても、日本の別荘ライフとはちょっとわけが違うのだ。
コテージライフをこよなく愛するフィンランド人によると、理想のコテージとは、まず自然の中にあること。例えば、森や島。フィンランドのコテージライフは、「静けさ」「純粋さ」というイメージから、コテージでのアクティビティーまで、自然と密接に結びついている。
それから、湖や海のそばにあること。こちらは、コテージにつきもののサウナに必須。サウナでしっかり汗をかいたら、そのままハダカで湖にじゃぼん。しばらく泳いで体を冷やす。十分冷えたら、またサウナへ。そして再び湖。これを何度も繰り返す。究極の血行促進メソッドだ。伝統的スタイルのコテージには、水道設備がないことも多いので、塩分を含まない湖の水は重要な水源にもなる。湖から直接水をサウナにひいて、身体を洗ったり洗濯に使うのだ。ちなみに、サウナは電気サウナより薪サウナが理想的。サウナの蒸気の質が全く違うそうだ。
コテージライフのアクティビティーは、森と湖あるいは海が中心。森ではベリーやきのこ摘み、ピクニック、のんびり散歩。湖や海では、カヌー、ボート、釣りや水泳、子ども達の砂遊び。サウナの後に、ビーチでバーベキュー。
コテージ生活を整えるのにも、かなりの労力を費やす。水道がなければ、湖や井戸から水くみ。サウナに必要な薪を割る。コテージやサウナを改装する大工仕事も、都会でなかなか大工仕事の機会を得られない人達にとって大切な時間だ。ガーデニングで、オーガニック野菜を育てる。そして、トイレはたいてい建物の外にあるから、トイレまで歩くことだって、都会の生活じゃ考えられない運動だ。休暇中にどうしてそこまで?と思わないでもないが、フィンランドのコテージライフでは「生活の過程」を楽しむのが理想らしいのだ。もちろん、静けさの中で読書して過ごしたり、創造的仕事の場にしている作家や芸術家も多い。
写真のコテージは、ヘルシンキから車で7時間のVuonislahtiという小さな村にある。コテージ主のご両親が、地元小学校の先生をしていた時に建てたものだそうだ。彼女は、毎年5月下旬から8月中旬までのコテージで過ごす。コテージに行かないと夏が来たような気がしないというのだ。フィンランドのコテージライフは、夏そのものなのかもしれない
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