1. HOME
  2. エンタメ
  3. ikkieの音楽総研
  4. 第358回 ライヴレポート編 NEMOPHILA ―― 地獄のゆるふわ、日本武道館に立つ! (後編)
ikkieの音楽総研
ikkieの音楽総研

第358回 ライヴレポート編 NEMOPHILA ―― 地獄のゆるふわ、日本武道館に立つ! (後編)

さあ、前置き抜きでいきましょう! 2月17日に行われた『NEMOPHILA 5th Anniversary 〜地獄のゆるふわ LIVE at 日本武道館〜』のライヴレポート、後編です!
※前編はこちら

第358回 ライヴレポート編 NEMOPHILA ―― 地獄のゆるふわ、日本武道館に立つ! (後編)
こんな席でした。ステージはだいぶ遠かったけど、メンバーはオーラが凄くて大きく見えました!

後半はハラグチサン(B)作曲の『Style』からスタート。ステージ前方にたくさん並んだ松明が灯り、楽曲の妖しさを演出。リリース当時はミクスチャー寄りのサウンドにちょっと違和感を覚えたりもしたけど、聴き馴染んだ今となっては、mayu(Vo)の高速ラップやグルーヴィーなリフが心地よく、これもまたNEMOPHILAらしい楽曲だと感じているから不思議なものだ。続いて『Style』とはまた違う、和風な妖しさを湛えた『徒花-ADABANA』。サビでは大きな合唱が沸き起こった。間奏でのむらたたむ(Dr)の手数の多いフィルも聴きどころ!

『徒花-ADABANA』

ニューアルバムに収録の王道バラード『ODYSSEY』では会場中で照らされたスマホのライトが幻想的な雰囲気を醸し出す。ライヴでは音源以上にロックバンドらしい演奏で、SAKI(G)が歌のバックでブライアン・メイばりに繊細に紡いだギターのメロディが素晴らしかった。ミディアムテンポが続き、少し落ち着いた場内を疾走感のあるナンバー『Seize the Fate』が盛り上げる。中間部でお立ち台に仁王立ちでソロを弾くハラグチサンがカッコいい! もちろん、続いてお立ち台に上がるSAKIも、葉月(G)も……! 今回、会場で観てあらためて気付いたのが、葉月のステージングや、ギターを持った姿が配信ライヴなどで観るそれよりも格段にカッコよかったこと。ステージングについては毎回SAKIやハラグチサンのことばかり書いていたけど、葉月だって負けていない。NEMOPHILAはメンバー全員、惚れ惚れするほど立ち姿が絵になる(たむは座っているけども)。そういう意味でも稀有なバンドだと思う。

メンバーが口々に演奏が大変だと話していた『Hammer Down』は、たしかに大変そうではあったけど、テクニック云々よりも勢いのある演奏に圧倒された。ヘヴィなシャッフルの『SORAI』は間奏のアレンジが素晴らしく、生で観るとさらに聴き入ってしまう。続いて葉月がシングルコイルを乗せたギターに持ち替え、ニューアルバムに収録の『YELL~軌跡~』をプレイ。mayuのヴォーカルが少々キツそうなところもあったけど、温かい曲調とそのメロディに胸が熱くなった。

『YELL~軌跡~』の余韻に浸っていると、「これで終わりだと思ったかー?」と、ファーストアルバムのオープニングトラック『REVIVE』のブルータルなリフがスタート。mayuは大きなステージの端から端まで全力疾走し、そのまま息切れもせずに歌う! 曲の後半で打ち上げられた大量のテープにはメンバーそれぞれの手書きのメッセージが書かれていたようで、ゲットした幸運なファンたちが終演後のSNSにたくさん写真をアップしていた。バンドは怒涛の勢いで演奏を終え、ライヴ本編はここで一旦終了。

当然このまま終わるはずもなく、歓声と拍手でメンバーを呼び戻す。5分ほど焦らされた後にTシャツに着替えた5人が登場し、SAKIと葉月の印象的なタッピングのハーモニーから名曲『Life』がスタート! 2コーラス目のAメロでハラグチサンとmayuが向かい合うと、感極まったのかmayuが声を詰まらせた。このパートで2人が向かい合うのはお約束になっているけど、同級生と武道館のステージで向かい合ったのは格別だっただろうなあ。シンガロングパートではmayuの指揮に合わせて会場中が大合唱! そして、この後のSAKIのソロが凄かった! それこそ感極まったかのような、突き刺すようなフレーズで始まった泣きのギターに鳥肌が立った。聴いたことのないフレーズだったからアドリブなのかと思ったけど……、最近のライヴではこう弾いているのかな? 凄いソロだった!

