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冬にそなた、なに買った?
イヴは鯉のブルー煮で
オーストリア・ウィーン
ツリーが眩しい!
24日のイヴは家族だけで過ごす大切な日。午後プレゼントを交換したり、本物のモミの木を買って来て飾りつけをい終えたら、ツリーのそばでクリスマスソングを家族で歌ったりする。厳格なカトリック信者の家だと、お父さんが聖書を読む。そして凍てつく中を深夜0時には教会へ行き、祈りを捧げるのが信者のクリスマスイヴの過ごし方だ。
さて、皆が楽しみにしている夜のメインは鯉のブルー煮。鯉は市場の魚やでまだ水槽の中で泳いでいるのを指差しで選ぶ。威勢のいいおじちゃんが、そーれと「まな板の上の鯉」に大きな包丁で一撃してから内臓とうろこを取ってくれた。
「今日は鯉を食べて、明日のクリスマスは七面鳥とか普通の鳥の丸焼きですよね?」と打診したら、ニコニコ笑いながら、そうそうと満足気にうなずいてくれた。
どうしてブルー?とお思いだろう。白ワイン入りの酢250ccを入れて約2リットルの湯で煮ていくと、不思議と鯉が本来の青さを取り戻していくのだ。出汁としては玉ねぎと月桂樹の葉っぱを3枚ほど、セロリ、塩、黒胡椒は挽きたてを使う。
冷蔵庫に眠っているくず野菜を入れて煮ていく。年に1回のこと。鯉が1匹すっぽり入る鍋、鍋とキッチン中をひっかきまわして、やっと見つけたのがオーブン用のバット。深さがあるので煮崩れしないで調理できるすぐれものだ。
陽気な魚やのおじちゃん
ほら、生きのいい鯉だよ?
ゆで卵とマヨネーズ、玉ねぎのみじん切りをあえたもの、西洋わさびを30グラムほど擦ったものと混ぜ合わせて、ほくほくのジャガイモにパセリのみじん切りを散らしたコンビネーションは絶妙。私はレモンを輪切りにして、レモン汁を時々かけてみたりする。
鯉は1.5キロ以上の重さでないと何故か味が悪いといわれる。2年前のスーパーで買ったものは、やたらと脂っこくて辟易してしまった。今回、失敗は許されぬ!とばかり、意気込んで市場で選んで正解だった。あっさり味に仕上がって素晴らしいクリスマスディナーになったからだ。
鯉を中火で煮込んでゆく
ブルー煮の出来上がり
デザートはこれもクリスマス定番の焼きりんご。真中の芯をくり抜いて、酸味のきいたジャムを入れバターを少々落してオーブンで焼く。皮ごと食べられて冬の味がする。
こうしてオーストリアの中でも最も大きなイベントであるクリスマスイヴが終わった。まだ25日、26日と祭日が続く。
明日のクリスマス、25日はローストチキンのシェリー酒かけにするか?
ライトアップされた歩行者天国
サンタのオブジェ
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特集 : 冬にそなた、なに買った? 記:パッハー眞理 2009 / 01 / 09