【素晴らしき世界と日本の川と河】レトロな世界へ!日本橋川
東京・中央区
東京の日本橋と言えば、証券会社、銀行、有名デパートがある有名な場所ですが、その橋の下を流れる川の名前を知る人は少ないでしょう。その名も「日本橋川」な〜んだ!というのは私だけでなく、みんなの一致した反応でしょう。しかし、その歴史を知れば知るほど、風光明媚な他の河川とは一線を課した異なった魅力が見えてきます。
この日本橋川は神田川から分岐して隅田川に合流する川で、れっきとした荒川水系の一級河川です。江戸時代初期から何度も水利工事が進められて物資運搬に使われたため、川の周辺はよく繫栄してきました。現に、この日本橋川は皇居の内堀のすぐ近くを通っています。東京湾(当時の東京湾)から江戸城に物資を運ぶのに使われました。明治初期には岩崎弥太郎が三菱商会(現在の三菱商事の元祖)を近くに設立し、同じころ渋沢栄一は日本の最初の民間銀行、第一銀行(現在のみずほ銀行の一派)を設立したのも、このあたりでした。またこの近くは魚河岸市場の発祥の地ですが、1923年の関東大震災で壊滅し、現在の築地市場に移ったため、今は発祥の地が橋のたもとにあるだけです。
川には多くの橋が架かっていますが、日本橋が最も知られているのは、日本の道路元標にもなっているからでしょう。古くは江戸時代から、お江戸日本橋とよばれ、東海道五十三次の終点となっていました(起点は京都三条大橋)。現在も、地図などで、東京から〇〇〇kmなどと記載があるのは、実は日本橋のここを起点としているのです。
日本橋川のふもとにはクルージングの発着場があって、日本橋川、隅田川など色々なグルージングが楽しめます。予約も必要なく、天気が良く、気が向いたときに乗れるのが人気で、特に日曜や祭日は多くの観光客でにぎわっています。ガイドが川や周辺にまつわる歴史やいわれを説明してくれます。最近では水上オートバイ(ジェットスキー)を楽しむ若者の姿が目につくようになりました。
日本橋川の真上ほぼ全域に首都高速道路の高架橋が走っています。これは1964年、東京オリンピックの年から徐々に開通した首都高速です。これが川や橋の景観を損ねているとの批判があり、国交省と東京都はその部分の首都高を地下に移設する方針です。現在計画段階で、はやくても2020年の次回オリンピックの後に工事を着工する計画ですので完成はいつになることやら。いずれにしても日本橋川を覆い隠している高架橋がなくなった時のクルージングを楽しみです。
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