『Life』

続くMCでは、武道館のライヴやバンド結成からのそれぞれの想いを。ハラグチサンは「ひとつのことに夢中になることの大事さ……、諦めなければ夢は叶う」と話す。SAKIは、「重たい話をしていいですか」と前置きし、「20数年前の昨日が母親の命日で、今年、母親が亡くなった歳になるんです。……で、今までやったことないんだけど、関係者リストに母親の名前を入れてみたの」と。そして、「ママはぼーっとしてる人だったから気付いてないかもしれないし、ママが気付くように皆さんでSAKIって呼んでもらってもいいですか?」と客席に呼びかけると、この日いちばんと言ってもいいくらいの大きな声で会場中から「SAKIー!」と声が上がった。そのSAKIの話を受けて、たむとmayuのお母さんコンビは泣いてしまい、mayuは喋れなくなってしまった(笑)。俺は鼻の奥がツンとしてどうにも困っちゃいました。

mayuにヨレヨレの涙声で次に指名された葉月は、「喋りづらいです……、言おうとしてたことを忘れちゃいました」と笑いを取りつつ、「地元の島根県で凱旋ライヴをやりたい」と話す。渋谷公会堂でのMCは緊張が見て取れた葉月だけど、この日はすごくリラックスして話していて、メンバーのMCにツッコミを入れたりもしていたし、この5年間でたくさんの経験を積んだんだろうな、と謎の親心(?)が芽生えた。続くむらたたむは、「この日が来るまではいろいろ考えていたけど、みんなにこの音を聴いてもらって、何か感じてもらうことが私の使命だと思った」と話す。大舞台の前に浮かんでいたのであろう葛藤や雑念も、実際にステージに立ってすっかり消えたようだ。

mayuは「高校の先生に音楽なんて絶対に無理だって言われたけど、逆のことをやってほんとに良かったと思っています。良い子のみんなには聞いてほしくないけど、先生の言うこととルールは破るんだ、って。だってこの景色見れたの続けてたからだし!」と話し、場内は拍手喝采。そして「最後は暴れて頭振って、汗びしょびしょになって終わろうぜ!」と、『DISSENSION』と『OIRAN』を武道館の屋根を吹き飛ばしそうなほどの迫力でプレイし、ライヴは終了した。

『DISSENSION』

この日のライヴは大会場らしい、派手な火柱などの特効や照明の演出もあり、それはそれで素晴らしかったが、大きなスクリーンや大掛かりなステージセットなどはなく、あくまでメンバー5人の演奏で勝負したライヴだった。過去には「NEMOPHILAのライヴは発表会みたいだ」という批判もあったようだけど、今日のライヴを観たら誰もそんなふうには思わないだろう。この時代らしく、活動初期からYouTubeなどでその成長と進化を見せてくれたNEMOPHILAは、5年の間にしっかりと武道館に相応しいスケールの大きなバンドに育っていた……! 素晴らしいライヴをありがとう!

(文中敬称略)

2024.2.17 『NEMOPHILA 5th Anniversary 〜地獄のゆるふわ LIVE at 日本武道館〜』 Set List

  1. RISE
  2. 鬼灯
  3. 雷霆 -RAITEI
  4. ZEN
  5. Enigma
  6. AMA-TE-RAS
  7. OSKR
  8. Justice
  9. Waiting for you
  10. Night Flight
  11. STYLE
  12. 徒花-ADABANA
  13. ODYSSEY
  14. Seize the Fate
  15. Hammer Down
  16. SORAI
  17. YELL~軌跡~
  18. REVIVE

Encore

  1. Life
  2. DISSENSION
  3. OIRAN

※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
https://linkco.re/vPZ00Quz?lang=ja

※ikkieのYouTubeチャンネルです!
https://www.youtube.com/channel/UC-WSajndNhq0tu7K7-MBEmQ?view_as=subscriber