勝手に読書録

縦走路

039.jpg

作者名:新田 次郎
ジャンル:山岳小説
出版:新潮文庫

縦走路(新潮文庫)


誰がメインキャストで、何のお話なのか?惑わされてはいけません。あくまでも表題「縦走路」をお忘れなきよう。
2月・厳冬の「八ヶ岳縦走」。紛れもない冬山を「ヤル」ということのなんたるか。厳しくも美しく、少しでも「山」をやりたい気持ちを持つ者なら、限りない「憧憬」をそそられる。行程描写のディテールにのめり込めば、身の程知らずにも、共にルートを行くスリルにドキドキする。

「土台『山』を背景に男と女を書き分けるのは困難」と結論付けてしまうのは性急な気もする。精神力、体力など性差による限界がどこらへんなのか知らずに、もの言うのもはばかられる。

2人の山男。異なるタイプに見えて、読み終わる頃にはスッと一つに重なる妙。
いいよね?山男って。
2人の女。対「男」を意識するあまり読者・女性の腑に落ちないことになってはいまいか?
「山」への憧憬、ひいては生きることへの表現は、男も女も超えた「真実」があるんじゃないか?「山男」のようにスッキリ「山」ヤル女がいたっていいじゃんよ、というちょびっと口をとんがらかしてみたくなりますなー。

その上で、さらに追言を許されるなら、雪の岩場に生息するカモシカのように人もまた単純に「男」と「女」が向き合ってもいいんじゃないか、と小さい声で言ってもみたい。
各々が性差もなく自己完結しなければならない究極の状況でこそ、きちんと自立した互いの前にすくっと立つ。視線の先は同一方向。
これって「理想形」じゃない?とか思うんだが…












  読み物 勝手に読書録   記:

あそびすとショップ

美味良品 おとりよせしました

編集長!今日はどちらへ?

アラカン編集長モンブランを行く!

BigUp

asobist creator's file

  1. はいコチラ、酔っぱライ部
  2. ikkieの音楽総研
  3. 旅ゆけば博打メシ
  4. うららの愛♡Camera
  5. Tomoka's マクロビカフェ
  6. 三笘育の登山は想像力
  7. 憎いウンチクshow
シネマピア
おもいでリストにエントリー確実、話題の映画!
【映画レビュー】海の沈黙

世界的な画家の展覧会で突如浮かび上…

旅塾

▲このページのトップへ