• ヘルプページ
• お問合せ一覧
• サイトマップ

ほぼ日本の今の今が語られる。

「そも不良債権とは？」「なぜ膨れ上がったか」「どう処理されようとしているか」そして政財界に巣食うやからが「どんなふうにうごめいているか」、それらの絵解きを主軸にストーリーは展開する。

ストーリーそのものも、人物、人間関係パターンもいたってシンプルだがら、およそ感情を動かさずに読み進める。

経済だの金融だのにまったく疎い者でもじゃんじゃん行ける。

読み終わった頃には、ちょっとぐらい長すぎる「説明台詞」を斜めに飛ばしたとしても、不良債権について、経済について「分かった」ような気にさせる。

下手な手引書よか断然分かりやすく、面白く、そして何よりも生々しさが伝わるのは、まさしく国際金融市場の「現場」を知り抜いた作者の腕力に負う。

「人生は虚しい」とがっかりしている向きは是非一読。

ちょっとばかり不平不満があろうとも「そこそこ生きていること」の功徳を納得する。