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第367回 ライヴレポート編 Gacharic Spin ―― 全力エンターテインメントバンドの本領発揮! Gacharic Spin “LIVE 2024 「Let It Beat」”

前置き抜きでいきましょう! 7月6日にTOKYO DOME CITY HALLで行われたGacharic Spinのライヴ、“LIVE 2024 「Let It Beat」”のレポートです!

この日の東京は夕方ごろからゲリラ豪雨があったようだけど、入場待機中に雷が聞こえたものの、なんとか雨に降られる前に入場。今回はすいぶん良い席が取れて、アリーナ前方ど真ん中。ステージは近いし、客席中央に伸びたデベソ(花道)は目の前で、これはメンバーの表情もよく見えそうだ。会場を見渡してみると、3階席まである客席はほぼ埋まっているようす。

定刻の17時を少し過ぎると場内が暗転し、SEが流れる中、EP『ACE』のジャケット写真の衣装に身を包んだメンバー6人がステージに登場! 1曲目は今回のライヴタイトルでもある『Let It Beat』。頭から飛ばす、飛ばす! 客席からは大きな歓声が上がり、オープニングから大盛り上がりだ。しかし、先に書いたように、すごく良い席ではあるんだけど、前方の真ん中だと左右のスピーカーからの音がまっすぐに聴こえない位置だったりするのか、サウンドバランスは微妙……。ギター、キーボードがはっきりと聴こえず、ヴォーカルも他の楽器に埋もれがち。ただまあ、大きな会場ではよくあること。少々の聴きづらさは我慢して、こんなにステージのそばで観られる幸運に感謝しよう。

『Let It Beat』

2曲目ではさっそくアンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー)が花道に出てきて(想像以上に近い!)、オレオレオナ(Key)のピアノに乗せて歌いだす。……もうやるの? と驚いてしまった『I wish I』だ。この曲は俺のお気に入りで、個人的なハイライトがもうやってきてしまい、早くも涙腺崩壊。続く『オドリオドレ』ではF チョッパー KOGA(B)のスラップが大活躍! そして、オレオのコーラスが凄くて聴き入ってしまった。オレオはアンジー加入前にはメインヴォーカルを取ることも多かったわけで、歌唱力が高いのは当たり前だけど、オレオの歌はもっと評価されていいはず……。

怒涛のように3曲をプレイしてようやくMC。「今回は少しだけ優しいセットリストです」なんて、アンジーが話していたけど、続く『1GAME』もフルスロットルで飛ばす! 続いてはな(Vo,G)とTOMO-ZO(G)がコードを交互に鳴らすイントロがかっこいい『A LALA』。この曲で、はなは花道にマイクスタンドを置いてヴォーカルを取るも、歌詞が出てこないところがあって思わず苦笑い。そしてアンジーがリカヴァリーを試みるもうまくいかず(笑)、「歌詞間違えた!」と歌の合間に叫ぶ。こういうのもライヴならではの楽しみ(?)です。続く『カチカチ山』では、MV通りに曲の途中でドラムがyuriからはなにチェンジ。二人の身長差を考えると(15~20cmくらい?)、よくセッティングを変えずにプレイ出来るなといつも感心する。そしてyuriはスティックを持ったままアンジーと一緒に花道に出て来て歌う。……こんなことが出来るバンドってGacharic Spinくらいしかいないよね。

『A LALA』

軽くメンバー紹介を挟み、「まだどこでもやってないから、誰も1小節も知らないよ」と、新曲『High Grayinbow』をプレイ。アンジー、はな、オレオだけでなく、TOMO-ZOもヴォーカルを取るアップテンポなナンバーだ。そして、アンジーのくるくる表情を変えるヴォーカルと、メンバーの高度なインタープレイが堪能できる『Mind Set』、バンド初期からの人気曲『ダンガンビート』が続く。客席のタオル回しで大盛り上がりの『ダンガンビート』をプレイし終えると、メンバーから思わず「アンコールみたいなテンションだ」という声が漏れたけど、まだまだ前半もいいところ!

続くMCで、アンジーがGacharic Spinのライヴを観客として初めて観たのが2018年で、このTOKYO DOME CITY HALLの3階席だったと話す。「それが今メンバーとしてステージに立ってるって凄くない?」「(観客に向かって)みんなも次はメンバーになってるかもよ!」と口々に話すメンバーたち。そして、「この景色を見せたかった人がいます」と、アンジーが亡くなった父親を想って書いた『Voice』を披露。力強く、どこまでも伸びていくかのような歌声に胸が熱くなる。実は補欠として加入したというアンジーだけど、今やGacharic Spinの堂々たるセンターヴォーカルだ。

『Voice』

続いてプレイされたのはこの日、唯一といってもいいバラード、『where you belong』。はなとアンジーの優しいハーモニーが胸に染みる。そして、この曲ではTOMO-ZOのギタープレイが光った。手元も足元もよく見えなかったので、音で判断するしかなかったが、ヴォリューム奏法(あるいはそういったエフェクト)のようなロングトーンや、歌の合間に紡ぐオブリガード、ブルージーなソロが素晴らしかった。TOMO-ZOはこういう歌もののギターが抜群に良い。“元祖”かわいい担当でキュートなルックスのTOMO-ZOだけど、そのプレイはまるで渋いおじさんギタリストのよう……、というところで今回はここまで。次回に続きます! ……おじさんで終わっていいのか?

※後編は7月23日に公開予定です。お楽しみに!
(本文敬称略)

※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
https://linkco.re/vPZ00Quz?lang=ja

※ikkieのYouTubeチャンネルです!
https://www.youtube.com/channel/UC-WSajndNhq0tu7K7-MBEmQ?view_as=subscriber