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冬にそなた、なに買った?
メタボに糖尿、なんのその。ペルーの聖夜は、甘い甘い夜。
ペルー・リマ
クリスマス前数週間分のスーパーの広告。
肉・肉・肉のオンパレード。
カトリック教徒が9割近くを占めるペルーでは、12月24日はキリストの生誕を祝うとても大切な日。午前零時になると、ナシミエントと呼ばれるキリストの生誕場面を表した飾りの中心に赤ちゃん人形を置き、キリストの誕生と家族の幸せを祈って乾杯!まるで除夜の鐘を聞きながら新年を待つ、日本の大晦日のようだ。しかし違うのは食事の量。年越しソバを軽く一杯という日本に対して、これでもかという量を準備するペルーのメタボ、いや、クリスマスディナー。今年もその時がやってきた。
スーパーに並ぶ七面鳥や丸ごとの冷凍子豚。子豚の顔がなぜかほほ笑んでいるのが物悲しい。牛や豚、鶏肉が塊で売られ、その横には、手足はあるが首なし状態のうさぎ肉、子羊やクイというアンデス地方で飼育されるモルモットまである。
アンデス出身者には、七面鳥よりクイのほうが好まれるのかもしれない。ちなみに、家庭のオーブンに入りきらない巨大七面鳥を買ってしまっても大丈夫。この時期、近所の鶏肉料理屋やパン屋に持っていけば、丸ごとこんがり焼いてくれるのだ。
この他、様々な味付けをした米料理にラザニアやラビオリなどのパスタ類、サラダ、パン、ハムやチーズなどのおつまみに、ドライフルーツやナッツ類など。ああ、想像しただけでもうお腹がいっぱいだ。
安からに眠る子豚ちゃん。
やっぱり笑ってるように見えて仕方がない。
炭火で4時間もかけてじっくり焼いた七面鳥は、
ジューシーで最高!
そしてクリスマスに欠かせないのが、パネトン。レーズンやドライフルーツがいっぱい入った甘いパンで、オレンジ風味やチョコレート味のもある。毎年新製品が出るので、スーパーのパネトン売り場で「今年はどれにするか」と悩むペルー人の姿も、この時期の風物詩だ。今年は全粒粉を使ったダイエットパネトンや、ジャガイモの粉で作ったPapaneton(papaはスペイン語でジャガイモの意味)まで登場した。ジャガイモ原産国のペルーならではの商品だ。
今年の新作チョコチップとオレンジピールのパネトン。
そしてホットチョコレートは欠かせない。
そしてパネトンと一緒に飲むのは、甘いホットチョコレートと相場が決まっている。パネトン自体が甘いからと気を利かせて、コーヒーなど間違っても出してはいけない。そんな組み合わせは、ここペルーではあり得ないのだ。
甘いパネトンを食べながら甘いホットチョコレートを飲むと、あら不思議!パネトンの甘さが抑えられ、いくらでも食べられてしまうから恐ろしい。
以前は「こんな甘い物を」とバカにしていた私も、今年用意したのはやはりホットチョコレート。これじゃメタボではなく、糖尿病?
とにかくこの量と糖分の過剰摂取には要注意だ。
そう言えば、大のパネトン好きの友人アルベルトに至っては、毎年ディナーが待ち切れずに、夕方からすでにパネトンとホットチョコレートを食べてしまうらしい。もちろん零時になるとまた食べるのだそうだ。彼には来年こそ健康診断を勧めようと誓った、そんな2008年の聖なる夜だった。
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特集 : 冬にそなた、なに買った? 記:原田 慶子 2009 / 01 / 09