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勝手に植物図鑑

ギンリョウソウモドキ?

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納得より順化

「なんだこれ?!」
「ギンリョウソウっぽいけど、ピンクしてる!」

可愛いじゃ、ありませんか!
なんかファニーで森の妖精か妖怪を連想させる咲き姿!
「おい!キタロウ!!」とかね。

ギンリョウソウモドキ。増補改訂新版「山渓ハンディ図鑑2」で調べて一覧のような同定に至った。ギンリョウソウは「ツボミから開花、結実まで下を向いたまま」が特徴だが似た種のシャクジョウソウとギンリョウソウモドキの「果実・蒴花は上向きになる」とあり、シャクジョウソウが全体が淡黄褐色であるのに対しギンリョウソウは白色。

で問題はピンク色なんだが…
図鑑に掲載の花の断面図を見ると、花の内部の花柱や柱頭、葯の色がピンクっぽいから、いよいよ実ってきて内部のピンイクが透けて見えているのでは?!と推測した。

6月24日に秩父槍ヶ岳に登った。往路は地図にもないいわばバリエーションルート、復路は破線ルートをたどった。登りは、ずっとふくらはぎがメリメリするような急登に次ぐ急登の果てに岩峰がそびえ、クライミング要素もあるというアドベンチャラスなルート。登りで疲労困憊し、下りでは失速した。
その岩峰の頂き1341mからコンサイス1430?mまでの山道で見つけた。

*コンサイスがconciseならば簡潔、簡明の意味だから、岩峰よりも高い頂を「早い話がこっちが真にサミットね」ってなつもりの命名なんですかね?!

にしても…
ギンリョウソウやモドキやシャクジョウがツツジ目ツツジ科ってのはどうよ!
増補改訂新版はDNA分類体系準拠となっているが、それによると進化過程はツツジ科系列ということになる。なんかワケワカラン!

改訂前の図鑑はエングラー体系、すなわち形態的形質の差に基づいているんだそうで、それによるとギンリョウソウ、ジャクジョウとモドキはイチヤクソウ科とされている。
の方が、やっぱりピンとくるな~

しかし、この世に、世界に生息する全ての草花たちをDNAで解釈しちゃうなんざあ、その膨大かつ長大な発想と遠大な作業はサイエンティストなればこそなんだろう。

これからの時代、慣れるしかないんでしょね~

花期は8月から9月

撮影年月日 2018/06/24
撮影場所 秩父槍ヶ岳
学名 ERICACEAE Monotropa uniflora
科目・属 ツツジ目ツツジ科シャクジョウソウ属
季節
生育地 山地に生える腐生植物
分布 本州、四国、九州