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NIGHT RANGER 『FAREWELL JAPAN The “Goodbye” Tour』

第399回 ライヴレポート編 ―― NIGHT RANGER 『FAREWELL JAPAN The “Goodbye” Tour』 本当にこれで最後なの? (前編)

10月16日に日本武道館で行われたNIGHT RANGERの『FAREWELL JAPAN The “Goodbye” Tour』を観てきました! 今回の音楽総研は、彼らの最後のジャパンツアーとなったその最終公演の模様をお送りします!

NIGHT RANGER 『FAREWELL JAPAN The “Goodbye” Tour』

そぼふる雨の中、開演予定時刻の30分ほど前に武道館に到着。客席に入ると、俺と同じく80年代からNIGHT RANGERを聴き続けてきたであろう、アラフィフと思われる同志たちで2階の天井近くの座席までぎっしり埋まっている。ほぼソールドアウトだったんじゃないかな。武道館公演が発表された時は、果たして今のNIGHT RANGERがそのキャパを埋められるのか……と心配していたんだけど、そんな心配は無用だったようだ。凄いぞ、NIGHT RANGER!

開演予定時刻から15分ほど焦らされて、ようやく暗転。いつものシンフォニックなSEではなく、暗幕のかけられたステージに照明が当たりつつ、メンバーのおしゃべり(オータニサン、また打ったねとか)が流れる。「ケリーのこと見た人いる?」「ちょっと練習しようぜ」と『Sing Me Away』や『Sentimental Street』のコーラスをアカペラで。これがもう素晴らしいのなんのって! まだ暗幕もかかったままなのに、客席から大歓声が起こった。SEはおしゃべりからゴジラのテーマソングに変わり、「Please welcome, NIGHT RANGER !!」の野太いアナウンスでついにバンドが登場! 最高にカッコいいオープニングだ! 

1目曲は『This Boy Needs To Rock』。ギターソロパートには『Highway Star』が差し込まれ、早速ブラッド・ギルス(G)とケリ・ケリー(G)のハーモニーが炸裂。ステージをところ狭しと駆け回るジャック・ブレイズ(Vo, B)は声もよく出ているし、見た目も若々しく、とても71歳には見えない。サウンドバランスは残念ながら良好とは言えず、細かいフレーズは聞き取りにくい……が、ここは武道館、この程度ならば想定内。歌やギターソロのフレーズはちゃんと聴こえたから、良しとしよう。

『This Boy Needs To Rock』

続いてケリー・ケイギーの印象的なドラムフレーズから『Seven Wishes』がスタート。ギターソロの導入部分ではケリがジェフ・ワトソンの8フィンガーズを見事に再現、大きな歓声が起こった。続いて『Faces』のアカペラフレーズが聴こえてくると(生ではなく音源?)、意外な選曲にちょっとしたどよめきが。最年長73歳のケリー・ケイギーの歌声は、ドラムプレイと同様に力強さはあるものの、高音域が少々キツそう……。

ジャックの「オハヨー、トーキョー! NIGHT RANGER is Back !」に客席は大歓声で応える(もう19時過ぎだけど)。「今夜は東京のために特別なことをやるよ。観たことがない、聴いたことがない『7Wishes』アルバムの曲を全部やるぞ。40周年のアニヴァーサリーだ。きみたちへのスペシャルギフト(日本語風のアクセントで)だよ。Let’s play the movie !」とバンドがいったんステージを降りると、1985年リリースの『7Wishes』の楽曲が流れるなか、当時の映像や、これまでのジャパンツアーで撮影したと思われるオフショットなどの映像で構成されたショートムービーが流れる。そしてバンドがステージに戻ってプレイされたのは『Four In The Morning』。キャッチーなサビは会場全体で大合唱だ。演奏を終えるとジャックとエリック・リーヴィー(Key)の2人だけがステージに残り、「キーボード(こちらも日本語風のアクセントで“ド”と)のエリックのことは“E”って呼んでくれ」とジャックが客席に“E”コールをリクエスト。いちばん年少のエリックはすっかりいじられキャラが定着している模様……なんだけど、ジャックは、スポットが当たりづらいエリックにも花を持たせているんじゃないかな。

『Four In The Morning』

「Greatest singing drummer on the stage !」とケリーを呼び込み、名曲『Sentimental Street』をプレイ。ケリーの歌はいつもよりフェイクが多かったけど、73歳という年齢でドラムとヴォーカルという身体的に厳しいパートを担当しているんだもの。少々のフェイクくらい、ね。それに、歌声そのものの魅力はいささかも衰えていない。続いてプレイされたのは『Interstate Love Affair』。これまたレア曲の披露に感激……。シングル曲ではないこういった曲にも一緒に歌わずにいられないコーラスパートや、ギターのハーモニーが満載でNIGHT RANGERの魅力がいっぱい詰まっている。「35年ぶり、初めてのスペシャルプレゼントだよ、東京」と、この曲で『7wishes』パートは終了。一瞬、「あれ、40周年じゃないの?」と思ったけど、『Interstate Love Affair』をプレイしたのが35年ぶりだったのかも。そして、まだやっていない曲もあるけど、あとでやってくれるのかなと、この時点では思っていたんだけど、結局プレイされなかった曲が3曲。その3曲はショートムービーのバックで流れていたから、いちおう全曲プレイしたってことなのかな。ジャックはいつも簡単な言葉を選んで話してくれるけど、歓声で聞き取れないこともあるんだよね……(言い訳)。

『7wishes』パートのあとは、『Sing Me Away』、『Touch Of Madness』に、ナーナーナーナーナー、ナーナーの大合唱で会場が一体になった『Secret Of My Success』と人気曲が続く。そしてこちらも人気曲ながら、ライヴではプレイされないこともある『Rumours In The Air』に涙腺が崩壊。NIGHTRANGERはカリフォルニアのバンドらしく底抜けに明るい楽曲も多いけど、この曲や『Why Does Love Have To Change』(大阪では演ったようだけど、この日はナシ……)のような切ないメロディの曲も彼らならではの魅力だ。しかし、どちらのタイプもほんとにいい曲ばっかりなんだよね。NIGHT RANGERのライヴはやっぱり楽しい!

『Rumours In The Air』

……と、大いに盛り上がっているところですが、今回はここまで。

次回は11月4日に公開の予定です。

乞うご期待!

※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
https://linkco.re/vPZ00Quz?lang=ja

※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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